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第77話 会議


「…なるほど、話は分かった」


所変わって真琴達は会議室のような所に集まっていた。先程ルーン達にも神樹へ向かう事を説明したところだ。


「しかしそうなると神樹までの道のりをどうするか、だな」

「そもそも今どんな情勢なんだ?」

「そうね、そこから説明しましょうか」


今まで色々忙しくて周囲の情勢を全く知らない真琴達に梨花達大人組が説明を始めた。


「まぁ今はケンカから武力衝突まで色々な戦争があっちこっちで勃発してる感じね」

「…は?」


いきなりの世紀末的な展開についていけない真琴達。さすがにティターニャが呆れて仕切り直すように咳払いをする。


「…事の始まりは旦那様達が元々居た帝国で内乱が起きたことです。突然国のトップが変わったので当然でしょう。しかしそれを教会が力技で無理矢理鎮圧してしまいました」

「それの何がダメなの?」

「教会はやり過ぎたのです。元々教会は弱者の味方を謳っています。なので多少の武力も仕方ないと見逃されて来たのですが今回、国王の追放と次のトップの即位、さらに過剰ともいえる程の武力での鎮圧。これにはさすがの民衆も戸惑い、一部の国王派の者達はこの混乱に乗じて国を抜け独自の勢力を築いたのです。しかも彼らは武力で対抗するのではなく人の繋がりを利用して他国へ教会の悪評を流しました」

「なるほど…」

「その結果教会の威信は転げ落ち、彼らのせいで抑えられてきた諸国は一斉に武力で蜂起、教会を叩いたのです」

「うわぁ…」「それはまた…」


元々近年の教会は不正が横行していたようでその不満が溜まっていた事も要因の一つだろう。自分でまいた種とはいえこれにはさすがに微妙な顔をせざるを得ない。


「そこで終われば良かったのですがそこで武力を持ってしまった各国は帝国が揺らいでいるとみると次の帝国になろうと周辺諸国を襲いだしたのです」

「それでこんな世紀末みたいになってると…」

「簡単に説明するとこういうことです」

「何よ…私と言ってる事同じじゃない」


(((絶対違うだろっ!)))

不満気な梨花に男性陣の心が一つになるがそれを言わないのはお約束。やはり母は偉大なのだ。


「だ、だとすると今は教会もそこまで警戒しなくてもいいのか?」

「いえ、残念ながらそれは…確かに各国で教会排除の動きは強くなっていますが逆に教会を頼りにしていた人々もいまして…」

「まさか…独立しちゃった?」


ティターニャの微妙な顔に優衣がまさかと聞く。


「はい…それも国一つが」

「でも一体どこが?」

「マコト君は覚えているかな?あの日に広間にいた隣国の王の国だよ」


どこの国が教会に協力してるのかと首を傾げると今度はアイゼンが話す。


「………あ、あの人か?」


僅かに脳の片隅にそんな人が居たような気がする真琴だった。


「まぁとりあえず今は各地方に散っていた教会が一箇所に固まって宗教国家として独立していると」

「しかも周りでは解放された勢いで争いが多発…」

「中には国家として独立を宣言している所まである始末です…」

「「「はぁ…」」」


ざっと整理してみるが正直ため息しか出てこない。

(まさかアイゼン王が崩れただけでここまで荒れるとは…恐るべき人望)

実際にはそれだけでは無いだろうがそう思わざるを得ない事態だ。


「でもそれがなんで今回に関係あるんですか?むしろその宗教国家さえ避ければあとは何とかなりそうな気がするんですけど…」


と、ここで優樹菜が疑問を上げる。確かに優樹菜の言う通りだが…

優樹菜の疑問に梨花がめんどくさそうに答える。


「それがね…事の発端の国王派の人達は今も必死に王族を探してるのよ。一応帝国はまだ教会が治めてるから何とかして国王に復権してもらおうとしてるわ」

「むしろまだ帝国を治めてる事に驚くわ…」

「一応規模は最大だからね。防備とか色々固いのよ」

「となると実質的に教会は2つの国に固まったのか」


そこで黙る真琴に更に梨花が告げる。


「それだけじゃないわ。国王派も探してるし教会も未だに王族を必死に追ってる。ここまでは普通なんだけどね…他の国も探してるのよ、王族を」

「…は?」


それはおかしい、教会と国王派は分かるがそれ以外の国はメリットが無い。


「えーと、なんで?」

「要はみんな旗頭が欲しいの。今までも国があったとはいえ実質教会とかが上に居たから帝国みたいに正式な王族が居ないのよ。そこに王族が行方不明で教会も国王派も探してるって知らせが入ったら、ね?」

「…これ程立派な旗頭、いや大義名分は無いか」


しかもそこでアイゼン達王族を正式に国王に立てるならまだしも今の話を聞く限り実質広告塔にしてあとは軟禁でもする腹積もりなのでは無いだろうか。


「なるほど…確かに難しい」

「すまん…」

「あ、いやそうじゃなく」


ようやく状況を理解して暗い顔をする子供たちにアイゼンは済まなさそうに頭を下げる。しかし今回の一番の被害者は誰でも無く彼らだろう。手下に裏切られたら次は大陸中から広告塔にさせられそうになる。

