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第58話 敗北と裏切り者


「…ちっ、逃げたか」


ゲートが閉じ、瞬間的な静寂の後に魔王は忌々しそうに舌打ちした。


「せ、先生…そろそろ良い、ですか?」

「あ…わ、私は」

「あぁ、いいですから」


一方壇上では真琴が先生に声をかけ、下がって貰っていた。三咲先生は呆然と血に染まった自分の手を見ながら数歩下がって膝をついた。


(あー…これは深いな)

脇腹に刺さったのはかなり大型のサバイバルサイフで内蔵に深い傷が付かなかったのは奇跡だろう。


「おい!そいつを捕らえろ!」


その時に広間の扉が開き今まで何処に居たのか数百人の兵士と共に後方から司祭の声が響く。

(…これはダメだな)

万全ならこれぐらい問題無いのだがかなり魔力残量がヤバイ。


元々アルン達が森へ行き、自分で霊装を制御しながらここまで持ったのが奇跡なのだ。何もしなくても後1分が限界だろう。ギリギリ兵士は倒せるがまだ魔王がいるので脱出は不可能だ。

(…ちょっとでも魔力を残しておく方がいいか)

下手に動いて気絶、はさすがに不味いので霊装を解除し、両手を挙げる。


ガッ!

(い、いった…)

しかし兵士は一切の遠慮なく10人程で周りから槍で押さえつけた。


そこでようやく司祭が現れる。無抵抗の真琴を見てニマニマと気持ちの悪い笑みを浮かべる。


「いやぁ、さっきぶりですね、マコト殿」

「ど…うも、お元気そ、うで」

「ふむ…あなた一人ですか、他はゲートで逃げましたか」

「…」


魔力ほぼゼロ、出血多量と割とヤバイので正直話すのも辛い。


「しかしゲートとはまたお粗末な考えですね。あ、勇者様は異世界の方ですから仕方ありませんか」

「…?」


司祭が何を言ってるのか分からない


「教えてあげますよ。ゲートとは確かに便利ですが行先は必ず一つ。つまりゲートを使って逃げたとしてもそこに虫を入れれば普通に居場所が分かるんですよ」


(…こいつって以外とバカなのか?)

つまり司祭は真琴のゲートに自分が何らかの方法(恐らく魔法で操った虫)でゲートに入り追跡していると言っているのだ。しかもドヤ顔付きの解説で。正直見ている自分が恥ずかしくなる。


真琴が思った反応をしないのを訝しんだ司祭の元に一人の兵士が寄ってきて耳打ちをした。途端、司祭の顔は青になり真っ赤に染まると言う中々に器用な変化をした。そして真琴を蹴った。


「い、たいですね」

「知らん!そんな事よりあいつらを何処にやった!?言え!言え!言えぇ!!」


顔を真っ赤しながら真琴を蹴り続ける。先程の余裕は見る影も無い。

(どうやら上手く行ったかな。…てか痛い)


「あ、貴方少しやり過ぎです!」


流石に見かねて三咲先生が止めに入る。


「おい真琴、俺も聞きたい。あいつらを何処に飛ばした?」

「さ、ぁね?」

「…そうか。もういい」


魔王から同じ質問が来るが返答は知らない一択だ。

(てか…そろそろ意識が)

後で知ったがこの時魔王は頭の中を覗く魔法を使ったらしい。しかしこれも同じで真琴は知らなかった。

(てか本当に知らないし)


そもそも司祭が言っていた追跡方法。それは普通に考えたら思いつくから対策済みだ。やり方は簡単で一つだと追われるのなら複数中継させて最終地点を分からなくすればいい。

大抵虫などで追跡しても速度が遅いので優樹菜達が通った後にゲートを閉じればその時点で追跡は不可能になる。なので司祭は優樹菜達を見失った。だからあんなに怒ってたのだろう。


(これで教会も派手には動けなくなる、か。でも三咲先生には驚いたな)

流石に生身で飛び込んで来られるとどうなるか分からないので止めたがかなりギリギリだった。


ちなみに最終地点は本当に知らない。と言うよりティターニャ以外誰も知らない。真琴は予め決めた場所まで幾つか迂回させてゲートを繋ぎ、そこからティターニャのゲートで何処かへ行く予定だった。これは自白剤などの対策だ。それが分かったので魔王も諦めた。


「あぁ、そうだ。マコト、俺の事はペインと呼べ」

「はっ…そ、うか」

「せっかくの龍まで逃げられるとはな…行くぞ」

「「「はっ」」」


どうやらずっと僕が魔王と呼んでいるのがお気に召さなかったようだ。魔王…ペインはそう告げるとアイン達を連れて出て行った。バルト達は真琴が突入した時点で逃げた(真琴が命令した)ので再びペインに洗脳される事はとりあえず無いだろう。

(そういえばドライって奴は最後まで顔見せなかったな)

若干どうでも良い事を考えながら前を見ると未だに司祭と三咲先生が睨み合っていた。


(三咲先生は…教会の人なのか?)

正直魔王の配下だと思っていたのだがそれは違ったようだ。


「…はぁ、分かりました。今回は下がります」

「…本当でしょうね?」

「魔王様も無駄と判断されたご様子ですしね。牢に入れて置きますよ」

「…分かりました。では私もこれで」


そう言うと三咲先生は去っていった。

(…どうも三咲先生の立ち位置が分からない。教会の味方?)


「けっ、売女が」

「魔王様の命とはいえ」

「何故あんな女が」


(…という事では無さそうだな)

司祭だけで無く兵士まで悪態をつくとは一体…?


「さてマコト」

(うわぁ、遂に素で呼び捨てだ)

「お前は今から拷問にかける。早く吐いた方が身のためだぞ?」


正直意識が朦朧といていて応える余裕が無い。

(あ、ダメだ…)

そろそろ限界のようだ。


司祭が去り際、憂さ晴らしに蹴った一発が決定打となり真琴は意識を落とした



優樹菜達は…大丈夫かな?

一応ここで教会の謀反の話は終了です。

真琴は捕まり優樹菜達とは離れ離れ。更に魔王…ペインはお父さん?

そして三咲先生は…


さてさてこれからどうなるか…


また感想などがありましたらお願いします

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