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コミュ障になった俺とコミュ障だった彼女の不可解な生活  作者: 戦告
第三章『再起部の闇』
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第35話 風紀委員会

 俺名義で莉櫻が所属した風紀委員。俺はもう関係のないことだと思っていたがどうやら違うらしい。俺も名義上は所属していることになっているため、書類では勿論『風紀委員』の肩書が載せられる。

 それを見た時の大原先生と言ったら、


「まさか自分からとは…。著しい成長だな」


 と、どこか嬉しそうであった。……やりませんよ?

 しかし、俺の中では大きな問題が起こった。


「君達が新たなメンバーか。どうぞ掛けてくれ」


 俺と莉櫻と真鐘は風紀委員が使っている部屋、仮に"風紀委員室”を訪れていた。俺も居る理由?そんなもの大原先生に「行って来い。、でないと……」とまた脅されたからですが、なんでしょうか。……権力って怖い。

 俺達は腰を下ろし、目の前にいる大熊の様な大男を見る。この人が恐らくは風紀委員長だろう。

 俺の見立ては正解のようで莉櫻が「委員長…」と声を漏らしていた。


「まずは初めましてだな。鶴田は前にも挨拶したがいいか?」


「はい。勿論大丈夫です」


「俺の名前は杉本高馬。風紀委員長をやっている」


「真鐘麗律(れつ)です。よろしくお願いします」


「……松平潤平です。()()()世話になります」


「おう。訊いたぞ。あの沖田会長とやり合ったんだってな。どこかしらに才能を持つ奴はいるらしい」


「……俺は挨拶に来ただけなんで」


 自己紹介を終え、俺にすることは無くなった。だが杉本委員長は俺を帰らせるつもりはないようだ。


「まぁそう言うなって。俺は2年生でな。会長に一言いうのも無理なんだよ」


 大熊の体型を揺らしながらニカッと笑ってくる。大熊の体型というのはデブという事ではない。彼の肉体は筋肉が盛り上がり、体格がいいという事である。


「……2年生でしたか。失礼しました」


 取り敢えず謝罪しておこう。こうすれば火種が燃えることは100%ないのだから。


「ん?いいってことよ。まぁお前じゃなくて隣の鶴田が委員会に入会するのは少し不安だけどな」


「が、頑張ります。潤平のためにも」


「……莉櫻は信頼してもらって大丈夫です」


「敬語なんてやめてくれ。会長に使ってないって聞いてるのに俺に使うな」


 委員長は結構俺の事について調べたようだ。何も出てくることは無いはずなのだが……おかしい。

 しかし、そのこととは別に、俺はこの杉本という男に対して共感を覚えていた。何かはわからないが、通じている気がする。


「あの……自分も入れてもらっても…」


 真鐘のコミュ障が発動した。気の許せない相手がいると言いたいことがうまく言葉に出来ないパターンのコミュ障である。守ってやれよ、莉櫻。


「すまない。えーっと真鐘、今回は風紀委員に来てくれたこと、本当に感謝する。……1つだけ訊くが、どうして人の少ない風紀委員を選んだ?」


 まさかここで「莉櫻と居たいからです」なんて答えるわけにはいかない。風紀委員は風紀を保つための組織。その組織に色恋で入ってきましたなどとは死んでも言えるわけがない。


「えーっと」


 おいおいお2人さん?委員長が見えていないからって手が繋がっているのはどういう事かな?俺はバッチリ横から見えてるんですけど!?

 俺の視線から判断したのか、杉本委員長は大きく笑った。


「成程な。しかし、ここは風紀委員だぞ?」


 もう一つ、付け加えるとすれば学校としても認めてはいない。……まぁ学校が恋愛を認可できるような立場ではないことは承知しているが。


「俺も麗律も何1つ言ってませんが」


「あぁ」


「少し早計ではありませんか?」


「それもそうだな。な?」


 杉本委員長が俺に同意を求めてくる。俺に訊かれても答えられることなど無いのだが……。

 しかし、ここで俺に意見を求めてくるという事はこの件は不問にするという事だろう。それはそれでありがたい。


「……少し早計だ。確証がない」


 口先だけではいくらでも誤魔化せる。動かぬ証拠があって初めて問い詰めることが出来るのだ。


「まぁ俺も何がとは言ってないがな」


 この喰えない感じ……。大原先生とも、沖田会長とも違う。杉本委員長の性格。


「……そろそろ本題だな。時間が惜しい」


 実際、俺の時間は無いに等しいのだ。2人目となった新山さんの相談にも乗らなければいけないし、“体育祭実行委員会”の仕事も残っている。そんな中で丸投げしたこの風紀委員に居るというのははっきり言って時間の浪費でしかなかった。


「風紀委員について簡単にだが、説明しよう」


 横に居る2人の肩がピクリと動き、緊張しているのが伝わってくる。そこまで身構える必要は無いと思うのだが…


「風紀委員というのはその名の通り学校風紀を守るための組織だ。その為に特別な権利がいくつかある」


 生徒会と並び立つと言われているこの風紀委員。その理由の一つとして大きいのが今の『特別な権利』というやつである。


「1つ、風紀委員の仕事は何よりも優先されるものである。1つ、違反者を罰せる権利を持つ。まぁ他にもあるが1年生の内はこの2つさえ覚えておけばいい」


 カッコよく言っているが…。どうしてだろうか。忘れたようにしか見えないし、言い訳にしか聞こえない。


「……身体で覚えろってことだ」


「俺、罰するってどうすればいいのかわからないよ」


「意気地なし。……自分もわかんないけど」


「ペアで行動するのも忘れずにな」


「ペアって自由なんですか?」


 莉櫻が喰い付いた。こいつはもう少し考えてから行動(言動)すべきな気がする。


「あぁ。鶴田は真鐘と組め。俺はこの有能な松平と組む」


「ありがとうございます!」


「……俺は仕事なんて無理なのだが」


 あと莉櫻。さり気無くお礼しなかった?バレちゃうよ?確証残しちゃうようなものだぞ、それ。

 とはいえ、杉本会長も察してわざと黙ってくれているらしい。大熊の身体つきに反して心遣いは繊細である。委員長に選ばれた理由はこれなのかもしれない。


「名前だけは入会しているんだ。ペア決めまではしてもらうぞ」


「……それまでだけどな。……絶対無理だからな」


「俺一人で大丈夫だ。今までもそうだったからな。だが知恵を拝借したい」


 俺の言い分はこの学校では通じないらしい。

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