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第2話:エルフとゴブリン

 村へ向かう道中、不意に悲鳴が響いた。


反射的に足を止め、声の方向へ視線を向ける。


そこには、倒れかけた荷馬車と、三体の小柄な影があった。


顔色の悪い子供――いや、違う。


ゲームやアニメで見たことのある存在。

ゴブリンだ。


(このままだと、あの子が……)


ゴブリンはしゃがれ声で何かを喋り、下卑た笑い声をあげていた。 言葉は通じそうにない。


俺は息を殺し、荷馬車の陰に滑り込む。

荷物をかき分けると、一振りの剣があった。


――使ったことなんてない。


だが、他に選択肢はなかった。


背後から、思い切り突き刺す。


手応えがあった。


だが、剣が抜けない。


「助けて!」


女の子の悲鳴。


焦りに駆られ、俺は動かなくなったゴブリンを蹴り飛ばし、無理やり剣を引き抜いた。


2人目のゴブリンは女の子に襲いかかろうとしていた。

女の子はゴブリンに追い詰められ、後退りしている。


 俺は渾身の力で剣をゴブリンに後ろから殴りつけた。


 扱いが下手な分、スパッとカッコよくは斬れなかったが力任せに叩きつけた。


ゴブリンは倒れ伏して痙攣し、動かなくなる。


 最後の1人に後ろから俺の右足を棍棒で殴りつけられた。


右足に鈍い痛みが襲う。


(折れたかも……)


 俺は振り向いて最後の1人も突き刺した。


気づけば動くゴブリンはもういなかった。


 生き物の命を奪った取り返しのつかない事実が今頃になって押し寄せ、手が震えて剣を手放せない。


それに生き物を殺したのはこれが初めてだった。


 酷い罪悪感に心が蝕まれる。


 俺は、自分が何をしたのか理解したくなかった


 それでも女の子の方を見る。


「大丈夫か?」


俺は女の子に声をかけた。


「あ、ありがと…きゃあああ!!」


 俺を見るなり女の子は悲鳴を上げ、腰を抜かした。


 彼女の瞳は完全に“人間”を見る目ではなかった。

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