嘘とお茶
「どうぞ。」
士郎さんがお茶を出してくれる。
「ありがとうございます。」
いい香りのする紅茶が入ったカップを眺める。あまりにもさらりと淹れるからいらないですとは言えなかった。明らか高そうな紅茶で、どうも自分には不相応だ。でも飲まないのも失礼な気がして、軽く口をつける。
「わざわざ届けてくださりありがとうございます。」
「い、いえ別に家からも近いですし。」
「そうなんですね。」
「はい。」
「まさかお嬢がお友達にプリントを届けてもらうなんて思ってもいませんでしたよ。」
「そうなんですか?なるのことだから友達はいっぱい居そうだけど...。」
「学校の様子を見たことあるわけではないので詳しくは知りませんが、少なくとも前はプリントを友達に届けてもらってはなかったですね。」
そういえば、あまりなるから私以外の友達の話を聞いたことがない。
「そもそもこの家に入ったことがあるのは家族かあなたぐらいですから。」
「そうなんですか?」
「...いや、そういえば昔...」
「ゆうちゃん...?」
後ろを振り向くとなるが立っていた。当たり前だけどパジャマのままで、その無防備な姿にドキッとする。
「なんでここに...?」
「えっと...プリントを届けに...」
寝起きなのかいつもよりホワホワとしていてすごく新鮮に感じる。
「よく家わかったね。」
「ここら辺でも1番目立つ建物ですよ?」
「ゆうちゃんは方向音痴だから。」
あれ?
「方向音痴なこと言ったっけ?」
なるはあからさまに目を逸らす。
「ほら、前話してくれたじゃん?」
「そうだっけ。」
「そ、そうだよ!ね?」
「そっか。あんま記憶力ないんだよね。」
「そうなんだ〜!」
さっきから目が合わないし、少し声もうわずっている。相当嘘が下手なんだな。なんだか微笑ましくて笑みが溢れそうになる。
「朝比奈さん、嘘が下手だからってあまりお嬢をいじめないであげてください。」
「下手じゃない!」
思わず吹き出しそうになる。
「もう体調は大丈夫そうですね。」
「うん!明日は学校行けると思う!」
ちょっと待て
「明日休みだよ?」
「そうだった...。」
お読みいただきありがとうございます。
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タイトルは「色々とごめんなさい!」です。
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次回もお楽しみに。




