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コミュ障になった俺とコミュ障だった彼女の不可解な生活  作者: 戦告
第四章『夏休み、海編』
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第42話 間接キス

 取り敢えず動けるようになった俺と莉櫻は明日絶対筋・肉・痛!!と思いながら立ち上がり先程確保したエリアに腰を下ろした。


「えい!」


「……痛い」


 実はもう既に俺の腕は限界でした。そしてそのことを俺が起き上がる時にたまたま知ってしまった美玖は俺がちょうど油断した瞬間に腕、特に二の腕を指でつついてくる。


「なら俺も……いや、なんでもない」


 俺は何もしていませんよ?普通に()()だけですから。


「美玖?いつまでやってんの?」


「えー。潤平君今とっても面白いよ」


「……痛い」


 美玖がハイテンションになっています。俺の事を面白いだなんて。素の時はぜーたい言わないやつである。……痛いけど。


「やりすぎると嫌われるぞ」


 ピタッと止まる。流石真鐘。優秀である。


「美玖、何か買いに行くぞ」


「分かった。ごめんね」


 俺の身体に今、見えない何かが通った気がした。何でも許します。……可愛い。写真撮りたい。


「莉櫻!お前焼いたトウモロコシ買って来て」


「何本?一本?」


「4本な。自分と美玖で飲み物買ってくる」


「は~い」


 俺はこの場で待っていてもいいのだろうか。柄にもなくそんなことを考えていると、


「松平は持てる物がないだろ」


 一刀両断されてしまった。ならせめてお金を渡そうとしたが、


「これぐらいは私も払えるから」


 これまた一刀両断されてしまった。つまり俺の身体は4分割されてしまった。……つまりの意味が解らないぞ。

 快晴の天気の中、身体は疲れ、友人は買い物に行き、ボッチ満喫中の俺は再び横になった。……まぁ、寝る体勢だな。暇だし。

 それにしても、莉櫻は元気すぎる気がするぞ。俺よりガッツリ泳いでおいて10分経過で元通りってやつか?それは超人だ。凡人に劣る俺が敵う訳がない。

 それからしばらくし、俺がうとうとしていると最初に帰ってきたのは莉櫻だった。


「おーい。潤平?大丈夫か?」


 心配してくれるのはありがたいが、心配するならこそ放っておいてほしい、と少し思ってしまった。


「……何だよ、莉櫻」


「ほら。焼きモロコシ」


「……あ、ありがと」


 寝ぼけた頭がようやく思い出した。そうか、莉櫻はモロコシ、あの2人は飲み物を買うとか言ってたぞ。

 俺は起き上がり、差し出された焼きモロコシを手に取った。そのモロコシからはトウモロコシ本来の香りと焼いたことによって生まれる、焦げやすい香りが混ざって香ってくる。


「食べてしまおうか」


「……そうだな」


 男に“待て”は効果がないのだ。

 莉櫻は器用なことに左手で真鐘と美玖の分を持ち、右手でモロコシを掴んで頬張っていた。


「……これ美味いな」


「そうだね」


 男にこれまたうまい以外の感想などいい表せない。


「……なぁ、莉櫻」


「ん?何?」


「……風紀委員、どうだ?」


 俺は風紀委員に顔出しした後、一度もそれから顔を出していない。関係を立っているとはいえ、少しの興味が残っていた。

 莉櫻は驚いた表情を見せた。


「潤平はそんなに仕事熱心だったのかい?」


「……いや、帰って寝たいと思う方だが」


「それならただのコミュ障か」


「……否定はしない」


 彼は一口、ガブリといった。そして、


「順調だよ。麗律もいるし」


 口の中に入ったままだったのではっきりとは聞こえていないが、確かにそう言ったように思う。


「……彼女の力か」


「たぶんね」


 このような話は莉櫻だからできることだ。彼は何処までも直線である。勿論、それがいい方向にも悪い方向にもなりやすいという事ではあるが、今は確実に良い方向へと進んでいる。


「潤平。何か悩み事かい?」


「……どうしてそう思う?」


 そして彼は友達としてなら普通に話せるコミュ障の持ち主。つまり居心地がいい。


「今は夏休みだよ?そんな時期に委員の話をしてくるなんてらしくないなと思ってさ」


「……特にない。気にするな」


 俺は一瞬全ての事を自分の中で区切りはつけているとはいえ吐き出していまいたくなった。

 だが、美玖にも相談していないことを莉櫻にするのはどうかと思った。だから断った。


「おまたせー!」


「……おかえり」


「莉櫻…。変に器用だな。お前ってやつは…」


「はい二人とも。俺は普通に器用だし」


 莉櫻が2人にモロコシを手渡す。美玖の両手にはジュースらしきものが、真鐘の両手にはポテトの容器のようなものが握られていた。そのため、俺は先にジュースを莉櫻はポテトを先に受け取った。


「ポテトかい?」


「もう少し食べ物があればいいかなと思ってな」


「麗律は莉櫻君の事ばっかり考えてたよ」


 美玖はこのようなときに、黙って見過ごすことをしない。

 それが今回は裏目に出てしまったようだ。


「本当かい?俺嬉しくて唯ちゃんのところに昇天しそう」


「調子に乗るな!」


 ちなみに唯ちゃんとは、莉櫻が推している声優の名前である。

 頭をデコピンで弾かれた莉櫻は少し嬉しそうだった。……嬉しいのはどうやら本当らしい。


「み、美玖だってラッキーだといってただろ?」


「れ、麗律?!それは無いしょって言った奴!!」


 ラッキー?内緒?なんの事だろうか。


「何々?」


「4人で2ペアだろ?それで手は2本しかないから……」


「あーっ!あーあーあーあ」


 必死に言わせまいと頑張る美玖。


「2人で1本を呑むラッキーだってさ」


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