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第12話 夢の中で

少し残酷な描写があります


司祭の言葉を受けて場は騒然となった。


「魔力無しとは…マコト殿は勇者では無いのでは」

「そこらの平民でももっと魔力はあるというのに」

「代表サマが一番弱いってさ」

「はははっダッセェ!もう他の奴が代表した方が良いんじゃね?」

「あいつ何してんだよ」


などと良太達が騒ぐのを皮切りに周囲の人々が騒ぎ出す。

それ以外の人はどうして良いか分からずとりあえず静観している。


「おい、真琴何かおかしくないか?」


そんな中で優樹菜、優衣、悠一は真琴の様子に疑問を覚えた。

真琴の顔色が朝よりも酷くなっている気がした。


「朝からずっとしんどそうよね」

「真琴君大丈夫?」


そして優樹菜が心配そうに声をかけると(それにより更に真琴への罵倒が増えた)


「…ごめん。ちょっとしんどい、休ませて…」


真琴はそう呟き覚束ない足取りでその場から離れようとする

が、それすら叶わず隣にいた優樹菜へもたれ掛かるように倒れた。


「真琴君!?」「真琴!」「ちょっと真琴!?」


場がざわめき優樹菜達が悲鳴を上げる。

掠れゆく意識の中で真琴の心に声が響く。


(さぁ、君の体をおくれ)


…誰だ、お前は…


そうして真琴は意識を失った








「それでは」

「ありがとうございました」


そう悠一が礼を告げ白衣の男性は出て行った。


真琴が広間で倒れ場が騒然となる中、悠一は真琴を担ぎ上げ優樹菜達と一番近い真琴の部屋へ直行しベットへ寝かせた。

遅れて医師がやって来て真琴を診察し、眠っているだけだと告げ出て行った。その診断に一同が胸を撫で下ろし、今へ至る。


その時扉が開き使用人…ルーン殿下がかなり焦ったように入って来た。


「マコト殿が倒れたとは本当か!」

「うわっ誰だ?…てあれ?昨日の世話係の人?」

「あっ確かに」

「…あなたは一体何なんですか?」


悠一、優衣は驚きつつ正体を見破った。

しかし優樹菜は剣呑な空気を出しつつ使用人を睨む。


「昨日もそうでしたけどあなた使用人の人じゃ無いですよね?一体真琴君に何したんですか?」


優樹菜が問い詰めるが、本人もここで正体をバラす訳にもいかず


「なっ何の事やら」

「っ!いい加減にして下さい!ふざけるなら今すぐ出て行って!」

「ちょっ優樹菜!落ち着いて」


誤魔化そうとしたが、真琴が倒れた事で気が立っていた優樹菜は遂にキレた…優衣が慌てて止めに入るぐらいに


「わ、分かった分かった。あなた達はマコト殿の友人だろう。なら、多分大丈夫だから話すよ」


そう言ってルーン殿下は心の中で真琴に詫びつつ昨日の事を話す。


「以上が私の正体とマコト殿との関係だ」


「まさか皇女さんだったとは…」

「そ、その早とちりしてすみませんでした」


実は皇女でした。というオチに悠一は若干驚く。その横で冷静になった優樹菜は慌てて謝っていた。


「ああ、そういうの辞めくれ。私固苦しいの嫌いなんだ。

それよりマコト殿は大丈夫なのか?」


「それは…」


優樹菜達は事情を説明しつつベットの方へ移動する。ベットの上では真琴が苦しそうに顔を歪めていた…



〇〇マコトside〇〇


…また真っ暗だな


真琴は気が付くと真っ暗な空間にいた。

いつかと似たような空間だ。

とりあえず前へと進む。

すると前方から光りが近づいて来る。


(うおっ!何だ!?)


考える間も無く光りへ呑み込まれた…




『早く君の体をちょうだい』




…目を開けると父さんと母さんがいた。食卓に座っている。

そして僕も座っていた。


(え?何で二人が!そんな…何故!?)


