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第27話 プーレト

2018/04/15 内容大幅変更しました


「それではマコト殿、ご馳走になったな。とても美味しかったよ」

「お粗末様でした。昨日から本当にありがとうございました」

「なに、気にするな。それではな、また来るよ」


優樹菜、ルーン殿下、アルン、クロの5人で朝食を食べた後、ルーン殿下は仕事があるのでと帰って行った。


「それじゃあ私も一回部屋に戻るね」

「優樹菜も色々ありがとう。本当に助かったよ」

「どういたしまして」


優樹菜も部屋へと戻って行った。


「さて、僕も準備するか」


確か今日の予定は剣術の訓練だったな。何でも昨日の戦闘術とはまた別物らしい。

(昨日と同じ事にならなかったら良いけど…)

考えても仕方が無いのでとりあえず準備をして昨日と同じ場所へ向かう。


「アルンとクロは留守番よろしくね」


正直言うとしっかり連携出来るか試すために連れて行きたいが、急に精霊を二人も連れていると悪目立ちしてしまう。

(これ以上目をつけられるのは勘弁だ…)

始めは二人から猛反発をくらったが何とか理解してもらった。


「マコト、本当に大丈夫?アルン居なくて平気?怪我しない?」

「ほらアルン落ち着いて。僕なら大丈夫だよ」


若干一名納得していない人もいるが。


「マコト、本当に接続切っていいの?」

「ああ、クロ。それで良いよ」

「でも…」


いや、こちらも納得してなかった。

接続とは《コネクト》という魔法?で主と精霊の五感を同調させる効果がある。これを使うと身体能力が向上し、痛覚なども精霊と共有するため一人の負担が軽くなるのだ。それ以外にもいくつか効果はある。

(最悪昨日みたいな事があったらアルン達まで傷付くって事だから。それは嫌だな)


クロは未だに納得していない様子だが(接続することですぐに精霊の力を使う事が出来るし、精霊も常に主の状況を把握できる)こちらもなんとか理解してもらった。


「まぁまた、昼食の時には戻るつもりだからおとなしくしててね。いってきます」

「「いってらっしゃい」」


そして真琴はアルンとクロを残して広場へ向かった。







既に広場にはほとんどの生徒が集まっていた。

(そういえば最近三咲先生の姿が見えないな)

召喚された時以降担任の先生に会って無い事を疑問に感じつつ近くの悠一と合流した。


「よお、おはよう真琴」

「おはよう悠一。昨日はありがとう。助かったよ」

「良いって良いって。友達だろ?当たり前だよ」


そう言って明るく笑う悠一を見ているとこちらも楽しくなるから不思議だ。これが悠一の個性なのだろう。

(まぁたまに…いつも?普段?凄く脳筋だけどね)


しばらくすると優樹菜と優衣も合流した。少し話していると正面の台の上に初老の男性が出てきた。白髪混じりの頭と厳格そうな顔つきが印象的だ。


「諸君、お初にお目にかかる。私の名はカイン。諸君に剣術を教える事になった。よろしく頼む」


そう言ってカインさんは頭を下げた。どうやらガルムでは無いようだ。その事に一安心しつつカインさんを見る。


「その前に諸君にこれを渡しておこう。兵士達にはプレートと呼ばれているいわゆる身分証明の為の道具だ。無くさないように」


そう言われて配られたのは名刺より一回り大きい感じの金属製?の板だった。このカードを見て場が一気に盛り上がる。

若干名前は違うが恐らくこれは異世界お約束のステータスプーレトでは!?…こんな感じに。


「このプレートに少し血を垂らすと諸君の名前、年齢、契約している精霊が分かります」

「「「…?」」」


そんな彼らを無視してカインさんが話した内容に皆が疑問顔になる。

(あれ?なんか想像してたのと…)

それを察したカインさんはさらに説明を続ける。


「名前と年齢は今更ですな。精霊に関しては契約しており、名前が分かっていると名前が表示されますがまだ分からない場合は種族が表示されると思います」

「それだけ…ですか?」

「…?あとは銀行と連携してますので預金が出来、一部の店舗ではプーレトで支払いが出来る事でしょうか」


おずおずと質問した生徒に本当に訳が分からないという顔をしながら説明する。


「あ、あの…能力が表示されるとかは…?」

「諸君らの期待に応えられなくて申し訳ないのですが能力を表示するのは初めに使用した水晶ぐらいでしょうか」


(つまりこれって…ちょっと便利なクレジットカード?)

