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コミュ障になった俺とコミュ障だった彼女の不可解な生活  作者: 戦告
第三章『再起部の闇』
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第31話 部長と委員会

 俺は真鐘から話を聞き、こっぴどく叱られた。あの時は「もぐぞ!」とかガチで言ってたからマジ怖かった。

 一応美玖は秘密にしておきたいようなので何も言わないでおこう。

 今は7月1日。俺の誕生日まで4日となった訳だがそんなに浮かれても居られない。


 ☆☆☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「ーーーというわけだが、やりたい奴はいるか?」


 大声で募集を掛けるのは我らが担任の大原先生だ。期末テストと夏休みが近づいたこの時期に誰が“体育祭実行委員”などというものを好き好んでやるというのだろうか。


「……誰もいないのか?うん?」


 最後のうん?は俺に向けられた気がする。…え~嫌だ。俺は部長としてようやく乗ってきたところなのだ。これ以上の負担は死んじゃう。過労死だ!


「委員長はどうだ?」


「すみませんが、委員長は委員長で役割が既にあるので今回はちょっと」


 ……委員長がやらない、だと。委員の長なのにか?それでは俺にこの役目が来てしまう。

 じっと俺を見てくる先生に対して俺はすぐに目を逸らした。が、それがダメだったらしい。

 先生は黒板にカツカツと何かを書き始めた。


『松平は生徒会の端…』


 あぁぁぁぁぁっ!!やりやがった。強引な手というよりも脅しだよ!久しぶりのな!全然嬉しくない。


「……やります」


 精一杯の声で叫ぶ。場がしんと静まり返った。先生の書く手もピタリと止まっている。

 当然だ。初登校から今までクラス中に聞こえる大声など出したこと無いからな。


「松平、頼んだぞ」


 ニヤッと人の悪い笑みを浮かべさっとの字を消す先生。怖い。マジ怖い。

 だが“体育祭実行委員”とはいったい何をすればいいのだろうか。俺がこんな役目をしたのは中学2年生の途中までなのであまり変わっていないでくれと願っておく。

 クラスメイト達(仮)?は何事かわかっていないようだ。特に俺が立候補したのかを疑問に思っているはずだ。……しかし、おそらくだが「先生に脅されている」と訴えたとしても誰も信じることは無いだろう。


「あ、松平は後で職員室まで来るように。部活報告と委員会資料を渡すからな」


「……うぃー」


 俺はいつから忙しくて大変です!みたいなキャラへと堕ちてしまったのだろうか。全く解せない。


「瑞……生徒会……もしかして端山か?!俺がやってもよかったけどな、委員長」


 最初に心の内が出ていますよ。あともっと早く気付けよ。沖田のバカ野郎。

 俺は放課後に職員室を訊ねたのだが、なぜか奥まで通されてしまった。勿論俺が何か怒られそうな案件などは無い。逆に空気過ぎて怒られるのだろうか。それは本当に勘弁なのだが。


「松平。どうぞ座ってくれ。気楽にな」


 これを尋問と言わずになんというのだろうか。しかし、罪人(?)は拒否権がない。


「……失礼します」


「そういえば前にもこんなのをやったな」


 大原先生が言うのは俺の厄日の事だ。あの日さえ来なければこんなに苦労することなど無かったのに。


「……1か月も経ってないですけど」


 そう。まだ1か月も経っていない。俺って実は才能うがあったのかも、と少し勘違いをしてしまうところだ。


「取り敢えず、おめでとうと言っておこうか。部長」


「……できることしかしなかったですけど。ありがとうございます」


「沖田には既に報告してある。あとは私との取り決め通り、委員会もやってくれればそれでいい」


 先生は俺に資料と思わしき紙を渡してきた。今回も俺にやらせてくるようだ。

 内容はざっと流してみたが、過去の出来事や種目、予算、問題まで書かれてあった。


「失敗してもらうわけにはいかないからな」


「……俺1人がやる訳ではないですが…」


「確かにそうかもしれんが、私はお前が中心となるような気がする」


 こればかりは個人の予測や考え方なので否定することが出来ない。……また1本とられてしまった。


「……俺はこのままだと過労死するな」


「何も1人で抱え込むことは無いだろう。部員が2人いるし何より心を許せる彼女がいるのだから」


 立派なことを言っているように聞こえるが、先生の名前が入っていないところがミソである。

 俺が不審な眼を向けていると、先生はコホンと1つ咳払いをしてやめさせてきた。


「事実だろ?」


「……まぁそうですけど。自分は含まないのかと思いまして」


「高校は義務教育ではない。だから教師は頼ってくれないと何も言わん」


 この人もそれなりの理念はあったらしい。高校とはそんなもんだと俺は改めて、実感させられた。


「……用は終わりですか?」


「あぁ。1つ言い忘れていたが、この体育祭実行委員は生徒会と連動して行う」


 この“1つ”は恐らく嘘。まだ訊ねれば1つか2つはでてくるはず。それが大原先生という先生だ。


「……デメリットは何ですか?」


 先生はおっ!というような顔をこちらへ向ける。どうやら勘が当たったらしい。……ニヤニヤしてくんな。


「夏休みがほぼなくなる」


 予感はしていた。だが、その分美玖と会えるというのならあまり大きな問題ではない。


「……」


 俺は無言で続きを促す。先生はニヤ付いた笑みを収めようとはしなかった。


「もう1つは委員とは別に、友人などから1人、手伝い人を選ばなければならない」


「……は?」


「委員とは別に友人などから1人、手伝い人を選ばなければならない」


「……独りは駄目なんですか?」


「構わない。が、去年から居る者の助言としていないと本当にお前の言う通り過労死になるぞ」


 それは是非とも回避しなければ!まだ死にたくない。だとしても手段がないのだが。


「……辞退し」


「駄目だ。お前が()()()()()()立候補したからな」


 これを言いたいがために脅しを持って俺からわざわざ言わせるようにしたようだ。

 はぁ……誰か手伝ってくれる奴はいないかなぁ…。


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