真琴は一気に混乱する。

しかし意思に反して体は勝手に動き皆は楽しそうに話しながら時間が過ぎてゆく。

どうやら子供の頃の記憶を自分自身の目を通して覗いているようだ。


唐突に場面が変わった。

さっきと同じとは思えないほど散らかった部屋

枠が外れながらも燃え続けるストーブ

何かを喚き叫ぶ父さん

僕を背中へ隠しながら必死に謝る母さん


(こ、れは…だめだ…だめだだめだだめだだめだだめだ!動くな!出て行ったらだめだ!)


だがまるで真琴を嘲笑うかの様に体は勝手に動き、父さんの前に飛び出した

そして、涙ながらに叫んだ


「母さんを虐めないで!父さんは強くなかったの!?何で?何で叩くの!?やめてよ!酷いよ!」


と。

子供なりの考えで母さんを守ろうと必死に父さんへ向かって叫んだ。


そして父さんは何かを喚きながら僕の首を掴むと僕をストーブへ叩きつけた。

とたんに衣服に炎が燃え移る。


母さんは悲鳴を上げ僕を助けようとするが、父さんはそんな母さんの首を掴み僕の目の前で絞め殺した。

僕は次第に力の抜けていく母さんを黙って見ている事しか出来なかった。

そしてその後に父さんは体が焦げている僕も殴り出した…


霞む視界の中で真琴は必死に母さんを呼び続ける。


(くそっ何で!母さん!母さん!母さん!!)


必死に母さんへ手を伸ばす。動かない身体の中で何度も、何度も…

そして意識を失った…


ごめんなさい…母さん…


〇〇〇〇〇


「…ことくん!真琴君!」


「はっ…!?」


目を覚ますと泣きそうな顔で僕の名前を呼ぶ優樹菜がいた。

その後ろには同じく心配そうな顔でこちらを見る悠一、優衣、ルーン殿下がいた。


「あ…れ?優樹菜…?なんで?ここは?」


「真琴君!大丈夫!?

此処は真琴君の部屋だよ。倒れたの覚えて無い?」


真琴が目を覚ました事に安堵しつつ質問に答える。


「…あ、そうか倒れたのか。あっ、ごめん心配かけたよね」


現状を理解すると共に今更ながらに自分が泣いていた事に気付き慌てて涙を拭う。


「え、あ、大丈夫だよ。それより真琴君、おか…顔色悪いけど大丈夫?」


一瞬優樹菜が何かを聞こうとしたが結局言わず、体調の事を聞いてきた。


「あ、ああ大丈夫だよ。ありがとう。

…ところで何で皆僕の部屋に?あと、ルー…使用人さんは何故此処に?」


と、疑問を出すとルーン殿下はいまだに心配そうにしつつ優樹菜達には正体をバラした事を告げ


「…それと顔色があまり優れない様だから、今日のお茶会は辞めておく。代わりは多分明日か明後日ぐらいになると思うから準備しておいてくれ」


「あ…いえ、しかし殿下。私は魔力が無いそうです。恐らく勇者にはなれないかと。そんな者が茶会など…」


と、事実を告げる。

それを聞き優樹菜達は不安そうに顔を見合わせた。


「また口調が戻ったな。それと勘違いしている様だから訂正するが私たちは勇者の代表を呼んだのでは無く、マコト殿を呼んだのだ?じゃあそろそろ戻る。準備しておけよ?」


そう明るく言うと出て行った。


「それで、真琴…本当に大丈夫なのか?」

「ああ、大丈夫だ。ただちょっと疲れただけかな?ごめんね。心配かけて」

「なーに言ってるのよ。友達なんだから当たり前でしょ?とりあえず今は休みなさい」


真琴がすまなさそうに謝ると優衣がそう返した。


「じゃあお言葉に甘えさせてもらうよ。皆ごめんね心配かけて」

「全然大丈夫だよ。とりあえず真琴君はしっかり休んでね。いい?」

「そうだね。そうさせてもらうよ」


そして、優樹菜達は真琴の部屋を後にした。




「はあ…何で今更あんな夢を…

もう大丈夫だと思ってたのに…」


真琴は一人部屋で膝を抱えてうずくまった

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