第9話 少しは休ませて下さい
すみません
少し遅れました。
(くそっくそっくそ!何であいつばっかりなんだ!?
あいつの何が良いって言うんだ!?)
そう心の中で悪態をつきながら佐上良太はその取り巻き達と部屋へ向かっていた。
(大体あいつは何なんだ!代表だなんだと急にでしゃばりやがって…!)
更に身勝手な事を考え良太は怒りを募らせてゆく。余談だがもしこれを真琴が聞いていたら喜んで代表を譲っていただろう。
それはさておき、第3者からしたら良太が代表に立候補すれば良かったのにと言うだろう。
だが良太はそれが出来なかった。
要は責任を取るのが怖かったのだ。だから真琴が代表になり優樹菜が副代表になった時は真琴が交渉に失敗したらそれをネタに真琴の評価を落とそうと考えた。
そしてあわよくば自分が代表を取って変わろうと考えていた。
だが蓋を開けてみればどうだろう?真琴は交渉を上手く進めただけで無く、国王にも気に入られ優樹菜にも気遣われているでは無いか。
…要は自分が出来なかった事を成し遂げた真琴に嫉妬しているのである。(しかも無意識にしているので余計に質が悪い)
そして、その事実に気付かず良太は発散しようの無い怒りを更に募らせてゆくのであった。
〇〇真琴side〇〇
世話役の金髪のとても綺麗な顔をした女性に付いて行き真琴は部屋へ案内された。
最初、世話役が付くと聞いた時は何で女性なんだ!?と思いつつ断ろうとしたが(何故か後ろの優樹菜の視線が痛かった)規則ですのでの一言で押し通され現在に至る。
ちなみにその時には既に他の人達は部屋に向かっておりほとんど居なかった。
一応1人につき1人づつ世話役が付くそうだ。
(しかし何故世話役が異性なんだ?他はどうなっているんだ?
ここで惚れさせて寝返りにくくさせるためか?)
などと考えながら歩く。
(だがこの人は多分…)
と、前を歩く人を見てある可能性を考え少しげんなりする。そうしているうちに部屋へ着いたようだ。
一言で表現するならめっちゃ豪華でした。何これ!?ちょっとした高級ホテルじゃん。と、驚きついでにベットへダイブしてしまおうかと思い、
(いや、その前に…)
真琴は後ろの世話役の人へ向かって声をかけた。
「そろそろ貴方の正体を教えてもらえませんか?」
「…私はただの世話役ですが?」
彼女は少し驚きつつ努めて冷静に返す。
「それは無いですね。まずこんな大量の人数に世話役の数が合うはずが無い。恐らく世話役の話自体が嘘なのでしょう。それに貴方の歩き方にはスキがあまり無かった。しかし服が着慣れ無いのか動きが少しぎこちない。特に肩の動きが。
…あとは貴方がとても美人だった事ですかね。
以上の理由から貴方は上の身分の人ですが何か目的があって普段着ないようなメイド服で変装までしてここまで来た、とういう仮説を立てました。違いますか?」
と、最後にお世辞を入れつつ(美人のところで彼女は赤面していた)僕が説明すると彼女は呆気に取られたような顔をして、それからクスクス笑いながら扉を締め中へ入ってきた。
「まさかこんな僅かな時間で見破られしまうはな。貴方すごいな、仮説は全てその通り。ただ少し惜しい。95点と言ったところかしら?私の身分は上と言うより頂点だな。改めて自己紹介するわ。フォード帝国第一皇女ルーン・フォード・ケーニヒ。ルーンって呼んでくれ」
最後に可愛らしいウインクを残して自己紹介は終わった。
(…はぁ!?皇女!?つまりあの国王の娘か!)
上の身分の人とは考えていたがまさか皇女様が出て来るとは…
はっと意識を戻すと彼女…ルーン皇女はとても面白そうに笑っていた。恐らくいたずらが成功して嬉しいのだろう。
そして僕はとても間抜けな面を晒していることだろう。
「…ゴホン。これは失礼しました。皇女殿下」
「ルーンで良いぞ?勇者マコト?」
「勇者は辞めて下さい」
「なら貴方もルーンって呼んでくれ」
「…ではルーン殿下と。それで、ここに来られた目的は?」
ルーン殿下は名前に付いてまだ不満そうだったがとりあえず話を進める。
「お父様からの伝言と個人的に貴方に話があったから。どっちから聞きたい?」
「…それでは国王様の伝言から」
「あら?私の話は聞きたく無いのか?」
と、ルーン殿下がからかって来たのでお返しとばかりに
「いえいえ。私は好物は最後まで取っておく性格ですので」
と、返すとルーン殿下は意味を理解すると同時に顔を真っ赤にした。
(案外流され易いな)
と、失礼な事を考えつつ先を促す。
(何故か睨まれた)
「…んん。それでは伝言を伝える。『今日はよくやってくれた。明日は監視の目がある為、挨拶程度の話しかしないのでそこまで身構えなくても良いぞ』だそうだ」
「そうですか、それは少し安心しました。ありがとうございます。じゃ、今日は遅いからもうお帰り下さい。お休みなさい」
そう言って扉を開けルーン殿下を促す。
「あ、そうね。では私はこの辺でー…てなると思ったか?」
ちっ!ダメだったか。
諦めて扉を閉め、改めて向かい合う。
「はぁ…失礼しました。それで、要件は?」
「皇女の私をここまでコケにしたのはマコトが初めてだな。まぁ良い。実は謁見は私も裏で聞いていていてね。それで貴方個人に興味があるのよ。少しお話ししない?」
と、良く分からない事を言いだした。
(勘弁してくれ…もう寝たいんだよ)
「…僕にですか?そんな興味を持ってもらう様な事はしてないですけど?」
「そんな嫌そうな顔しないで。あの教会の司祭にあそこまで対向してたのは素直に凄いと思うわ。今回のはあなたが思っているよりもとても大きな事なのよ」
…少し話を聞くか。ルーン殿下に椅子を進めつつ質問してみることにした。
どうやら夜は長そうだ。
ストックが無くなってきたので4日前後の更新にしたいと思います。
すみません。
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