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小太郎 母の日

作者: Eiji

「あら (あきら)ちゃん!小太郎!晶ちゃん来ましたよ!」

「晶ちゃん!あがって!」


昨日

「太郎ちゃんは何やるの?」

「何やろうかなぁ」

「去年は何やったの?」

「去年?いろいろやったなぁ」

「えぇ!そんなに!」

「うん!やったなぁ…かくれんぼに鬼ごっこ 缶蹴り…」

「何それ?」

「去年遊んだの 後は…」

「違うよ!」

「ん?」

「母の日だよ」

「なんだそれ?」

「太郎ちゃん 母の日知らないの?」

「知らない…」

「明日は母の日だよ」

「だから休みなんだ!」

「違う…5月の第2日曜日が母の日なんだよ」

「な〜んだ…ケチだなぁ…」

何がケチなんだ?

「お母さんに感謝を込めてプレゼントするんだよ」

「えぇ!俺 そんなお金持ってないぞ…」

「何もお金使わなくてもプレゼントは出来るよ」

「めんどくさいなぁ…」

「太郎ちゃん!そんな事言わないの!」

「晶ちゃんは何やるの?」

「ん〜まだ決まってないの」

「去年は?」

「去年はね お小遣い貯めてお洋服買ったんだけど…今年はどうしようかなぁ」

「俺…これしかないもんなぁ…」

小太郎はポケットから50円玉を出す

「太郎ちゃん一緒に何か作ろう」


小太郎と晶ちゃんは母の日のプレゼントを作ろうとしているのだ


「太郎ちゃん 何か考えた?」

「何も思いつかない…」

「じゃあさ 何か券作る?」

「券?」

「そう お手伝い券とか」

「券か…」

「紙と鉛筆で出来るよ」

「そうか!じゃあ それにしよう!」

「太郎ちゃん…その代わりちゃんとお母さんが券出したらそれやるんだからね」

「…そうか」

「ただ書いて渡そうとしたでしょ…」

図星…


「晶ちゃんは何券にするの?」

「何にしようかなぁ…太郎ちゃんは?」

「どうしようかなぁ…」

中々決まらない小太郎と晶ちゃん


「母ちゃんか…最近なんか言ってたなぁ」

「私ん家のお母さんも…なんだったかなぁ」


「小太郎 オヤツですよ」

「おぉ 母ちゃん…」

「太郎ちゃん!」

「あっ!そうか…」

危なく本人に聞こうとする小太郎

「何やってるの?」

「な…何でもないぞ…」

隠し事が出来ない小太郎

「いいから 母ちゃんはあっち行ってて」

「はい はい よっこいっしょ…」

「あぁ〜!これだ!」

「ん?」

「なんでもない!母ちゃん行ってて!」

「はい はい」


「そうだよ 最近母ちゃん疲れたとかってよく言ってたんだ」

「うちのお母さんも!」


「俺 これにしよう!」

「私はこれだな」


小太郎は肩叩き券

晶ちゃんは腰揉み券


「なんか これだけだと寂しいなぁ」

「太郎ちゃん!なんか作ろうか!」

「券作ったよ」

「前に太郎ちゃんが作ってくれたチャーハン美味しかったよ」

「おぉ!作るか!そうだ!晶ちゃんの母ちゃんも呼ぼう!」


「母ちゃん!晶ちゃん家に行って晶ちゃんの母ちゃん連れて来て!」

「はい はい」

小太郎達は内緒でプレゼントを作っていたが 小太郎の声が大きい為 母ちゃんに筒抜けだった


「よし!母ちゃんにはまだバレてないぞ!」

バレバレだぞ…


「母ちゃん達が来る前に作っちゃおう!」

「じゃあ材料は私が切るね」

ネギを切る晶ちゃん

トントントントン…

「おぉ!晶ちゃん早っ!」

「最近 お母さんのお手伝いしてるの!」

「んじゃ 俺 フライパン温めるね!」


「こんにちは」

「あら どうしたんですか?」

「あの子達が何やらやってるみたいだから お誘いに来たの」

「へぇ〜!母の日だからかな?」

「小太郎は 覚えてなんかいないから 晶ちゃんに教えられたんですね」

「あまり早く行っても準備出来ないだろうからお茶でもどうですか?」

「そうですね」

母ちゃん2人は なんか嬉しかった


「太郎ちゃん 卵入れるよ」

「晶ちゃん待って これに卵とネギ入れて混ぜておいて」

小太郎は時間短縮の為 最初にご飯に卵 ネギを混ぜることにした

「ん〜と…これ切って入れるか」

小太郎はソーセージを細かく切り炒める

ジューーーーー…

「晶ちゃん 入れて!」

「いくよ!」

ジャーーーーー…

フライパンを振りながら混ぜる小太郎

「早くやらないと焦げちゃう…」

混ぜる小太郎

コンロにこぼしながら混ぜる混ぜる…

「晶ちゃん 塩!」

「はい!」

混ぜる小太郎

コンロにこぼしながら

「晶ちゃん コショウ!」

「はい!」

「へっぶしゅ!」

隠し味投入

混ぜる小太郎

「晶ちゃん 味見して!」

「ちょっと薄いかも…」

「じゃあ もうちょっとコショウ入れて!」

「はい!」

「へ〜っぶしゅ!」

さらに隠し味投入


「よし!出来た!」

小太郎隠し味チャーハンの完成


「ただいま」「こんにちは」

「あっ!来た!」

「母ちゃん達早く!」


「あら〜!2人で作ったの?」

「そうだぞ!晶ちゃんが材料切って味付けも晶ちゃんだぞ!」

小太郎も味付けしたけど…

「太郎ちゃんがフライパン振って混ぜたんだよ」


「太郎ちゃん最初に渡そう」

「あっ そうか」

「これお母さんに」

「こいつは母ちゃんにだぞ!」

晶ちゃんは『腰揉み券』と書いた10枚綴りの券

「小太郎… た が多いのと少ないのが有りますよ…」

小太郎は『かたたき券』数枚と『かたたたたき券』数枚

「母ちゃん シー!」

さすが小太郎


「じゃあ 食べよう!」

「いただきます」

「どう?太郎ちゃんのチャーハン美味しいでしょ!」

「晶ちゃんの味付け美味いでしょ!」

「うん とっても美味しい」

母ちゃん2人のチャーハンは 小太郎達のチャーハンより 塩味が効いていたに違いない


「お茶でも入れましょうね」

母ちゃんが台所へ

「はぁ〜〜…やっぱり…」

コンロ周りの 台風一過 を見て微笑む母ちゃん


小太郎の母ちゃんも晶ちゃんの母ちゃんも『かたたき券』『かたたたたき券』『腰揉み券』を使わず大事に仕舞ったのだった










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