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第3話 日常の終わり


いつも通りのホームルームも終わり、いつも通り授業が始まる。


僕たちの学校は1日6限で、4限目の後に昼食、放課後は部活動だったり帰宅したり…そんな一般的な学校だ。


今日は4限目が数学で教師は担任でもある三咲先生だ。


「…ですから、この三角形のここの長さは…

えーと…あれ?この三角形が…」


何も難しい事は無い。高1の数学の応用だ。簡単に解ける、もちろん教師も簡単に…


だが、そうは行かないのが三咲先生クオリティー

全く見当違いの事をしている。

この先生は問題は解ける。解けるのだが、それに至るまでの過程を説明するのがかなり下手なのだ。

それで良いのか高校教師、と思わなくも無いが先生の数が少ないのだから仕方がない。


だが、今日はかなり粘っている。いつもならこうして詰まると、


「く、工藤君

すみません。お願いします」


…どうやら、ダメだったようだ。

こうして先生は良くこっちに説明をバトンタッチしてくる。

(まぁ、今日は粘った方かな?)

と、朝からの腹いせでかなり失礼な事を考えながら


「そこは、X の長さとあそこの角度が分かってるので、三角関数を使って…」


と、いつも通り説明する。

それを周りも当たり前のように聞いて問題を解いてゆく。

これが僕たちのクラスのいつもの数学の授業風景だ。


「はい

工藤君ありがとうございます。

それでは次の例題に行きます。

次は…」


こうして先生にバトンを返し、僕はさっさと寝る。

こればっかりは仕方ながない。何せ昨日?今日?は結局1時間程しか寝られなかったのだ。

(だから許して…)

そう心の中で誰かに謝罪しつつ、夢の世界へ旅立つ。

周りも特に何も言わず、先生も普通に授業を進める。

元々真琴はバカでは無いので、予習復習をしっかりと行い毎回テストでは学年1位をかっさらって行く。

周りもそれを分かってるので特に問題も無く授業を進める


「く、工藤君

お願いします…」


…三咲先生のヘルプが飛び、真琴が目覚めたのはそれから20分後の事だった。






そして数学も終わり、昼休みに入る。

(ああ、ダメだ…

まだ眠い。もう昼も抜こう…おやすみ…)

が、そうは問屋が卸さない。


「真琴会長ー工藤真琴会長ー」

「起きてくださーい。

午前中けっこう寝ていた工藤真琴会長ー」


「ああー!

聞こえてます!だから毎度毎度耳元で叫ば無いで下さい!聞こえてますから!」


そう真琴が叫んで起きると、左右で二人の男女が笑っている。

女性の方は生徒会副会長の三年生、後藤先輩、

男性の方も生徒会副会長の三年生、山口先輩である。


真琴はこの学校の生徒会で会長もやっている。

…というよりは三年が誰も会長に立候補せず、他薦により半ば強制的に真琴に押し付けられた。


「はい、これ。ちゃんと目を通しておいてね」

「よろしく!僕らこれからご飯食べに行くからさ。

じゃ!」


…そしてこの副会長コンビは付き合っている。

後藤先輩、そんな嬉しそうに書類の束を僕の机に置かないで下さい。

山口先輩、のろけるなら爆発して下さい。

色々と心の中で考えながら、一応返事をする。


「わざわざどうもです。

では毎回毎回来ないで貰えると助かるのですがね!」

「「それは面白く無いじゃない(か)」」


言外にもう来るな、と告げると息ぴったりにとてもイイ笑顔で返された。

あーもう爆ぜろ!!


そして先輩二人は笑いながら去って行った…


「あー…

チクショウ。仕事増やしやがって…」


「あはは…

大変だね会長さん。手伝おうか?」


そう苦笑いを浮かべながら優樹菜が前の席に座った。

(前のやつは購買へ行っているのでいない)


「ありがとう。でも優樹菜昼まだだろ?

気持ちだけ受け取っておくよ。」

「真琴君もまだでしょ?

ダメだよ?食べなくちゃ」

「あー…

うん、これ片付けたら食べるよ」

「ちゃんと食べてよ?」

「分かってる分かってる」


そう優樹菜と話してる時周りでは


(あれどうよ?)(最早カップル通りこして夫婦よね)(だよねー)(なのにその手の話になると、優樹菜ってば初心になっちゃうよね)(あーわかるわ)


などの会話が交わされている事を二人はまだ知らない。

その時男子生徒の集団が教室に入って来た。


「おい!真琴!お前はまた遠藤さんに迷惑をかけて…!」


そう先頭の一人が怒鳴るとそうだそうだと周りの取り巻きたちが騒ぐ。


お前ちょっと空気読めよ!

クラスの心がそう一致し、言葉を発した男子生徒の集団を見る。

彼の名前は佐上良太、それなりに整った顔にピアスなどを付けた、大柄な体格を持つ生徒である。

彼らは所謂不良で、良太は家が金持ちである事と力が強い事から割と自己中心的な考えをしている。

そして彼は、優樹菜に惚れており真琴に良く突っかかってくる。


(うわぁ…

また面倒なのが来た…しかも何で今日なんだよ…お前ら普段授業サボって教室来ないだろ)

真琴が露骨に嫌そうな顔をすると、さらに良太たちが騒ぎだし、騒ぎを聞きつけ三咲先生や、クラスメート達も戻ってきた。


(…ん?

何で窓も扉も全部閉まっているんだ?)

そこで真琴は違和感を感じ周りを見回した。

そして、違和感の正体に気付き優樹菜を見ようとした。

その時、視界が微かに歪み真琴は反射的に近くの優樹菜の腕を掴んでいた。


「え?」


そう言ったのは誰だったのか。

確かめる間も無いほど一瞬で真琴の意識はブラックアウトした。

ようやく異世界飛びました。

長くてすみません

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