屍者狂詩曲〜コープスラプソディ〜 2-1
どうも、卯月です!前の話は後書きサボっちゃってすいませんでした。実は前回の話で第1話は終了してました!今日から第2話に入ります!それでは、どうぞ!
ハイドタウン住宅街、深夜0時過ぎ。
この時間帯であれば、呑んだくれやそれを狙ったスリ師、売春婦などが行き交い、酒場には明かりが灯され、賑わいを見せていた。
しかし、その姿は今やみる影もない。
「ヴゥゥゥ…ヴゥゥ……」
ただ1人、街を歩く人影があった。
姿勢はかなりの猫背、足を引きずるように歩き、上半身もそれに合わせて左右に揺れている。
酔っ払いだろうか、いや、それとはまた別の何かだ。
何より、生きた人間にしては生気がない。
その量の目はカッと見開かれており、一切の瞬きもしない。
唸り声をあげながら街道を歩いている。
「ヴゥ……ヴァァ………ヴァァァァァ…」
その足音も唸り声も決して小さいものではない。
よほど耳が悪くない限り、その音を聞き逃すことはないだろう。
しかし、誰もその不審な音に気づかない。
まるで、その男の音だけが、この世から掻き消されているようだった。
「ヴゥゥ…」
男は何かを探すようにキョロキョロと辺りを見渡す。
しかし、男の欲するものはこの場に、「今目の前には」ないのだ。
「ヴゥゥゥ……」
男はゆっくりと首をひねる。
その視線の先には一件の民家があった。
住民はもぅ眠りについているのか、明かりは消えている。
男は爪先を民家へ向け、涎を垂らしながら歩き出す。
外にはない、真っ赤な血流のソースと臓物という最上級の肉が詰め込まれた肉袋を求めて。
その時、
「そこから先は立ち入り禁止ですよ。」
背後から声がするのとほぼ一緒同時に、男の身体を荒縄が締め上げる。
「……ッ⁈」
男は声にならない呻き声をあげる。
そして、声のした方へゆっくりと首だけで振り返る。
そこには1人の青年が立っていた。
「申し訳ありませんけど、抵抗はしないでください。手荒な真似は、したくないんで。」
静寂の夜に、ジェニー・ハルミオンの修羅の如き眼光が輝く。
読んでくださってありがとうございます!猟奇殺人の犯人(?)っぽい人が出てきましたよ〜!そしてその男のまえに立ちふさがるジェニー。ジェニーには何か策があるのか。これからどうなってしまうのか!
それでは、乞うご期待!