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第33話 冒険の始まり


次の日に目を覚ますと一番に飛び込んで来たのはアルンの寝顔だった。


(…ん?)


数度瞬きをして間違いが無いかを確かめる。


(あー…そうか、寝ちゃったか…)


ようやく昨日の事を思い出して優樹菜の料理を食べ損ねた事に軽く落ち込みつつ体を起こす。どうやらソファで寝てしまったようだ。ソファには真琴に乗っかるようにアルンとクロが寝ていた。よく寝れてたな…。ベッドには優樹菜と優衣が寝ている。そして床には悠一がいた。何故か全員分の毛布がある。


(え?まさか部屋から持って来たの?)


疑問は残るがとりあえずアルン達を起こさないようにソファから離れる。

(ちょっと寝過ぎたかな?先に朝食作るか)

いつもより遅い起床時間に苦笑しつつ朝食を作る。

(まだ皆寝てるし先にシャワー浴びるか)

以外と早く出来たので体を洗う事にする。


コンコンコン


シャワーを浴びているとノックが聞こえた。


「え?あ、ちょっと待って下さい」


(やべぇみんな寝てる、てか誰だ?こんな朝早くに)

慌てて近くにあったズボンとカッターシャツを着て扉へ向かう。扉を開けると使用人…に扮したルーン殿下がいた。


「おはようマコト殿。昨日はありがとう。また朝食を頂いて…も?」


不自然に言葉が途切れた。何故か殿下はこちらを見て固まっている。


「おはようございます。別に構いませんが…私の顔に何か付いてますか?」

「マコト殿…その首元はどうしたのだ?

「首元?…っ!」


迂闊だった。慌ててシャワールームから出たので包帯を巻いて無い。つまり火傷などの傷跡が見えてしまってる。


「い、いやこれはちょっと転んで…」

「それにその上半身も…」


やらかした…

カッターシャツなので濡れていた所が透けてしまってた…


「ちょっとよく見せてみろ!」

「うぇ!?あ、ちょっとルーン!」


もっと傷跡をよく見ようとルーンはカッターシャツを脱がそうとする。

(そういうのはもっと相手を選んでください!)

もみ合いの末2人ともそのまま後ろに倒れてしまった。


「まーこーとーくーん?一体何をしてるのかな?」


ゾッ!

(な、なんだ?背後から殺気が)

さっき起きたのかそこには寝起きの優樹菜達が腕を組んでこちらを見ていた。優樹菜の目が笑って無い。まぁあちらからしてみれば起きたら真琴がルーンに馬乗りされて服を脱がされそうになっていたのだ。それは驚くだろう。

と、真琴の注意が逸れたスキにルーンは真琴の服を剥がした。


「あ…」

「え…?」


そこには見るのも無残な傷跡が大量にあった。一部は火傷なのか肌が爛れている。


「…っ!すみません!」


思わず真琴はルーンを突き飛ばしシャワールームへ駆け込んだ。

残されたルーンはただ呆然と座り込むしか無かった。


それを優樹菜達はただ悲しそうな目で見ていた。





(ああ…くそ、油断した)

慌てていたとはいえルーンを突き飛ばす程動揺した自分に愕然とし、頭を冷やす為に座り込んだ。

(このままじゃ…ダメだよな。元々優樹菜達にも黙ってたし…いつかは)

とりあえずここままでは埒が明かないので深呼吸をすると上着を着てリビングへと向かう。


そこにはどうして良いか分からずオロオロする4人がいた。


「あ、ま、マコト殿…その、さっきは」

「いきなり突き飛ばしてすみませんでした」


ちょっと気まずかったので先に自分の非を謝っておく。


「いや、そんな!それよりも私もあんな事をしてすまなかった。それで、その怪我なのだが…」

「…すみません。いずれ話しますが今は勘弁してもらえませんか。優樹菜達も…ごめん。もうちょっと待ってくれる?」


以前からこの怪我については疑われていたのは知っていたので折を見て皆に話そうと決めた。

(流石に転んだは無いよな…)


「う、うん!いいよ、いつでも待ってる」

「焦らずあんたの気持ちが整理出来たらで良いからね」

「相談ならいつでも乗るからな」


しかしこんな自分でもずっと待ってくれている友人達がいる。

(相変わらず頼もしい人達だ)

