第30話 魔法の時間
魔法の説明一部変更しました
次の日は昼間に魔法の勉強をして夜はいよいよ貴族とのパーティーの時間になった。
(はぁ…しんどい…てか面倒だ)
「真琴君どうしたの?顔色悪いよ?」
「ああ、大丈夫だよ優樹菜」
「なに、心配するな。私も近くにいるようにする」
「ありがとうございます殿下」
「む?また敬語!それに名前はちゃんとルーンと呼べ!」
「あー…助かるよルーン。ありがとう」
「ふ、ふん分かれば良いんだ」
そんな会話をしながら皆で朝食を食べる。さて、ここでこの部屋の状況を説明しておこう。
まずこの部屋には現在真琴、アルン、クロが住んでいる。今はそれに優樹菜とルーン殿下も加わって5人で食事をしている。
何故二人が来たのかは少し前に遡る。朝起きて、少し早いが朝食の準備をしている時に使用人に扮した殿下がやって来た。
「おはようマコト殿、朝早くからすまないな。そ、その…ど、どうしても昨日の料理が忘れられ無くて来てしまった。ちなみに家族は了承済だ」
らしい。
(…は?)
強気で言ってるが、恥ずかしいのか若干顔が赤いのが少し可愛い。とりあえず帰すのも失礼なので部屋へ入れる。その後アルンとクロを起こしてると再びノックがしてドアを開けると何故か優樹菜がいた。
「おはよう真琴君。体調は大丈夫?あと、その…昨日の料理が美味しくて。今日もご馳走になっても良いかな?」
だそうです。
(…は??)
顔を赤くしながら上目使いはヤバい。何がって?まぁ理性とか色々だよ。とりあえず他人に見つかると面倒なので部屋へ入れた。そして現在へ至る。
(優樹菜と殿下の目線が合った瞬間に空気が固まったが、アルンの「お腹空いた」の一言でとりあえず食べる事になった)
いや、まぁ料理不味いって言われるよりは嬉しいけれど時間がある時はまた来るとか言ってるよあの二人。なにやら恐ろしい会話が当事者抜きで進んでいた。
「さて、もうそろそろ時間だから行くよ。朝からすまないな。美味しかったよ」
「お粗末さまでした。お仕事頑張って下さい」
「私もそろそろ戻るね。真琴君ありがとう。また魔法の勉強でね」
「ああ、また後で」
そうして二人は戻って行った。
アルン達も既に食べ終わったようなので部屋を3人で片付ける。
「それじゃあ僕も行って来るよ。昼は戻らなかったら机の上の食べておいて」
昨日の事も踏まえて昼食は作り置きしておいた。
「マコト、行ってらっしゃい」「魔法だから大丈夫だと思うけど気を付けてね」
「ありがとう二人共、行って来ます」
そうして真琴も一度食堂へ向かった。
(皆食堂にいるからそこで何か説明があるだろう)
どうやら予想は当たったようだ。コーヒー(らしき何か)を飲みながら悠一達と話していると全員別の部屋へ移動するようにという連絡があった。とりあえず皆案内の人の後にゾロゾロ続く。
到着した場所は大学の講義室のようなところだっだ。四人掛けの机が横に四列、少しカーブを描いて各列階段状にならんでいた。そして中央にはザ・魔法使いと言わんばかりに三角帽子と黒ローブを纏った女性がいた。女性が着席を促すと、とりあえず皆適当に座る。僕達も後ろの方に座った。
「皆さんおはようございます。私が今日から皆さんの魔法の勉強の講師をやるクラリッサです。どうぞよろしく」
そう言ってクラリッサ先生は頭を下げた。身長は優樹菜と同じぐらいで、髪は肩にかかるぐらい。少し幼い顔立ちが可愛いらしい。そして何と言っても特徴的なのはそのスタイルだろう。グラマーと言うか何と言うか…凄く大きいのだ、その、胸が。
前の方の男子など(前から5列ほどは全員男子だが)鼻の下を伸ばしている。
…そして悠一。頼むから僕に向かって真顔で「真琴、あの先生の胸ヤバイな」とか言わないで。お前の後ろに鬼神(優衣)が見えるよ。あと優樹菜お願いだから無言で腕つねらないで。ゴメンなさい痛いです。
そんな僕達を見ながら先生は魔法について解説する。
「そもそも魔法がどうやって発動するのかを皆さんは知っていますか?この世界は世界樹から産まれた沢山の魔力で満ちています。世界樹とは神の住まう神界とこの世界を繋ぐ架け橋のような物だと考えて下さい。その世界樹を通してこの世界の魔力は循環しています。そして魔力とはあらゆる魔法の素となる極々小さなものです。私達はその魔力を集めて魔法を発動させます」
そして先生は指を鳴らすと手のひらに火球を出した。
「今回は魔力を火へと変換しました。魔力にはおおまかに火・水・風・土の四種類があります。あと光や闇、無属性といった例外もありますがこれらは扱いがとても難しいのであまり使わないように。なので普通はこの四種類を用いて魔法を発動します」
そう言って先生はまた指を鳴らすと順に火球・水球・小さな竜巻・綺麗な泥団子を何もないところから出した。
「ここまでになる為にもまずは体内の魔力を上手く制御しなくてはいけません。なので今日は体内の魔力を循環させ、可能なら魔法を発動してみましょう。ここまでで質問は?」
すると何人かの生徒が手をあげた。先生はそれらの質問に答え色々と補足説明を加えた。
「最後に、魔法に大切なのは想像力です。それさえあれば様々な可能性が見えてくるはずです」
と、締めくくった。
「それでは皆さん。自分の体内の魔力を制御してみて下さい」
そうして皆は練習を始めた…はずだった。ぶっちゃけ今まで魔力なんて無縁だった奴らに急にやれって言われてやれる奴なんていないだろう。実際ほとんどの人は戸惑って止まっていた。
「ま、真琴君どうしよう」
「真琴どうするんだ?」
左右の二人もギブアップのようだ。
「ゴメンちょっと待って」
「真琴、あんた何してんの?」
「んー…ちょっと実験。悪いけど静かにしてね」
真琴は二人に謝りつつ目を閉じた。そんな真琴に優衣も疑問を浮かべるが少し待ってもらう。
(必要なのは想像力、か…ならこれで…)
先程の先生の話を思い出して真琴は自身の体内を流れる血液を思い浮かべる。
(異世界物のお約束だよね。血液みたいに身体中を巡ってる流れ…これか)
すると今までとは異なる別の流れを感じた。あとはそれを明確に意識する。
掌を意識して火を思い浮かべる。何かが手に集まる感覚とともに真琴の掌の上にバスケットボールほどの火球が現れた。
「「「は?」」」
皆の目が点になった。
(なるほど…なら)
そんな周囲などお構い無しに真琴はある工夫をする。すると火の勢いが強く大きくなったり、逆により白く温度の高い火球にしたりした。
「よし出来た!」
「「「「え?」」」」
「え?」
つかの間の静寂が教室を支配した
なんだかタイトルがすごくファンシーだ…




