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第47話 変化

遅くなってすみません


「さて、と。それじゃあちょっとお茶にしましょうか」

「あぁ、ごめんね。ティターニャ」

「いいのよ。アルン、クロ手伝って」

「「はーい」」


こちらの話が落ち着いたのを見計らってティターニャは休憩を提案し、さっき起きた2人と席を立った。それを期に各々肩の力を抜いて緊張をほぐす。


「…私は、まだまだだ」

「そんな事は無いですよ。ただ今回はちょっと事が急だったと言う事です」

「はぁ…やっぱりマコトには敵わないな」


さっきのことを反省する様にルーンがポツポツと語る。


「でも姉さんも良く頑張ってたよ」

「はは、リオンの方がよっぽどしっかりしてるな」

「いやいや、それこそマコト君の方がしっかりしてるよ」

「…いやマコトと比べたら駄目だろう」

「それもそうだ」


そう言って姉弟は仲良く笑う。

(うん、何か良いな)

真琴は一人っ子なのでこういう相手がいなかった。なので少し憧れる。


「…ちょっと良いですか?」

「ん?どうしたユキナ殿?」

「いや…いつからルーンさんは真琴君を呼び捨てで呼んでいるのかなって」

「……(ボンッ)」


優樹菜の質問に少し間を置いてルーンが顔を赤面させる。


「い、いやこれはだなユキナ殿、その…あの、なんだえーと…」

「…何があったんですか?」

「いや、だから…」


ルーンは何故かテンパってまともに応えれて無い。その様子に目をキツくする優樹菜。


「まあまあ優樹菜。ルーンには何回か相談を受けた事があるから気安くなったんだろ?堅苦しく無くていいじゃない」


このままでは泥沼化しそうなのでフォローを入れる。

(というより事実を伝える)


「…本当にそれだけ何ですか?」

「…(コクコクコク)」


ルーン高速の頷き。首大丈夫かな?


「はーい皆さんお待たせしました」「たー」「あ、ちょあんた前!」「ひゃっ!」


準備が出来たのかティターニャ達がお盆を下げてやって来た。アルンがコップが乗ったお盆を危なっかしく運ぶ後ろで同じくお盆を下げたクロがハラハラと声をかけている。が、少し遅かった様でアルンは段差に躓く。何となく分かっていたので素早くお盆をテーブルへ置き、ついでにアルンも抱える。


「アルン大丈夫か?」

「ご、ごめんなさい…」

「はぁ、まぁ怪我無さそうだからよか…」

(て、ちょ!?)

「く、クロ前!前!」

「え?わきゃ!?」


アルンに続いてクロまでも同じ段差に蹴躓いてしまう。

(君達本当仲いいね!)

そうも言ってられずアルンを離してギリギリクロからお盆を取り上げると共に片手でクロを支え難を逃れる。


「あ、ありがとうマコト」

「どういたしまして。アルンを見てくれるのは良いけど自分もしっかりね」

「わ、分かってるわよ」

「ならよろしい。二人共次からは気を付けてね」

「「はーい…」」


2人の良いところは自分の駄目な所を素直に理解出来る所だと思う。

(まぁ今回は半分事故だったし、次からはアルンもクロもしっかりするだろ)


ちょっとしたハプニングがありつつも全員席に着いた。

(ちなみに円形の机で順番は時計の12時の位置から右回りにティターニャ→真琴(onアルン、クロ)→優樹菜→ルーン→優衣→悠一→リオン、となっている)


「…アルン達そこでいいの?」

「「ここがいいの!」」

「あ、ハイ」


「あ、このお茶美味しい」

「ふむ、この香りが良いな」

「あら、ありがとうございます。ルーンとユキナさん…でしたか?」

「あ、はい優樹菜です。よろしくお願いします。ティターニャさん」


「ユウイチ君…だったかな?」

「ええ、悠一ですよ。えーと…」

「あはは、リオンだよ。よろしく。奥の人はユイさん…だよね?」

「ええ、優衣で合ってるわ。よろしくね、リオンさん」

「リオンでいいよ。その方が気が楽だ」


こんな雰囲気でお茶会は和んだ。

(そうそう、殺伐としてばっかじゃ参っちゃうよね)

そう。和んでいた。…この時までは


「それで、旦那様。今日は一緒にベッドでどう?」

「うーん…時間があったら、かな。天気も良さそうだし外でどう?」

「まぁ!いいわね。ならまた夜も一緒にどう?」


この一言で横の女性2人が動きを止めた。

(どうした?舌でも噛んだか?)