こんな幼馴染みに恵まれた事に感謝し、ありがとうと頭を下げた。


「とりあえず回復魔法で」

「それは試したのですが何故か効かないのです」

「そんな馬鹿な…な、ならとりあえず魔法で外見は見えなくするのはどうだ?」


回復魔法は一度優樹菜にやって貰ったが何故か効かなかった。なのでとりあえずルーンに魔法で傷跡を隠してもらった。

一通り終わると優衣は手を叩いた。


「さ、とりあえずご飯食べましょ。さっき見たけど真琴が作ってくれてたわ」

「あ、私も手伝うよ」

「じゃあ俺は机並べるわ」

「わ、私も手伝おう」


各々が動き出した。それを見て真琴もアルン達を起こしに向かう。

また今日も1日が始まる。





その後は朝食を食べてルーンが帰り真琴達は食堂へと移動した。そこに現れた司祭に剣術と魔法のどちらかを選び学習する事が言われた。


「そして、最後に皆様にお知らせです。1ヶ月後に国内のダンジョン攻略に向かって頂きます。なのでそれまで力を付け、最下層を目指して頑張って下さい。以上です」


その発表に場は騒然となった。しかしそれは仕方無い話だろう。異世界物の定番のダンジョンだ。事前に調べていたが、やはりダンジョンは縦穴の様な作りで下層に行くほど強い魔物が出て来る。それにいきなり下層へ飛ばすなどのトラップも多数ある。そんなトラップや出現する魔物の種類も豊富だ。


やっと異世界で冒険が出来ると皆騒いでいた。だがその中で真琴は司祭のある言葉に疑問を抱いた。

(だがさっき司祭は最下層って言ったな…どこまで進ませる気だ?)

ダンジョン自体は沢山あるのだが一番古くからあり最強と言われるダンジョンはこの世界に5つ存在する。


そのうちの1つがこの国内にある、別名フォードダンジョンと言われるダンジョンだ。このダンジョンは未だ60層より下に行った者はいない、そんな場所だ。

(それを最下層か…)

なんだか嫌な予感がするがとりあえず力を付ける事に集中する。



剣術と魔法の選択は両先生の話し合いの末、半分ずつ受けることになった。





それから1ヶ月はあっという間に過ぎて行った。





いよいよ明日はダンジョン攻略


事前説明があるので明日の装備で集合するように連絡があった。

一応初めに甲冑のような基本装備1式を貰っているのでほとんどの人はその装備そのままだった。

(しかも新品みたいに綺麗だ…まさか今まで使って無いとかないよな。流石に命に関わるしそれは無いと思いたいけど)

真琴がその考えが合っていると気付くのはもう少し後の事だった。


ちなみに真琴は貰った初日にカインと模擬戦をし、無駄な所を省いたり逆に必要な所を足したりしたのでかなりの改造が施されている。最早原型は無いぐらいに。優樹菜達もそんな真琴を真似たので4人共かなり違う格好をしていた。

それを見た良太たちが騒ぐ。


「おいおいおい。代表様はなんであんな格好なんだ?」「どうせ能力低すぎて着れなかったんだろ」「流石無能だなぁ」「ホームレスかよ」


そう言って下品な笑い声が上がる。


「そんなに変か?」


改めて見直すが、確かにぱっと見は黒のロングコートを着て腰の両サイドに剣を差しているだけだ。

まぁ中に胸当てを付けたりコートも内側は色々入るように改造してたりと仕掛けはしてるのだが。

ちなみに優樹菜は白いローブを着て長い杖を持っている。ローブの内側は真琴と同じような改造がしてある。優衣は急所や腕などのみにプロテクターを付け、機動性を重視した装備だ。悠一の防具は優衣とは違い少し重装備で、大型の盾を背負っている。


「そんな事無いよ。格好良いよ」

「ありがとう優樹菜。優樹菜も凄く似合ってるね。髪型も格好良いよ」


動き易くするためか何時もは下ろしていた髪をポニーテイルにいていて、雰囲気が普段とは違う。


「え、あ、ありがとう…」


優樹菜は顔を赤くして俯いてしまった。

(顔赤いけど体調大丈夫かな?風邪とかだったらヤバいけど…)

それを見て見当はずれな事を考える真琴。それを見て殺気立つ良太たち。


「…ねぇあの2人はいつ付き合うの?」

「俺に聞くな」


それを見た優衣と悠一は呆れていた。



そしてガルムが来て明日についての連絡をしてその場は解散した。





さあ、いよいよダンジョン攻略だ

引き伸ばしてすみません…

次回はダンジョンに入ります!…多分

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