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第11話 いつ寝られますか?


「…ちくしょう。もう朝かよ」


何故か力が入らず重たい体と残念な気持ちを引きずりながら真琴は椅子から体を起こした。周りを見るとソファーの上で豪快に眠る悠一と、ベットの上で少し狭そうに眠る優樹菜と優衣がいた。

昨日は優樹菜達に大まかな事情を説明し(皇女の事は伏せたが)何とか納得してもらえた。やはり皆疲れていたのだろう。少し話していると皆寝てしまった。

…僕の部屋で


(いやいや。優樹菜と優衣は無防備過ぎでしょう)

もちろんそんな気など毛頭無いのだが。とりあえず体調を崩してはいけないので女性優先で優樹菜、優衣をベットへ運んだ。


(…流石に悠一もベットって訳には行かないよな)

そう考えとりあえず寝られそうなソファーへと運んだ。


ここで1つ問題が発生した

(…しまった!僕どこで寝れば…)

今更だが、この部屋には机、椅子、ソファー、ベッド、小規模なキッチンが、それぞれ1つづつ置いてある。そして部屋は洗面所、トイレ、リビングの3部屋である。確かに1人部屋ではかなり上等な方だろう。

(でも流石に四人はきついよな…)


そして考えた末、学校でやるように机に寝そべって寝ようとしたが、高さなどが違った為あまり眠れず気付けば朝。


そして冒頭へ戻る。




(あー…どうしよう。眠たいけど寝れないな。まぁそのうち優樹菜達も起きるか)

そう考えとりあえず眠気を覚ます為洗面所へ向かう。そうしているうちに優樹菜と優衣が起きて来た。


「ふぁ…あれ?ここどこだっけ?」

「えーと…昨日あれから…何故にベット?」


などと記憶喪失まがいの事を言っているのでとりあえず事情説明に真琴は向かった。


「やぁおはよう。二人とも。とりあえず昨日の事は思い出せた?」

「あ、あれ?な、何で真琴君が!?」

「え!?…え?……あ、えーと…ごめん?」


優樹菜は混乱して顔を赤くしながら後ずさる。

優衣も始め驚いていたが次第に理解出来たようで申し訳無さそうに謝ってくる。

(いやいや優樹菜さん。そんな心配しなくとも何もしてませんよ)

と、心の中で弁解してから昨日の優樹菜達が寝てからを語った。


「…だから優樹菜達はそこで寝ている。自分の状況理解出来た?言っておくと本当に何もやましい事はしてないよ」


と、無実を訴えつつ事情を説明する。ここまでくると優樹菜も状況を理解したようで優衣と二人で申し訳無さそうにベットに座っている。


「えーと…ごめんね。ベッドで寝ちゃって。真琴君寝られ無かったよね」

「まぁ一応寝たから大丈夫だよ…とりあえず優衣。彼氏起こしていい?」

「か、彼氏って…あ、ごめんちょっと待ってて」


優樹菜にも理解して貰えたようなのでとりあえず優衣に悠一を起こして良いかを確認する。すると優衣は彼氏と聞いてちょっと顔を赤くしたがソファーで豪快に眠る悠一を見ると途端に冷静な顔をして起こしに行った。

(悠一、ドンマイ)


「さ、優樹菜とりあえず顔洗ったら?」

「あ、うん。そうするね。ありがとう」


少ししてソファーの方から誰かの悲鳴が聞こえたが気のせいだろう…多分。とりあえず全員身支度を整える。

(その後改めて3人に謝られたが)


しばらくすると使用人の人が朝食が出来たと呼びに来て貰ったので皆で行く事にする。使用人の人は部屋から四人出てきたのでとても驚いていた。


僕達が食堂へ行くと既にほとんどの人達が集まっていた。何人かと挨拶をしながらカウンターへ向かう。

(どうやら昨日夕食もあったらしいが体調を崩していた事になっていたようで皆に体調を心配された)

バイキング形式だったので各々食事を取ると席へ付いた


友人達と話していると兵士さんが来てこの後大広間(昨日いた場所)へ来るように皆に言った。


「なあ、真琴。何があると思う?」

「工藤君何か気付いた?」


などと周りの人に聞かれる

(いや、知らないよ。てか何で僕?他の人に聞いてよ)

寝不足のせいか頭が痛い。気分は絶賛急降下中である。とは言えず適当に流しながら大広間へ向かうと皆もそれに習うように席を立つ。

(あー…やっぱり代表だからかな。あんなの押し付けられただけだから僕は普通の一生徒なんだけどな…)

などなど、今更な事を考えて真琴は軽くげんなりとした。



…それを何人かの生徒が気にくわなそうに見ていた。




そして大広間へ行くとあの司祭と数人の男性が立っていた。

(げっ、またあのおっさんか…)


「おはようございます勇者様方。本日は魔力を測定させて貰う為に呼ばせて頂きました。そうお時間は取りませんのでどうかお付き合い下さい」


と、司祭が言うと複数人の男子生徒が一気にテンションを上げた。そこら辺で魔力だぜ?などと会話が交わされる。それを見て司祭は満足げに頷きつつ背後からスイカぐらいの水晶玉を取り出した。


「今からこれに触れて頂きます。これは魔力が強いほど強く輝く水晶です。では1人づつお願いします」


その言葉に男子達数人が司祭へと駆けて行った。それを追うように皆が列を作り出す。そして生徒が水晶体に触れると水晶体はとてもまぶしい光りを放った。その反応に周りの人々が驚きの声を上げる。司祭は満足そうに笑いながら次々に水晶体へ触れさせてゆく。そして真琴の番になり真琴は水晶体へ触れたーー



…だが、水晶体は何も反応しなかった。



周囲が怪訝そうな顔をする中、水晶体を変えて同じ事をする。だが、僅かに光っただけで再び何も反応しなくなった。それを見て司祭は口を開くと馬鹿にするようにこう言った


「はぁ…どうやらマコト殿には魔力がほとんど無いようですね」


まるで鬼の首を取ったかのようなドヤ顔が隠せてないですよ?


とにかくその司祭の言葉を聞き、まず周囲の男たちが騒ぎ出す。

曰く勇者代表のくせに魔力が無いとは何事か。魔力が無ければ契約も出来ないでは無いか。と


それを聞いて以前から真琴を良く思って無かった良太たちも真琴を罵倒する流れに加わる。周囲から罵倒を浴びせられる中、真琴本人は、


(あーそうか、魔力無いのか。僕)

と、ファンタジーな事が出来ない事に地味に傷つきながら

(とりあえず寝させてくれないかな…体が重たい)


…と、休憩を求めていた。

(大体何だ?朝から全く力が入らないぞ?)

ちなみに周囲の言葉は聞き流しており全く耳に入って無かったりする。


(あぁ…しんどい)

遅くなってすみません


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