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第23話 状況説明


司祭達が見えなくなると各々地面に座ったりして力を抜いた。


「皆ありがとう、それと心配かけてごめんね。もう大丈夫だよ」


そんな事を言う真琴に風花達が何か言おうとしたが、その時に真琴の顔色が未だに悪い事に気付く。


真琴が歩こうとしてバランスを崩して倒れかける。が、そこに悠一が身体を滑り込ませ真琴を支えた。


「はぁ…まだふらふらじゃないか…ったく無茶しやがって。

ほら、部屋行くぞ」

「はは…悪いな、悠一」


そう真琴が苦笑すると優衣が横に来た。


「まぁ今更よね。とりあえず何があったか全部話して貰うわよ」

「相変わらず厳しいな優衣は」


そして優衣の隣では優樹菜が立ち上がった。


「でも真琴君が起きて本当によかったよ」

「優樹菜、本当にありがとう。凄く感謝してる」


真琴達は再度風花達に礼をすると部屋へと向かった。風花達はそんなある意味日常的な光景にほっこりとしながら四人を見送る。


「…何か良いわね。あんな関係」

それを見てふと風花が溢す。


「いつかはあんなふうになりたいな」

「ちょっと羨ましいな」


そんな風花に周りも吊られて賛同した。


「…さ、昼食でも行きますか」


まだまだ聞きたい事はあったけど今はあの四人の時間だよね、と考えながら風花達も食堂へ遅めの昼食を食べに向かった。


とりあえず真琴は無事だった。皆はこの事実だけでも充分な達成感を感じていた。






一方真琴達はとりあえず一番近い真琴の部屋に来ていた。勿論真琴はベッドの上だ。その前には悠一が椅子を持ってきて座り、その横のソファーに優樹菜と優衣が座っている。


「さて真琴。とりあえず何でボロボロか説明して貰える?」


優衣が口を開いた。

真琴も皆に迷惑をかけた事は分かっているので真実をありのまま伝えた。(集団リンチのあたりで皆が殺気立って怖かった)


「以上かな。あの時優樹菜に回復してもらえて本当に助かったよ」

「そ、そんな。私はただ…」

「でも助けてくれただろ?何度も言うけどありがとう優樹菜」

「あう…ど、どういたしまして」


優樹菜は顔が真っ赤になってしまい、それを見せまいとうつむいた。


「はぁ…でもよくそんな集団リンチで五体満足でいれたわね」

「そう?別に普通に避けてただけだよ?」


通常身体強化した10人に囲まれたら5分持たないのがこの世界の一般常識だ。


「いやあんた普通って…」

「優衣、諦めろ。相手は真琴だ」

「…そうね、真琴だもんね」


ちょっと待てどんな納得理由だ。

色々とツッコミたかったがそれよりも優先する事があるのでとりあえずスルーしておく。(後で覚えてろ)


「そ、そういえば今日はもう夕食まで自由だよね」

「ああ、今日は戦闘訓練だけだからな。何かあったか?」

「…その前に優衣。この部屋の周りに誰かいる?」

「ちょっと待って。《サーチ》」


真琴が真面目に聞いたのが伝わったのか優衣は真剣な表情で少し目を閉じた。


「…大丈夫よ。私達以外いないわ」

「真琴君何かあった?」

「ちょうど良い機会だから3人に話しておきたい事…と言うか紹介したい人達がいる。ちなみに他言無用で頼むよ」

「当たり前だ」


真琴の雰囲気に3人は若干背筋を伸ばした。悠一の返事に横の二人も真剣に頷く。


「とりあえず見て貰った方が早いかな?…アルン、クロ出られる?」


突如真琴が目を閉じて話し出したので少し驚いていた3人の顔が次に驚愕に染まった。まぁ無理も無いだろう。いきなり女の子二人が現れたのだから。しかも、真琴の膝の上に。


「マコトー!出られたよ」

「久し振りって訳では無いわね。さっきぶり、マコト」


「はいはい、二人共落ち着いて。

とりあえず自己紹介しようか」


「えーと、アルンだよ!よろしく!」


と、アルンは3人に向かって元気よく手を上げた。


「あんたどんな挨拶よ…はじめまして。私はクロよ」


クロは普通に挨拶した。そんな二人のマイペースな挨拶を見て3人は三者三様の反応をした。


「…ひ、膝の上」

「…?……は??」

「…えーと、二人は真琴の何?」


上から優樹菜、悠一、優衣だ。若干1名おかしかった気がするが、気のせいだろう。悠一は未だ混乱していた。

唯一反応できた優衣はとりあえず質問する。


「えーと…二人は僕の精霊…かな」

「まぁそんな所ね。実際はもっと高位の存在だけど」

「これでマコトと何時でも遊べるね」


僕の答えにクロが補足してくれる。アルンはもう話を聞いてない。相変わらずのマイペースぶりである。


「へ、へー精霊ね…二人も…へー。確かあんた出来ないとか言われて…へー、二人も精霊と契約出来たんだ…」


優衣も、状況に追い付けなくなって来たようだ。

そんな優衣の肩に悠一が手を置いた。


「諦めろ。相手は真琴だ」

「…そうね、真琴だしね。うん、真琴だもんね」


ちょっと待って。さっきから何?どっから突っ込んだら良い?

