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第53話 戦闘開始


皆が集合場所するとゲートの大規模版のような魔道具で一瞬で国の外に移動した。そこから各自持ち場に別れる。


「じゃあ優樹菜達とはここでお別れだね。くれぐれも自分の安全を第一に考えて行動してよ」

「わ、分かった」

「あんたも気を付けなさいよ」

「そうだぞ?真琴も気を付けろよ?」

「はは、善処します」


そんな話をしながら装備の最終点検をしていく。


「特に優樹菜は後方だからね。…敵は魔族だけじゃ無いって事を覚えておいて」

「え?それって…」

「あって欲しくは無いけどここ戦場で、優樹菜の組は回復使える人で固めているからね」


どうしても男子達は戦闘能力系の力を優先して強化するので、回復系の使い手は女子が多くなる。そんな場所に戦場の空気に当てられ興奮した奴らが行くから、色々考えてしまうのも仕方が無いだろう。

それは皆分かっているので硬い表情で頷く。


「分かった。さっき言われた通り通り絶対1人で行動はさせない」

「頼むよ。まぁ危なくなったら何時でも言ってね。スグに優樹菜の元に駆けつけるから」

「お、お願いします…」


一応この戦闘中は自作の魔道具も常時発動させるので会話は出来る。なので安心させる為に言うと優樹菜は顔を赤くしながらも頷いた。横では悠一と優衣が呆れた顔でこちらを見ていた。

(何かやったか?)


「さて、そろそろ行くか」

「そうだな」


魔道具もあるので簡潔な挨拶をして持ち場へ向かう。

と、その時に優樹菜に声をかけられた。


「ま、真琴君!」

「ん?どうした優樹菜?」

「あ、あの…その、気を付けてね」

「ああ、優樹菜の方こそ気を付けてよ」

「うん…い、」

「い?」

「いってらっしゃい…」

「え、あ…い、いってきます…」


ナニコレ凄く恥ずかしい

ある意味夫婦のような挨拶にお互い顔を赤くし、持ち場へ向かう。

(い、いきなりびっくりした…てか急にどうしたんだ?…そんなに不安だったのかな)

見当違いな方に心配しながら先頭へ向かう。

(なら、しっかりしないとな)



「いや確かに僕が先頭って言ってたけどこれは…」


改めて教会に嫌われている事実を実感しながら1人立つ真琴。その後方では兵士百人が密集して長槍を構えていた。

(いや、間違っては無いけど…君達絶対に動く気無いよね。てかさっき見たけどその陣の奥で仮設の作戦本部作ってたよね)


兵士達の陣形は所謂ファランクスと言われる言われる物だ。確かに不特定多数の相手に対して有効な防御陣だが機動力は極めて低い。つまり真琴に続いて突撃する気は無いと言うことだ。


『クロ、敵の位置は?』

『あと30分ぐらいね。もうすぐ目視出来るはずよ』

「…あれか」


クロが言い終わると共に地平線から砂埃が舞う。その下には黒い何かが確かにいた。微かに地響きも伝わってくる。それを感じたのか場の空気が一気に緊張した。


さて…

『悠一、優衣は部隊を下げて』

『『了解』』

指示をだしながらゆっくり歩き出す。


前方では無数の魔族が真琴に気付いて向かってくる。それが真琴との距離がお互い顔を確認出来るまで縮まった。もう少しで魔族に飲み込まれる、そう思い微かに兵士は笑う。

(でも…残念だったね)

ニヤリと笑いながら右手の拳をゆっくり眼前に構える。


その瞬間に真琴の身体から何かが放たれた。その何かは真琴を中心にドーム状に広がりそれをくらった物は人間魔族関係無く体勢を崩す。まともに至近距離で浴びた魔族はそのまま絶命し、更にその屍につまづいて後ろの魔族も体勢を崩す。そんな事が繰り返され、落ち着いた時には魔族全体の大体1割が絶命していた。


(ここまでとは…何か凄いな)

