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第16話 王女ティターニャ


静かな空間

暖かな木漏れ日

隣で眠る美女


(…は?え?ちょっと待ってこの人だれ?てか何この状況)


真琴は混乱しつつとりあえず深呼吸。落ち着いて状況を整理する。

(周りの動物…まぁ森だし日当たり良いからな。周りの玉…放置。何かよく分からないけど敵意無さそうだから多分大丈夫。この人は?…見覚えない)

隣で眠るのはまるで物語に出てきそうな程の美人だ。長い金髪は恐らく腰まであるだろう。肌は白く長いまつ毛と少し高いめの鼻ほんのり桜色の唇、それらが完璧な比率で並んでいる。

そして驚くのはそのスタイルの良さだろう。出るところがしっかり出ていると言うべきか、服装がRPGとかで出てくる女神様が着てそうな服装なので余計にそのスタイルの良さが際立っている。と言うより

(…目のやり場に困る)

真琴だって健全な?男子高校生だ。起きて横にこんな美人が無防備に寝ていたら色々とスイッチが入りかけてしまう。しかもご丁寧に服を掴んでいるので無闇に動けない。

(頼むから起きてくれ!)

何か触ると色々飛びそうで、ただ悶々とした気持ちを抱えながら横の謎の美女が起きるのを待つ真琴であった。



その頃…

「…くしゅん!」

「優樹菜どうしたの?風邪?」

「ううん。大丈夫だよ。それより何か真琴君に良くない虫が付こうとしてる気が…」

「…あんたどうしたの?」

「…は!な、何でも無いよ!うん!」




そんな事とは露知らず真琴はどうしようかと考えていると女性が身動ぎした。


「うーん…良く寝たわ…あら?」

「あ、えーと…おはようございます?」

「……」

「…一応言っておきますが何もしてませんよ?」


そう言いつつホールドアップする。本当に何もしてないとは言えこの状況は誤解されてもおかしく無い。

(まぁ隣りに来たの多分そっちだけどさ)

自分は寝てただけだと目線で訴える。


すると女性はしばらくキョトンとしたあと、空中に目を向けて何かと話し出した。傍からみたらかなりヤバい人だ。

そしてもう一度真琴を見ると


「別に何かしてくれても良いのに…」


と、何か恐ろし事を呟いたが冗談だろう。…冗談だよね?


「女性が冗談でもそんな事を言わないで下さい。私は工藤真琴と言います。あなたのお名前は?」


このままでは進みそうになかったのでとりあえず自己紹介から始める。するとまた女性はキョトンとしてから合点が行ったのか


「心配してくれるなんて嬉しいわね。始めまして…では無いのだけどね、マコト。改めて、私はティターニャよ。妖精の森で王女やってるわ。気軽にターニャって呼んでね」


突っ込み所満載の自己紹介をした。しかも最後にお茶目なウインク付き。けっこう可愛かったのは内緒。

(…また国のトップ的な人来たよ。もう王女とかルーン殿下で結構です)

まず正気を疑われそうな挨拶の内容。しかしここまで非日常が続くとそんなもんか、と思えるから不思議だ。

ちなみに実際にはルーン殿下は皇女なのだがそこはとりあえずスルー。今は目の前を何かとかしよう。


「えーと…とりあえずティターニャ王女」

「ターニャでいいわ。旦那様」

「ごめんなさいこれ以上突っ込み増やさないで下さい。えー…ターニャ王女は何故ここに?」


とりあえず妥協して疑問を解消して行く。


「そこにあなたが居たからよ」


あなたは何処の登山家ですか。胸張って自慢気にしないで下さい。ちょっと目線が下がりそうです。


「…えーでは以前何処かでお会いしましたか?」

「ええ、あなたがこの世界に来る直前にね」

「…ああ、あの時聞こえた声はあなたでしたか」


確かにあの子ドラゴンと出会った所で最後に僅かに聞こえた声にそっくりのような気もする。


「ええ、良く覚えていたわね。そうよ」

「…ではあの…その、旦那とは?何かの言葉遊びですか?」


最後に一番聞きにくい事を聞く。すると王女は、少し頬を赤くしながら


「そのままの意味よ旦那様。ちゃんと子供もいるわよ」


爆弾発言をした。


「……は?

