2/2
第1章 第1話
5月25日 東京都内某交差点 AM 9.40
「あーあ、今日も遅刻か…」
都内でも比較的小さい交差点に、一人の青年がいた。その青年は、スマホをいじりながら信号を待っていた。
彼は、かんたんに言うところの、フリーターである。会社の態度は悪く、職を転々としている。特に彼は、コンビニのバイトが多いのだが、客からは、『目付きが怖い』と言われるくらい、目付きが悪いのだ。
そんな青年だが、ひとつだけ、誰にも負けない事がある。それは、握力、筋肉である。
握力も80キロあり、毎日腹筋はしているのだ。
これだけは、小学生の頃から、1日もサボらずやっているのだ。
それくらいやるんだったら仕事もちゃんとしろよってなるのだが、彼の性格上、「正直仕事なんてどーでもいいし。」みたいな、ヤンキー思考なのだ。
「青になったか。」
信号が青になって、渡ろうとしたときだった。
『ドーンッッ!!』
どこからか、とても大きな音が聞こえた、といえばいいのか。