『当たり前でしょ。マコトの魔力を凝縮したやつだよ』

(いや、それ理由になって無いよ)


クロに突っ込みを入れながら手の中で砕けた水晶を見ると砂になって消えていった。これは真琴が魔力を極限まで凝縮した魔石だ。それを敵の目の前で爆発させると凝縮された魔力が一気に解放される。それを利用して敵の出鼻を挫いたのだ。


『うーんでもやっぱりコントロールがね…』

『お前それダイナマイトをコントロールしようとしてるみたいな物だぞ?』

『それは無理だ。てか皆大丈夫だった?』

『問題無し』『無事でーす』『問題無いよ』


力の方向を制御したのであまり人族に影響が無いとはいえ、威力が威力なので多少は出てしまう。それでも敵を止められたので充分効果はあっただろう。


「さて、じゃあ行きますか」


未だ状況が分からず混乱している他の人を無視しながらゆっくり抜刀し、歩き出す。

(あ、司祭だけは顔真っ赤にして怒ってる)

そんなに指揮権欲しいなら初めから持っといてよ…


『悠一、優衣は弧を描く感じで回って側面から攻撃、出来たら近接戦闘でよろしく』

『分かった』『了解』

『優樹菜は怪我人を後方に回して半分くらいの人と魔力溜めて。合図したら遠距離で上から…』

『りょうか…どうしたの?』


今まで指示を出していた真琴の声が急に途切れた。


『皆止まれ!!』

『『『!?』』』


と、突如切羽詰まった真琴の声が届く。


「これは…アルンは霊装の準備!クロは周囲の把握続けて!」


地上が止まったと思ったら上空の敵が動き出していた。それも龍が5体。確認している限り全ての龍が一気に来たので流石の真琴も完全に迎撃に回る。


(でも5体も…これはちょっとキツいか…)

「ま、マコト待って!あの龍は…」

「アルン!?」


先手必勝で掛かろうとした時にアルンが実体化までして止めた。突然の事で止まってしまうスキに龍の内、最も魔力の大きな個体が眼前に着地した。体長は15mぐらいか。ほかの個体も10mはある。アルンだけでも守ろうと前に出て刀を構える真琴に対し、龍は、頭を垂れた。

他の個体も少し離れた場所で頭を下げている。


「…は?」

「突然の無礼をお許しください、我らが王よ」


そして、しゃべった

(…これは一体?)

「え、えっとね、この人?はバルさんだよ」

「バル…サン?え?あのダニとかの?」


アルンの説明によりますます真琴は混乱する。それを見てか再び龍が口を開いた。


「申し遅れました。私、バルトと申します。以前はティターニャ王女にお仕えしておりました」

「……あぁ」


何となく状況は把握した。恐らくアルンは小さい時にバルトさんの事をバルさんと読んでいたのでさっきはそう言ったのだろう。ようやく状況を把握出来た真琴は質問をする。


「それで…バルトさん?」

「バルトで結構でございます。王よ」

「王?……あぁ、精霊王だったな、僕。まぁいいや、それよりバルト…達は僕達の敵?味方?」


ある意味今一番確認しなければいけない事を聞く。

(返答次第では…)

静かに構えながら


その様子の真琴にバルトは慌てて否定する。


「王と対立など滅相もありません。むしろ王をお助けすべくこの場に参った次第でございます」

「そうか…だったら何故魔族と行動を共にしていた?」


今朝、アルン達と魔族を見た時は明らかに龍達は魔族側だった。それに飛んできたのも魔物達の奥からだ。それで味方は無理がある。


「それは…誠に情けない事でございますが、我々は奴らの洗脳魔法にかかり先程まで操られていたのです」

「…でも今は正常だよね?何で?」

「王の強大な魔力のおかげで魔法が解け、こうして参った次第です」

「なるほど…」


確かにそれなら辻褄は合うな…恐らく始めの魔力の爆発で洗脳が解けたのだろう。


「…ちなみに、その魔法掛けた奴って仮面付けた男性型の魔族?」

「その通りです。自らを魔王と名乗っておりました」

「やっぱりか…」


やはりあいつが原因か…これはちょっと面倒だな


「じゃあバルト達は僕達の味方でいいのかな?」

「我々は常に王の味方でございます」


(僕達じゃ無くて僕の味方、ね)

