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第57話 戦闘決着


「なぁ、真琴。強い奴ってどんなんだと思う?」

「えーと、んー…プロレスラーみたいな人!」

「ははは、そうだなあの人達めっちゃ強いよな。でもな、父さんは強い奴ってのは心の強い人だと思う」

「心?」

「そうだ。どんなに嫌な事でも決して諦めないような心を持つ奴が一番強いと思う」

「うー?」

「はは、ちょっと難しかったか?」

「…分かった!つまり父さんみたいな人だね!」


そう言うと父さんの顔はとても嬉しそうに笑って頭をわしゃわしゃとした。ちょっと疲れた顔を凄く嬉しそうに破顔させながら。




それが、母さんを殺す二ヶ月前の事。それから父さん…工藤大介は行方不明になっていた。


そして今、目の前で魔王と名乗り再び現れた。






「なんでいるんだよ!父さん!」


湧き上がる恐怖を押し殺しながら真琴は疑問を上げた。そもそもここは地球では無い。召喚された自分達ならまだしも行方不明の父さんが此処にいるのはおかしい。

が、そんな真琴を鼻で笑い仮面を外しながら答える。


「父さん…父さんね。やっぱりこれはお前の父親か」

「…やっぱり?」

「いいぜぇ、教えてやろう。そもそも俺はお前の父親では無い」

「…?」


(確かに多少雰囲気は変わったけど明らかにあの顔は父さんだ)

自分一人なら見間違いもあるが幼なじみ全員が見間違うのは可能性が低い。

("これはお前の父親"…まさか)

そこである可能性に至り顔から血の気が引く。それを見た父さん…魔王はおかしそうに笑う。


「おぉ、坊主は分かったか。正解はこの体はお前の父親だろう。それを乗っ取ったのが…俺だ」

「「「「…っ!」」」」


確かに父さんの様子が変になりだした時がある。あるプロジェクトが失敗したらしくその日の夜から何だが攻撃的になりだした。

(となるとあの時に何か)

と、魔王が唐突に語り出す。


「こいつはある研究をしていた」

「研究?」

「その研究、それは地球とこの世界を繋ぐゲートを作る事だった」

「ゲート、を?」


(何故父さんはこの世界を知っていた?そもそも魔法も無いのにゲートなんて)

真琴の疑問が分かったのか魔王は顔を歪めて笑う。


「まぁ教えたのは俺だけどなぁ!」

「な…!」

「俺はこの世界から出ようとしていた。しかし俺の力でも別の世界に声を届けるのが精一杯だった。だから考えたのさ、別の世界から道を作れば良いのじゃないかってな!」


つまり魔王はこっちから行けないなら向こうから道を開いて貰えばいいと考えたのか


「まぁ結果は失敗。道は開けたが途中でこいつは危険だとかほざいて遮断しやがった。だから俺は思念体でこいつに取り付いて身体を奪ったのさ」

「なんて…ことを」

「まぁ後は向こうの世界で力を回復させてこっちに戻ったんだ。いや見物だったね。俺の力に必死に抗うこいつの根性は」


あまりの事実に言葉が出ない。

(つまり父さんは父さんじゃ無かった?いやでも)


「…だったら」

「ん?」

「だったら何故母さんを殺した!」

「母さん…あぁ、あの時の女か。何故かって…何だっけ?忘れた」

「…は?」

「まぁ忘れるぐらいだからどうでも良い事なんだろ」


その瞬間に真琴の脳裏に浮かんだのは憤怒か?悲哀か?無念か?それは真琴自身にも分からない。ただただ呆然とした。

(じゃああいつは適当な事で母さんを殺した?父さんの身体で?ただそれだけで?)


「真琴君!」

「…っ!」


優樹菜の声に我に帰ると目の前に魔王がいた。


「すぐにお前も送ってやるよ」


それだけ告げると同時に吹き飛んだ。受け身さえ取れない速度で横に蹴り飛ばされる。


「まぁその前に…お前らか」

「「「っ!」」」


瞬時に武器を構える悠一達。しかし攻撃は出来なかった。何故なら一瞬で魔王が燃えたから。しかし炎から無傷で出てきた魔王は横を見ながらニヤニヤ笑う。


「なんだよもう来たのかよ」

「…!」

「けっ、黙りか」


それは霊装した真琴だった。それを見た優樹菜は眉をひそめた。様子が変だ。

(何で…黒くなってるの?)

以前は純白や白銀と言う言葉の通りに白く輝いていたが、今は一部が黒く染まっている。


「はは、やっぱりあの話はキツかったかぁ?堕ちかけてるじゃねぇか!」


堕ちる、それがどのような状態か分からないが良くない事は分かる。すぐさま悠一、優衣と視線を合わせた優樹菜は一気に攻勢に出る。

(とにかく早く…逃げなきゃ)

あと1分程でゲートが閉まる。真琴が吹き飛びこちらへ来た。敵がいるので魔道具を使って連絡をとる。


『真琴君!早くゲートに!』

『先に優樹菜達が行け!』

『ちょ、あんた何行ってんの?』

『優衣か、状況は分かるだろ?早く!』

『おい真琴!もうすぐ閉じるから一斉に行くぞ!目的を忘れるな!』

『悠一…っ、なら行くぞ!』


いくら衝撃を受けたと言ってもこの作戦の目的…すなわち逃げる事を忘れてはいけない。そう自分を戒めながらゲートへ下がる。敵もそれを察したのか全員で来る。


こちらも持ちうる最大の魔法を優樹菜と放ち、迫るアインとツヴァイは悠一と優衣が弾き返す。


「逃げんなよ!」

「うるさい!」


上から来るがこれは真琴が上空で受け流す事で反らす。

(あと、10秒)

「飛び込め!!」

優衣、悠一がゲートへ行き優樹菜も飛び込んだ。

(間に合え…!)


優樹菜が手を伸ばす。真琴も手を伸ばし、掴もうとする。


あと少し


その時に真琴の視界の端に人影が映り込む。


それはほぼ反射的な動きだった。人影の胸の下辺りに鈍く光が反射するのを見えた。

(ナイフ…!ヤバイ!?優樹菜!)

咄嗟に優樹菜の前に身体を割り込ませると同時に脇腹にナイフが刺さるが人影は止まらず無理矢理ゲートへ行こうとする。


「どきなさい!」

「先生!?」

「優樹菜行け!!」


その人影は三咲先生だった。痛みを無視して優樹菜の肩を無理矢理押す。


「真琴君!」

「また…後で!」


安心させるように笑って告げる。優樹菜が完全に入った瞬間にゲートは閉じた。



広間に残された者達に束の間の静寂が訪れた

という事で戦闘は終わりましたが真琴だけは取り残されました。そしてお父さんは本当の意味ではお母さんを殺してはいません。


そして先生もちゃんと?登場しました!今後は…


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