テンプレだとこれに自分の強さが書いてあるものだが…

周りでもそれを期待した何人かが肩を落としていた。


「だってさ真琴」

「まぁとりあえずやってみたら分かるだろ」


このままでは進まないので四人で指先から血を垂らしてみる。

(指先は優樹菜に治してもらった)

その結果はこんな感じだ。



マコト (17)

精霊・???

???


…なんでこんな"?"が多いんだろう。他の人もかな?


「真琴ーお前もこんなんだろ?」


丁度横にいた悠一が見せてくれたので覗いてみる。

そこには、


ユウイチ (17)

精霊・大猿


「あー、えっと」

「…何も言うな」

「早く名前分かるといいね」

「ああ…」

なんと言うか、悠一のプーレトは色々と残念だった。

(名前が分からないから仕方ないとはいえこれは…字ずらが)


「と、ところで悠一のプーレトはこれだけ?」

「…は?」


話題を変えるために何となく尋ねたが悠一は何言ってんのこいつ的な顔になる。


「い、いや他に表示無いのかなって」

「何言ってんだ?他の奴らもこれだけだぜ?」


「そんなに気になるなら私達のも見る?」


真琴の様子に若干訝しげになりながら優衣が優樹菜と二人分のプレートを見せてくれた。


ユキナ (17)

精霊・黒猫


ユイ (17)

精霊・大鷲


「ね?大体こんな感じよ。あんたも似た感じでしょ?」

「ああー…うん、まぁね」

「何よ、はっきりしないわね」


優衣は未だに納得していなかったが、あのプーレトは異常だと分かったのであまり見せたく無かった。

…だが、そこまで友人は甘くなかった。


「…今よ、悠一!」

「っしゃ取ったー!」

「え?あー!」


優衣が唐突に叫んだと思ったら背後から急に悠一が飛び出し、プレートを取られた…

そして優樹菜も交えた三人で見る。

(優樹菜は始め状況に付いて行けず横で笑っていたが優衣達が真琴のプレートを取ったのですぐに見に行った)

何でそんなに行動速いの!?


そして三人は固まった。


「だから見せたく無かったのに…」

「…は!いやいや真琴よ。これはちょっとどうかと思うぞ」

「…なんでこんな訳の分からない表示なの?」

「へー」


上から真琴、悠一、優衣、優樹菜だ。

最後はとりあえず放置しよう。なんか別の事に感心してるんだろう、多分。

さて、どう説明しようかと悩んでいると、


「…いや、待てよ。これは真琴のプーレトだよな?」

「ええ!そうよ!真琴のプーレトじゃない」

「そうか!ならこんなに後々何か出てきそうなヤバい事になってても理解出来る!」

「ええ、そうね!」


おいちょっと待て天然カップル。色々突っ込み所が多すぎるぞ。


「おいこら…」

「え?どうした?…ああ!心配するなよ。俺達友達の秘密ばらしたりとかしないから」

「ええ、そうね。確かにこれはちょっと悪目立ちしそうね。だからこのプーレトは黙ってるから大丈夫よ」


ああ、ダメだ。この二人もう勝手に納得してるわ。…まあ納得して秘密を守って貰えるなら大丈夫かな。

結果もう面倒だったのでそのまま放置した。


周りが落ち着くのを見計らってカインさんは皆に声をかけた。


「さて諸君。プーレトについては詳しくはまた後ほど、とりあえず仕舞っておいてくれ。

それでは、稽古を始めようか」


そう言ってカインさんはニヤリと笑った。

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