えー、何で悠一そんな事言うの?それで何故優衣は一気に納得してるの?てか、なんでもう二人共受け入れてんの?

こういうのってもうちょっと理解するのに時間かかるもんじゃ無いの?


と、真琴が混乱してる中で優衣が更にクロにいくつか質問すると(本当に精霊なのか?など)本当に納得して下がってしまった。

暫し熟考、とりあえず質問をまとめる。


「いや、待って優衣。今回のは自分でもけっこう凄い事言ってるな、って思うよ。こんな10分ぐらいで納得出来る事じゃ無い気が…」

「んー、でも契約したの真琴でしょ?」

「え?うん。二人共僕の精霊だよ?」

「ならそういう事ね、分かったわ。納得した」


いやだから今の言葉のどこに納得出来る要素があるんだよ。

ふと悠一を見ると


「真琴も契約出来たんだな。おめでとう!」


と、とても良い笑顔で返された。もう返すのがバカらしく思える。


「はは…ありがとう。あれ?そういえば優樹菜は?」


気がつくと優樹菜はさっきからずっと俯いて何か呟いてる。と、ふと顔を上げ立ち上がったと思うとおもむろに真琴の方へ歩いて来た。何を感じたのかアルンとクロが一層強く真琴にしがみつく。


「えーと、もしもし?優樹菜?」


一応声をかけるが、優樹菜は反応せずアルン達の方へ顔を向ける。


「アルンちゃんとクロちゃんだっけ?はじめまして、私は遠藤優樹菜っていうの。気軽に優樹菜って呼んでくれたら嬉しいな。これからよろしくね」


普通に自己紹介をはじめた…が、何故か目が笑ってない。ちょっと怖い。


「ところで…何時まで真琴君の膝の上に座ってるのかな?」

「…え?」


そんな優樹菜の言葉を聞き、真琴は拍子抜けしたような声を出す。

改めて前を見ると確かにベッドに座っている真琴の両膝にそれぞれアルンとクロが座っていた。


「あ、あぁそういえばそうだな。アルン、クロ降りれるか?」

「…ん」「…」

「あ、あの…二人共?」


とりあえず下ろそうとするが何故か二人共離れない。


「どうしたの?真琴君困ってるよ?何時までそんなうらやま…んん!座ってるのかな?」


途中何か聞こえた気がするが気のせいだろう。

そして、優樹菜が再び問うが二人共真琴にしがみついて離れない。

そんな四人を優衣と悠一は苦笑いをして見ている。(いや助けて!)


業を煮やしたのか遂に優樹菜が手を伸ばした。


「早く代わっ…降りなさい。真琴君が困ってるでしょ」

「やー!」


途中何かおかしかったがまぁ気にしないでおこう。それが人生を強く生きる極意だ!…もはや自分でも何やってるのか分からない。

未だに真琴の目の前で3人が睨みあう。

(3人共凄く可愛いのでこれはこれで良いかもとか思ったりする真琴であった)


「マコト殿は無事か!?」

「ひゃ」

「うわぁ」


そんな時に真琴の部屋の扉が勢い良く開き、使用人(ルーン殿下)が入って来た。

その音に驚いて優樹菜が足を滑らせて真琴のベッドへダイブ、元々至近距離にいたのでそのまま四人でベッドへ倒れた。


以上がルーン殿下が入って来た一瞬で起こった事である。


ルーン殿下はそんなベッドの上の僕達を見て少し固まった。


「ほう…私が心配して駆けつけたと言うのにマコト殿は随分とお楽しみのようだ」


そしてベッドの上で重なるようにして寝転ぶ僕達四人を見て殿下は何故か僕に絶対零度の視線を向けて来た。そう、それはまるで…止めよう。何も生まない話だ。







「…え?これ僕が悪いの?」

ここまで読んで下さってありがとうございます。

連続投稿がいつまで出来るか分からないですが頑張りますので、時間がある時にでも読んで下さい

m(__)m

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