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コミュ障になった俺とコミュ障だった彼女の不可解な生活  作者: 戦告
第三章『再起部の闇』
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第36話 夏休み課題

 日は俺の気持ちをとことん無視し続け、夏休みまであと何日と陽キャラどもが嬉しそうにはしゃいでいるところまで来ていた。俺の夏休みは無いに等しいのでそのまま学校続けっ!皆、俺と同じ境遇を味わえっ!と言ってやりたいところだが、そんなことも言えていたら俺は今頃陰キャラに何てなっていない。


「……問題が多い」


 新山さんの相談、体育祭実行委員会、風紀委員……。

 どうして俺が、と思っているが、美玖を引き合いに出されている今、俺が出来ることは大人しく従うだけなのである。


「部長」


 だが、大原先生も会長も、ぎりぎりラインを超えていないので強く言えない。今の俺の仕事量は学級委員長とあまり大差は無いだろうからな。


「部長っ!!ちゃんと聞いてくれていましたか?」


 俺の事を「部長」と呼ぶのは新山さんしかいない。


「……すまない。あまり聞いてなかった」


「では、聞いていなかったところから話しますのでどこまで聞いていたか教えてください」


「……えーっと。すみません。全く聞いていませんでした」


 新山さんは大きなため息を1つ()()()()()()()()()()ついた。相当にご立腹のようだと感じた俺は、この時間だけは全てを一旦片付けて、彼女の相談にあたらうと決めた。


「もう一度言うのでちゃんと聞いてください」


 新山さんはここで大きく息を吸い込んだ。その姿は自分の想いを伝えようとしているように見えて…


「どうしたら部長みたいになれますか?」


 とんでもないことを言われた。俺みたいに?それはどういう意味で言っているのだろうか。


「……うん?それはどういう事だ?」


「そのままです」


 俺は俺であるためにラノベ主人公みたいな理性の権化ではない。その為、俺にそんなことを言ってしまうと欲望の方へと思考が進んでしまうのは自然の摂理である。


「どうすれば部長んぼ幼な他人から認められる存在になれますか?」


 おっと残念でした。思考だけは進むが現実ではちゃんと隣に美玖がいるのだ。


「……俺は他人から認められているのか?」


 俺は新山さんに思った疑問をぶつけた。俺の問いに対して新山さんは自分の眼鏡をくいっと一回あげ、


「再起部の再起、会長との討論、今までは私の相談と体育祭実行委員…。これだけの功績を残して他人から認められないわけがありません」


 俺としてはあの時の会長との討論が嘘の中行われていたことだとしても“再起部の部員確保”は叶えておきたい。それが俺の中のメモ帳にはしっかりと描かれている。

 その他の事柄もまだ終わっているわけではない。俺の予想ではだが、会長ともう一回()()()()をしなければいけないような気がしている。


「……新山さんはやらないのか?」


「私は出来ません」


 新山さんの語気が弱くなり、顔も俺の方を向いていたはずなのに、いつの間にか下を向いてしまっている。


「……どうして?」


 しかし、俺には優しい言葉を掛けるなどという陽キャラどもが好みそうなことは出来ない。

 優しさというのは時として暴言より残酷にさせることがある。俺は実際にその時を満たし、そう思っている。他人に押し付けようとは1ミリも思ってはいないが否定される筋合いもないだろう。


「私は人と関わりあうというものが苦手です。人は怖い。何を考えて何を感じているのか。表と裏なんて平気で違う。だから私は出来ません」


 今回は俺の理念がいい方向に転がしてくれたらしい。多少、深刻で驚きはしたものの、いくつか納得できた。しかし、俺には何故話せているのだろうか。


「……どうして俺には話すんだ?」


「部長には裏表がない。と私が思っているからでしょうか」


「……いや、訊かれても困る」


「恐らく、そういうところです」


 向かい合って相談している今、俺と新山さん以外は再起部の部室には居ないため、非常にまずい。

 何故かって?全く分からないからだよ!


「……それで俺みたいになりたい、か」


 軽くスルーしておこう。そうすれば俺は分からないことを隠せる。


「若干怪しいですが……そういう事です」


「……やめておけ」


 新山さんの言葉に俺はポツリとそう返した。俺の事は俺がよくわかっている。今の俺の状態は完全に容量オーバー。手一杯というやつだ。だから、


「……俺は俺として生きてきた。そしてこれからも変わらない」


「私はその生き方を知りたいのです」


「……違う。新山さんは“俺になりたい”と言ったんだ。それが無自覚ならこっちが本音だ」


 何処か問い詰めるような俺の口調に俺自身が嫌になる。お前は何様だと、何回も言ってやりたくなる。


「でも、私は変わりたい。力が及ばなかったなんて言われたくないし思いたくもないんです!!」


 このままではケンカへとなりそうだ。だが、俺はケンカで新山さんの抱え込んでいる物がでて来るのでは、と思った。だから、


「……それで結局、他人に頼るのか?」


 新山さんがこちらを向いて眼を見開いていた。恐らくだが、まさか俺がそんなことを言うとは思ってもいなかったのだろう。


「……」


「……俺は新山さんじゃない。考え方も感じ方も全く違う」


 俺は新山さんの相談内容に対しての解決法を既に見つけている。あとは新山さんの気持ち次第なのだ。

 俺は俺である。何度も言うがそれは絶対に変わらない。逆に言えば、新山さんは新山さんなのである。

 俺の解決法は“新山さんが新山さん自身を信じられるようにする”という事だ。


「私には諦めろという事ですか?」


「……そうはいっていない」


 少し言い過ぎた気がしていたために、少し語気を弱める。ケンカで言いすぎるなんてまだまだ子供である。


「ではどういう事ですか!!」


 少し怒らせすぎてしまったらしいな。宥めるとしても原因が俺なので俺がやっては逆効果だ。


「こんちは~!」


「あ、彩花」


「……来た。救世主」


 救世主は状況が分からずオロオロしていた。

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