「そうだね。たまにはゆっくりしたいし。ただ夜はちょっと無理かな」

「あら、残念。ならせめて午後はゆっくり…ね」

「うん、そうだね」


「…ま、真琴…君?」

「え?どうしたの優樹菜?」


唐突に唐突に呼ばれ横を見ると油の切れた機械みたいな動きの優樹菜がいた。後ろではルーンがフリーズしている。


「ど、どうしたの?」

「な、何?どういう事?真琴君が?ティターニャさんと?え?寝た?え?夜?ベッド?な、何?一体どうなってんの!?」

「ゆ、優樹菜!一回落ち着いて!」


何か分からないけど何故か優樹菜が暴走してる。あ、ルーンが復活した。


「真琴君!!!」「マコト!!!」

「は、はい!」

「「本当に寝たの?」」

「…は?」


急に呼ばれてびっくりしたが質問の意味が分からない。しかもルーンと優樹菜は顔を赤くして最早涙目だ。てかリオンが聞き耳立ててると思ったら涙を流して呆然としだしたけど大丈夫かな?

(な、何か分からないけど物凄く誤解されてる気がする)


「「どうなの!?」」

「いや、寝たよ。アルン達と4人で時々だけど。特にあそこ日当たりが良いから気持ちいいんだよね」

「「……え?」」

「え?」


いや、何故そこでそんな反応をされるのでしょうか?


「え?ちょっと待って。寝たって何してたの?」

「え?いや何も。ただ昼寝をしてただけだよ?」

「「………昼寝?」」

「え?うん、昼寝。森の奥の方にいい感じの場所があってそこで4人で昼寝したりしてた…だけ、ですけ…ど?」

「ぇ、じ、じゃあその、夜って言うのは…」

「夜は星が綺麗だから前に一緒に見た、から…だよ?」


何だろう。説明してると優樹菜達が呆然としたと思ったら、次には顔が怒りで染まってきた気が…


「紛らわしい!」「紛らわしいよ!!」

「え?いやスミマセン?」


何か分からないけどとりあえず謝っとけ精神で頭を下げる。

(…とりあえず腹抱えて笑ってる悠一は後でお説教な)


が、その必要は無いようだ。優衣が横から「笑いすぎ!」とツッコミを入れた…グーで。あ、壁に衝突した。

(大丈夫か…いや、自業自得だな)

一瞬心配しかけたが、すぐに悠一が悪いと考えて優衣を応援する真琴。

悠一、頑張れ!


「…ところで優樹菜達は何と勘違いしてたの?」

「うぇ?」「…ぅ」


が、聞いたのが変だったのか途端に顔を真っ赤にして二人共黙り込んでしまった。


「…?」


何も答えない2人にますます混乱する真琴。唯一ティターニャだけは訳知り顔で「あらあら、うふふ」と笑っていた。

(一体何だったんだ?)

一息ついたところでクロが声を上げた。


「そういえばマコト。何時もの魔法はかけなくていいの?」

「魔法…?……!!!?!?」


一瞬何を言われているのか分からなかったがそう言えば今朝気絶?から回復してから首元の傷を隠す魔法をかけてない事に気付く。

包帯も付けていない。慌てて首元を手で隠す。


…が、


「…は?」


何度も首元を手で撫でる。しかし伝わる感触は滑らかな肌そのもの。


「…優樹菜」

「な、ない」

「…優衣」

「うそ…でしょ」

「…悠一」

「消え…てる」


念のため確認するが周りの反応は一緒。首元の傷が無いのだ。普通なら何を当たり前の事を、と言うかもしれないが、この傷は何故か現代医療でも魔法でも治らなかった。それが気付いたら無くなっている。それは驚愕する事だろう。


襟首から見た限りでも胴の傷も消えていた。その事に一同が固まる。


「まぁ綺麗になりましたね。旦那様」

「…ま、まさかティターニャが」

「そうだったら嬉しいのだけどね…それは今朝旦那様が来たときには既に無くなっていたわよ」


以前ティターニャも傷の治療を試みた事があったが結果は失敗だっのだ。


「まあ、良かったじゃないですか。これで堂々と外を歩けますね」

「それは…まぁそうか」

「はい」

「…ありがとう、ティターニャ」

「どういたしまして」


そう言ってティターニャはにっこりと微笑んだ。

(確かに特に困った事は特には無いか…)

考えてみればその通りだった。ティターニャの言葉でこの話は切り上げ、そのまま亡命について軽く話して今回はお開きになった。



(…結局あの傷は)


目的は果たせたが未だ消化不良の感じがして少し釈然としない真琴であった。

いかがでしたか?

何気に初対面の人が何人かいたので今回は話し合いの一区切りとして休暇がてらの自己紹介のような感じでした。


最後はちょっと伏線のようなものを張りましたがしばらくは引っ張る予定なので皆さんも考えて貰えると嬉しいです。


また意見や感想などありましたら是非お願いします。

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