はぁぁぁぁぁあ!?」


…誓っても良い。この女性とは今日が初顔合わせだ。そして王女は


「あっ、そうか。あの子も出たがっているし、出してあげましょう。その方が色々納得するでしょう。ちょっと目を閉じてね」


そう良く分からない事を言うと僕の胸に手を置いた。意味が分からないのでとりあえず目を閉じる。すると体から何かが抜ける感覚がしたあと、力が抜けてそのまま意識も落ちた。

(な…にが…)



「あら?起きた?」


目を覚ますと目の前に美人がいました。はい、ターニャ王女ですね。後頭部には天国のような感触が…どうやら王女に膝枕されてたようだ。


「以外と早かったわね。大体30分ぐらいかしら」

「え?そんなに…すみません今どきます…ん?」


と、起きようとして自分に何かが乗っている事に気付く。…子供?


「マコト!!」

「…えーと、どなた?」

「ふふ、私とあなたの子供よ。この姿も可愛いわね」


王女笑いながら爆弾発言。

(え?は?とりあえず子供大きくない?)

身長は大体130センチちょっと。ちょうど小学生ぐらいの高さだ。

髪の毛はクセのありそうな薄い桃色。しかし顔立ちなど全体的にティターニャさんと似た雰囲気があり、ああ母娘なんだなと納得出来てしまう。

しかし落ち着いた雰囲気のティターニャさんとは正反対に好奇心一杯なとても活発な雰囲気で、大きめの目が爛々と耀いてる。


「ほらアルン、挨拶は?」

「おはよう!マコト!」

「え?えー、おはようございます?」


王女の言葉からこの少女の名前はアルンか…と思っていたら少女…アルンが僕の名前を呼びながら腹に抱きついて来た。

それにしても未だにこの状況が理解出来ない。突然現れた美女は奥さんでもう子供も居て今対面してる。…うん、自分でも何言ってるのか分からない。


「…あれ?ターニャ王女。さっきこの姿って言いました?」

「あら、そう言えばまだ言って無かったわね。私たちの種族は龍族。魔法で人族の姿になれるの」

「ああ、そうなんですか。ではこのアルン…さんも?」

「ええ、龍族の子供よ。あと、あなたと私の子供なんだからそんな他人行儀に呼んじゃダメよ」

「え、あー…善処します」


ちなみに当事者のアルンは真琴の膝の上でご機嫌そうに座ってる。なるほど。これで大体謎は解けた。あと気になるのは…


「えーと…その、アルンが僕達の子供ってどういう…」

「それも説明するわね。ちょっと長くなるわよ」


そう前置きしてターニャ王女はこれまでの経緯を語った。


曰く龍族は元は時空の隙間で生活していたそうだ。しかし、個体数が減ったので近くの世界で暮らす事になり、ターニャ王女他数体がこの世界に降りた。そして龍族という事と、ティターニャ自身のおおらかな性格もあって、この世界の妖精達の王女としてしばらく平穏に暮らしていた。魔族が時々攻めて来たが普通にはね除けていたそうだ。


だがある日事件が起こった。

魔族が乱発した魔法がアルンに当たり偶々近くに開いていた時空の隙間にアルンが飲まれてしまった。時空の隙間は様々な世界の間に存在するので気が遠くなるほどに広い。元々生まれたばかりのアルンは魔力がほとんど無かったので自力で戻る事も出来ずティターニャも探すにも広過ぎて途方に暮れていたそうだ。

アルンの魔力も尽きかけいよいよ死ぬかと思った時に近くに膨大な魔力をもつ真琴が入って来た。最後の賭けとアルンはその魔力…真琴と接触した。


真琴の性格もあり、アルンが真琴になついて膝の上で眠っていた所を同じく真琴の膨大な魔力を感知したターニャ王女が見つけた。そして王女はアルンがほとんど魔力無しで衰弱していたためとりあえず真琴の魔力の中で休ませる事にしたそうだ。それがあの光だったという訳だ。


その為真琴は今まで魔力が無かった(アルンにずっと吸われていたから)。そして真琴達が精霊の大樹林へ入ったのを感じてやって来た。勿論その中にいるアルンの魔力も。なのでこうして接触した。

そして今に至る。


大体こんな感じの話だった。

またちょっと説明会が…

出来るだけ簡単にまとめられるように頑張ります

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