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1話 貯金箱

新年早々、1円玉は貯金箱という業務についた・・。

1円玉 

「ちょっと暗いのでわかりにくいですが、結構空いてますねー・・1円以外の方っていらっしゃいます?」


他の硬貨達

「ザワ・・・・・・ザワ・・・・・・」


1円玉 

「あっ・・いないですかー・・ですよね。

入ってきた時の音の感じだと1円しかいませんでしたよね・・」


昭和58年1円

「オイ、新入り・・・・お前、31番目だぞ・・ちなみ俺は昭和58年生まれな。」


1円玉 

「あっ、初めまして・・自分、元年なんで大先輩ですね、31ってことは結構かかりそうですねぇ。」


昭和58年1円

「俺、4年近く居るんでねぇーか?大分かかるぞ・・。」


(35日後・・・・貯金箱が揺れた。)


1円玉 

「あっ・・・・・・。」


    

新人 

「(女の子の声)キャッ・ちょっ・違う・・。」


(・・・・・・ジャラジャラ・・・・・・)

 

1円玉 

「イテッ・・・」


(1円4枚の音と共に大きな音と衝撃があった。)

 

1円玉 

「あっ・・最後の10円玉さんですよねー?」


新人 

「ちょっ・・マジうるさい・・。ってか暗くてみえない・・」


昭和58年1円

「10円さーん、お初です・・まだ10円さんまだ一人ですけど、よろしくお願いします。」


1円玉 

「よろしくお願いします!やっぱ重みがちがいますねー、アルミの自分たちには銅の重さはキツかったですよー。」


新人 

「ちょっ・・マジ言葉にならない、あたしが10円ならあなた達ホコリ以下よ・・」


昭和35年1円

「あんたメダルでしょ・・・銅のニオイじゃない。」


新人

「ちょっ・」


昭和58年1円

「さすが親方・・」 


1円玉

「あぁー!!」


平成5年1円

「あぁ~。メダルさん・・ここ貯金箱ってお金しか入れないっつーか意味ないっつーか・・」


平成8年1円

「店出ちゃったらきっと戻れないですよー、スロットですか?ゲーム機ですか?」


1円玉

「なんか重いと思いました~メダルさんも大変ですね・・」


新人 

「ちょっ、アンタ達1円と5円しかいないんでしょ・・」


昭和35年1円

「5円なんていねー・・」


新人 

「うるさい・・信じられない、500円硬貨もわからないなんて。」


昭和58年1円

「オメー暗いからってウソついてんだろ、500円なんて入ってこねーよ。」


新人 

「あたし、ここにいたくない・・出して。」


1円玉 

「あっ俺も出たいです・・。」


500円

「だまって・・あたしはこんな所にいるべき硬貨じゃない・・」


平成5年1円

「あっお金なら貯金箱に居てもOKですよー!」


500円

「ちがう・・あなた達と役割が違う・・。」


昭和35年1円

「いーっしょだ!」


500円

「これだからゆとり教育は・・」


35年1円

「昭和35年卒業だ・・。」


500円

「うるさい・・アンタなんていくら価値がついても50円程度よ。」


58年1円

「お前は、30円・・・・」


500円

「意味わからない・・500円硬貨って言ってるじゃない!」


昭和58年1円

「オイ・・1円玉・・!500円の原価知ってか?」


1円玉 

「1円が約3円のコストなので・・500円は1000円くらい?」


昭和35年1円

「約30円・・・・・・」


1円玉 

「えーっ!500円の原価が30円・・!」


500円

「そういうのいらない・・・・。」


昭和35年1円

「500円ちゃん・・・・いい加減にしなさい。

今の500円ちゃんははたして500の価値があるかい?私は色々な硬貨達とふれあってきたがアンタみたいな硬貨は・・」


500円

「あるわよ・・!500円は500円よ!古くなっても・・汚れても・・私たちの価値は下がることないわ!」


1円玉

「500円ちゃん・・僕たち1円は約3円の価値があるんだ・・・・

でも3円だなんて言ったりしないし、3円のフリもしない・・・・

それに比べて500円ちゃんは・・・・」


昭和35年1円

「1円玉・・残念だが500円ちゃんの言ってることは間違ってはいない・・・・

俺たちは今まで通り1円として・・・・

そう・・1円として謙虚に生きていこうじゃないか。みんな聞け・・

人々は500円がなくてもガッカリしない・・

でも我々1円がないと必要以上に探してくださりガッカリしてくださるのだ・・。」


貯金箱総勢35枚の1円

「親方ーっ」


500円

「500円硬貨があると嬉しいけど1円玉はたくさんあってもウザイだけじゃない・

ってかあたしどーすんのよ・・・」


1円玉

「ちょっ・・・・


『つづく…』


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