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第6話 クラス会議


僕と優樹菜が桜ヶ丘の方へ行くと僕ら以外は既に集まっているようだ。


「あ、工藤君お疲れ様です。とりあえず集まりましたけどどうしましょう?」


さも当然のように僕(生徒)に意見を求めてくる三咲先生(教師)

…それは普通先生が考えるべき事では?

などと不満を思いながらも時間が惜しいと気持ちを切り替え皆の方を見た。


「さてと、じゃあとりあえずメンバー確認しようか」

「あ、それはもう行いました。これがメンバーのリストです」 

「え?あー…どうもです」


いきなり出鼻をくじかれた…

先にやってくれたようで横から三咲先生が僕に名簿を渡す。

(…だから何故僕なんだ?)

更に不満を増やしつつもとりあえず名簿を見る。

(やっぱりここにいるのはあの時教室にいたメンバーだけか

うちの学校は総勢32人)

元々僕らのクラスは30人。あの時は昼休みだったので、それよりは少ないはずなのだが、良太とその取り巻きが入って来たので、結果としてクラス人数よりも多くなった訳か…

大人は三咲先生だけで、それ以外は学生だった。


などと考えつつ名簿を見ていると、横から優樹菜が遠慮がちに声をかけてきた。


「ねえ真琴君、そろそろさっきの事について説明して貰ってもいいかな?」

「さっき…ああ、あの挨拶の時か。そういえばまだだったな」

「あ、それは私も知りたい」

「僕も知りたい」


それはクラスメートの何人かも知りたかったようで、話を聞こうと数人が寄って来た。一旦落ち着くのを待ってから真琴は一応他の人にも聞こえるように、洗脳魔法説を説明した。


「―で感じかな?まぁあくまでも仮説だけどね」

「あーなるほど。だから何か妙に頭がぼーっとしてたんだ」

「へー納得」


一応納得はして貰えたようだ。


「そういえば最後に出てきた国王様ってなんで、あの時出てきたんだろ?国王様なら始めから出るべきじゃないの?」


と、優樹菜が再び疑問を述べると先生もそれに便乗した。


「あ、それは先生も不思議でした。確かにこの防音壁はありがたいですけど、あちら側からしたらあまり利益がありませんよね?」


どうやらそれはみんなが疑問に思っていたようで、一斉に僕の方に視線を向けてきた。

(流石優樹菜と先生だ。聞いて欲しい事をしっかり聞いてくれる)

心の中で称賛を送りつつ真琴は今までの流れから見て立てた仮説を順を追って説明し始めた。


「あーそれは多分この国の王族より、あのモール教とか言う宗教団体の最高司祭の方が発言力が上。あるいは国王と司祭が仲が悪いとかだろうからかな」


そもそも自分の後ろに国王がいる。その中で堂々と「我が帝国」とかドヤ顔で言ってる時点でおかしかった。しかも周囲はそれを咎めないし、便乗している空気すらあった。ここまでの流れを見ていれば、いくら混乱していたとしても何となく変だと思う。


そして極めつけは国王と目線があった時国王は驚いていた。その上で最後の司祭に言ったあの言葉だ。

恐らく国王はあの司祭が洗脳する事を知っていたが、止める事が出来ず諦めていた。だが洗脳されたはずの勇者が洗脳されず、自分に気付いている事に驚いたのだろう。だから、最後に国王が出てきて司祭とあまり仲が良くない事を見せた。そうする事で、僕たちが真実に気付かずともおかしいと疑う事はするから。


恐らくそれは司祭…あるいはモール教にとってあまり良く無いのだろう。


「だから僕に向かって敵意剥き出しで睨んだのだろうな。以上が僕の仮説だ」


と、僕は一通り説明し終えた。みんなの反応は納得したりしなかったりと様々だ。

(まぁすぐに理解しろと言う方がおかしいか。仮説はあくまでも仮説だし)

そう考えると僕は一度大きく手を叩く。するとその音にみんなが弾かれたように顔を上げてこちらを見た。


「とりあえずこの話は置いておこう。今は時間が惜しい。ひとまず代表と副代表を決めようか」

「ちょっと待て、何でお前が仕切っている?それに代表代表ってそんなの決める必要あるのか?お前がやりたいだけなんじゃねぇの?」


と、そこにどこか刺のある声が聞こえてきた。みんながそちらを見ると案の定と言うべきか、そこには佐上良太とその取り巻き達がいた。

…余談だか、良太はみんなが(主に優樹菜が)真琴の方へ行くのが面白く無く、何とかこちらへ向かせようと考えている。


「えーと…まぁ司会については説明をしていたからその流れで。後、代表を決めるのは情報伝達を効率的にするためだ。副代表はもし代表に何かあった時に臨時で代表をしてもらう意味も含んでいるからだ。それと僕は別にいいからお前がやりたいなら別に任せるよ」


真琴が落ち着いて冷静に返すと、良太は反論出来ず顔を真っ赤にして黙った。

(え?いやここは君が怒って代表なってくれるパターンじゃないの?…まぁいいか)

ぶっちゃけあいつがやると面倒くさい


「えーと…他に何か質問とかある?」

「代表とかはどうやって決めるの?」

「…それは特に考えてなかったな。投票…はちょっと時間的にきついから単純に立候補か他薦かして複数いたら多数決かな?」


どうする?とみんなのに聞くと特に反対意見も無かったので


「じゃあとりあえず代表やりたい人?手挙げて」


と、聞くと誰も手を挙げ無かった。

(まぁそうだわな、僕も嫌だし。うーんどうするか…)


「じゃあ誰かふさわしいと思う人推薦してー」


と、声をかけるが何故かクラスメイトのほとんど(不良グループ以外)がこちらを見たまま動かない。後ろを見るが何もない。

当然だ、真琴は壁際に立っているのだから。


だったらみんなは誰を見ているのか

(…ああなるほど)


「代表は優樹菜だな」

「ふぇ?」

「「「いやいやいや」」」


唐突なパスに優樹菜は驚いて少し間抜けな声を出し(ちょっと可愛いと思ってしまったのはナイショだ)クラスメートからは否定された。


「え?違うの?…ああ、そうか!三咲先生、代表頑張って下さい」

「「「いやお前だよ!!」」」


優樹菜と反対側にいた先生に任せようとするとクラス全員から突っ込みが入った。




…えぇ、僕がやるの?

とりあえず整理しようとしたら長くなってしましました…

またご意見などがあればお願いします。

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