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第66話 ルナと兄さん

Twitterで行ったアンケートの結果ネコ耳妹が決定して、ようやく登場です!

アンケートに参加して下さった皆さんありがとうございます!


さて、どうしようか。


とにかく状況を整理しよう。司祭にボコボコにされてこの離れ小島の牢屋に入れられた。そしてペインと話して置き土産でネコ耳少女、彼女は絶賛威嚇中。腕を引っ掻かれて痛い。


HAHAHA、中々上手く纏まったな。…いや待とうか。まとめたら余計に理解出来なくなったぞ?

え?君達分からない。大丈夫、当事者の僕が一番分からない。お互い様だな。

(うん、辞めよう。そろそろ現実見よう)

ぼちぼち現実逃避を辞めて改めてネコ耳少女を見る。


くすんだオレンジ色の髪で背丈は真琴より頭一つ低いぐらい。威嚇しているわりに何処か怯えた印象の顔から多分普段は穏やか性格だろうと思う。そして頭頂部の耳、どう見ても人族のそれでは無くネコ耳だった。背中からは恐らく尻尾であろう物が見え隠れしている。


(あー、どうしようか。めっちゃ警戒されてますね)


「あ、あの…」

「ひっ!は、話すな!」

「え、えー…」


話すなとは…

この状況はあまり良くないので無害だけ証明する為に両手を広げ掌を見せる。手首の鎖がジャラジャラ音を立てた。


「えー、とりあえず僕はこんな状態だからここから動けないから安心してくれる、かな?何も持ってないし」

「…」


それが効いたのかネコ耳少女はその場に座った。目だけは真琴から離さない。


「んー、とりあえず自己紹介。僕はマコト、君は?」

「……ルナ」

「ルナ、さんね。ルナさんはいくつ?」

「……」

「…んー、好きな食べ物は?」

「……」

「……」


名前は辛うじて答えてくれたがそれ以外は何も答えず、ただじっと真琴を見ている。

(ま、間が持たない…)

その時、前の通路に足音が響いた。だんだんこちらへ近付いて来る。

(何だ?またペインか?)


「あ?何だ?一匹増えてるじゃないか…しかも獣人か。全くあの女といい今回といい魔王様は何を考えているのか。まぁいい、おいお前ら!メシだぞ!ありがたく食えよ」


しかし予想は外れ来たのは普通の兵士だった。そして何やら言うだけ言うとトレーを足元に置いて去っていった。


「何だったんだ…?ご飯?………これが?」


兵士曰くご飯と称されたトレーには恐らく野菜の捨てる部分が適当に水と一緒に突っ込まれた皿と、硬い黒パンが二つ載っていた。これにはさすがの真琴も唖然とする。ルナも鼻をひくつかせて首を傾げている。


(魔力残しておきたいけど、まぁ仕方ないか。えーと、切るのは風で…後は弱火で)


食べ物の為だと諦めた真琴は魔法で野菜を小さく切り、弱火で煮詰めていく。パンもいくつかに切り分けた。

(んー、こんな感じかな)

最初に比べたら大分マシになったスープが出来上がる。ふと横を見るとルナはじっと座って真琴(の手元の料理)を見ていた…ヨダレを垂らしながら。


「ふふっ、おいで」

「ぇ?…あ」


その様子に笑いながら手招きをする。ルナは何か葛藤するかのようにしばらくソワソワした後、戦々恐々とした様子でこちらに来た。真琴と向かい合うように座ると怯えるように真琴を見る。


「じゃ、食べようか」

「ぃ…いいの、ですか?」

「もちろん」

「…っ!いただきます!」


そういうと一気にかき込もうとして軽くむせるルナ。


「ああ、ほら焦らない。心配しなくても料理は逃げないよ」

「…!」


そう言って背中を撫でると急に固まった。どうしたのかと顔を覗くと今にも泣きそうな顔をしている。


「…僕には君に何があったのかは分からないけど泣きたかったら泣いても良いよ。大丈夫、ここには僕しか居ないから」

「っ…ひっ、あ…うっ…」


そんな少女の背中を撫でながら大丈夫だと言うと少女は振り返って真琴の服を掴みながら静かに泣いた。彼女に何があってここに連れて来られたのかは分からないけど、多分とても辛かったのだろう。それでも今、少しでも楽になれたら、そう思いながらゆっくりと背中を撫で続ける真琴だった。






「…寝ちゃったかな」


しばらくすると静かな寝息が聞こえてきた。泣き疲れたのか緊張が緩んだのか。いずれにしても少し力の抜けた顔で眠る少女を見ると少しは役立ったようだ。

(ふぁ…僕も寝るか)

そのまま壁にもたれて自分も少し眠る事にする。

(この娘は、一緒でいいかな)

ルナはしっかり真琴の服を掴んでいたのでそのまま抱きかかえて眠る真琴だった。





○○ルナsaid○○


私の名前はルナ。

ネコ科の獣人です。家族は両親と兄さんの四人で、今までは他のネコの獣人の皆さんと固まって小さな村に暮らしていました。村の皆は凄く優しくて、そんな中でも特にずっと面倒を見てくれた兄さんが大好きでした。


でもある日、急に魔王と名乗る奴らが急に来て問答無用で村を焼きました。仲間が何人も奴らに殺されました。

…兄さんも私を庇って目の前で殺されました。そしていよいよ私の番かと思ったその時、ふとその魔王が手を止めて私の顔を覗いて

「ふむ…丁度いい」

と言って私はそのまま魔法で眠らされました。そして気付いたらここにいました。


目覚めたら周りが見えなくてびっくりしてとにかく出口を探しました。ようやく見つけたと思ったら反対側に人が見えてまたびっくりしてつい引っ掻いてしまいました、ごめんなさい。


い、言い訳ですけどあの時はただ全部が怖かったのです。また殺されたらと思うと咄嗟に引っ掻いてました。でもその人はそんな私を怒らないでいてくれて、ご飯まで分けてくれました。喉に詰まった時も優しく背中を撫でてくれて、それがとても兄さんと似ていて不覚にも泣いてしまいました。でもその人は…マコトはずっと背中を撫でてくれて、凄くそれが暖かくて、凄く嬉しかった。


「…う?ん?」


どうやら寝てたようです。手を見ると未だマコトの服を掴んだままでした。

(迷惑…でしたよね)

そう思って恐る恐る上を見るとマコトの寝顔がありました。私の背中に手を回して寝てました。その仕草がとても兄さんに似ていて私はまた泣きそうになります。分かってます。もう家族はいない、大好きな兄さんはもう何処にもいない。それも全部分かってる、だけど…


全身に感じる人肌の暖かさを嬉しく思いながらさっきよりもしっかりマコトに抱きつく。


「ごめんなさい…兄さん」


ちょっとだけ…甘えていいですか?

いかがでしたか?

ついに新キャラのネコ耳少女ルナ登場です!

また感想や意見などがあったらどんどんお願いします!

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