(これはなんとも…)


「政治的にもこんなに荒れている上世紀末的な事になっていて一般人が旅をするだけでも魔物だけじやなくて人間にも注意しないといけないとは…マコト、本当に行くのか?」


一息ついた所で改めてルーンが問いかける。それはルーン個人というより周りの人の質問の代弁をした感じでティターニャや梨花、大介達も真琴を見る。


「それでも僕は行きたいな」

「…そうか」


そんな空気の中真琴はしっかりと告げる。

その返事を受けたティターニャ達は次の問題へ向かう。


「しかし道のりをどうするか…」

「それなんだけどさ…どうせなら利用しない?この状況」

「それは、どういう…?」


突然の真琴の提案に優樹菜達だけでなくティターニャ達も訳が分からないと首を傾げる。


「僕達が隠れて行こうとすると命を狙われる可能性が高い。だからいっそ僕達、というより王族の事をオープンにしない?ってこと」

「…すまない、話が見えないのだが」

「少なくとも教会以外の勢力は王族を殺す事はしない。デメリットしかないからね。そういう人達を味方に付けることが出来れば教会は僕達を殺しにくくなるかなって…まぁ一番は例の国王派の人達と接触出来る事なんだけどね」

「なるほど…」


そこまで説明すると全員が納得したように真琴の案を検討する。


「確かにそれなら教会派に囲まれて…なんて大掛かりな事は出来ないわね」

「そして上手く国王派と接触出来れば帝国を奪還する足掛かりにもなる」

「ふむ… 」

「いけそうだな」

「多少は危険を削減できるな」


全員が見えてきた希望を現実にするべく考えだした。そんな中で次の問題を大介が上げる。


「しかしそうなると行くメンバーだな。大人数だと目立つから必要最低限となると」

「僕と父さん、母さんに」「アルン!」「私もね」「兄さんがいくなら私も」「俺と優衣、それと」「優樹菜も」「旦那様のお世話は私が」「王族も行かなければ」「父上と僕か?」「あらあらリオン、お母さんも混ぜて下さい」「な、なら私も!」「ちょっと、三咲ちゃんもいるわよ」「ふむ、なら護衛もいるだろう」「バルト、エク、それとクラリッサか?」「ならカイン、あなたもね」

「ちょ、ちょっと待った!」


いやダメだろこれ、ちゃっかり全員になってるよ。一度落ち着こう、うん。

仕切り直すように問いかける。


「最低限父さんと母さん、僕とアイゼン王の四人がいる」

「あとは護衛をどれだけつけるかだな」


「アルンとクロは決定だから」

「まぁ、ダメって言ってもついて来そうだしね」


これで6人


「戦力で行くと悠一か?」

「まぁ確かに俺ならそこら辺は得意だな」

「頼りにしてるよ」

「おう!任せろ!」


7人


「そういえば医者居ないけど真琴は大丈夫なの?」

「な、ならわ、私が!」

「うん、優樹菜ちゃんなら歓迎よ!」

「だとしたら俺だけじゃキツいし優衣も護衛役で」

「任せなさい!」


9人


「…ここまでくるといっその事2つに分けて回った方が楽じゃないかしら?」

「一理あるな」

「確かに国王派とも接触の可能性は上がるか」


梨花の提案を大介が肯定する。


「相互通信の方法はあるから分けてもそこまで弊害は無いわね」

「となると…」


それから約10分の話し合いの結果

第一陣(神樹直行組)

真琴、優樹菜、悠一、優衣、アルン、クロ、ルナ、ルーン、リオン、ティターニャ


第二陣(国王派接触組)

梨花、大介、三咲、アイゼン、カリン


となった。




「なるほど…外交はほとんど第二陣が行うのですね?」

「その方がお互いに目的に専念できるからね。その代わり悪いけど大人の護衛はこっちに入れさせてもらったよ」


関心したように零すティターニャに大介が苦笑しながら謝る。


「と言ってもそっちは4人だけだけど大丈夫なの?」

「まぁ妥当だろ。俺達は真琴を守って神樹に向かう事に集中できるし、第一陣は潜入とかがメインになるだろうから少人数の方が色々やりやすいんだよ」

「なるほど…でも怪我とかしないように気をつけてね」

「おう!そっちもな!」


そう言って大介は安心させるようにニカッと笑った。


「じゃあ神樹で合流って事でいいのかな?」

「そうだな。お互いに道のりがどうなるか分からないからどちらが先に着くか不明だが多分大丈夫だろう」

「とにかく俺達は真琴を早く神樹まで届けないとな」

「ええ」


などと話しながらみんなは準備のために動き出す。準備を念入りにしておけばこのメンバーなら大抵の事は大丈夫だろう。


(どうか何事も起きませんように…)


しかしそう思わずには居られない真琴だった。

いかがでしたか?


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