譲れない何かがあるらしく遠回しに否定され苦笑する。


「マコト、そろそろ魔物が来るよ」

「ああ、クロありがとう。バルト達が戦力になるならかなり楽になるな…」


待ちきれなくなったのかクロも実体化し、報告してくれた。それを聞きながら頭で再び戦術を考える。


「お任せを。何なら今すぐにでも奴らに最大のブレスを叩き込んでやりますよ」


見るとバルト達龍は目を輝かせながら指示を待っていた。

(あ、こいつら絶対戦闘狂だ…カインさんとかエクさんと気が合いそう)


「マコト!アルンも行けるよ!」

「マコト!私もいつでも行けるわ!」


アルンとクロも気合い充分なようだ。


「ならアテにさせて貰うよ。アルンとクロは一旦僕の中に戻って力を温存、クロは悪いけど敵全体を把握して逐次報告して」


頼りにされて嬉しいのか小さくガッツポーズしながら二人共一旦戻る。


「王よ」

「ああ、分かってる。バルト達は横1列になって上空へ。バルト、悪いけど上に乗らせて貰うよ」

「はっ」


指示を出すと龍達が飛翔する。


『おい真琴!どうなってる!?お前は無事か?』

『悠一か、大丈夫。僕は無事だ』

『ま、真琴君本当に大丈夫?何か龍がみえたんだけど』

『こっちからも見えたわ。てかあんた龍と話して無かった !?』

『優樹菜と優衣も心配かけたね。その龍は味方になってくれたから安心して』

『『『(まぁ……真琴(君)だし良いか)』』』


色々ツッコミどころだが、最早慣れで流す幼なじみ達。

お前達それでいいのか?…え?いい?そうか。



『悠一、優衣は敵を囲むように展開させて。まだ突撃は待ってね。

ただし逃げる奴は倒して』

『分かったわ』『おう、任せろ』

『優樹菜は怪我人を優先。但し常に周囲には注意して』

『うん、分かった』


「ガルムさん!!兵士の皆さんには耐衝撃用の構えを取らせて下さい!!出来るだけ密集したままでお願いします!!」


無駄だとは思うが一応指示を出す。

(まぁぶっちゃけそのままだし。無視したら怪我するのあいつらだし)

そして全体に指示を出すと、真琴は眼前で伏せるバルトの背に乗る。


「お願いします」

「御意!」


バルトは上昇し他の龍と並ぶ


「「「ガァァァァァア!!!」」」


5体が一斉に咆哮を上げ、周囲に存在を見せつける。魔族、人間関係無く全ての者が見上げる先では5体の龍と中心の龍の背で悠然と立つ1人の青年。




「さて…やろうか」



様々な視線を集めながら真琴は指示を下す。



閃光



次の瞬間、圧倒的な力の塊が戦場を支配した。


爆風と悲鳴が響き渡る中で衝撃に耐えながら上空を見た兵士の先では堂々と滞空する龍達、そしてそれの上で全く動じずに地上を睥睨し続ける真琴。


それはまるで物語に出てくる1人の英雄の様でもあった。


「ドラゴン…テイマー…」


爆発と轟音の中兵士の1人がその英雄の二つ名を呟く。過去、大量の魔物に追い詰められた時に複数の龍と共に現れ、その力を持って人々を絶望の淵から救った英雄―彼に付けられた二つ名こそが、ドラゴンテイマー



過去の英雄が再び現実となって今、現れた

ドラゴンテイマーは過去の英雄の二つ名でした。

割と他の話だと一般的な感じで使われますがこの世界ではある意味最強の称号的な扱いです


さてさて、次回はいよいよ真琴無双ですよ!!


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