「完結ブースト」を起こす条件とは?
【完結ブースト】なろう投稿者なら、誰もが一度は憧れる魅惑のガチャ。
……ガチャ?
実際のところは、ガチャではない。
おそらく、これには「ブーストがかかる条件」がある。
少しくらいの評価点の加算なら、全ジャンルで起こり得る。だが、やはり異世界恋愛やハイファンタジーのジャンルなどでは、それが発生しやすいようにも見える。
作品を完結させると、なろうのトップページの『完結済みの連載作品』の新着に、自作が表示される。筆者は連載途中でも何でもかまわないのだが、中には「完結が確定している作品しか読む気はない!」という意固地な読者もいる。そんな彼らをもゲット出来るのが、この『完結済みの連載作品』の新着欄である。
―― では、本題。
ここからは、筆者の思いつく限りの「ブーストの条件」を書いてみよう。
【一定数以上の読者が、すでにいること】
話数の多い連載作品ほど、おそらくこれが大事。100話を超える話数で、3ケタ未満のポイント数は、さすがに触る気がしない。逆に短い話数で3ケタを軽々突破している作品は、有望にも見える(この数字は、ジャンルによっても変動)。
【最初の5~6話の完成度】
いつだってそうだが、新規の読者は「最初から」読み始める。「渾身の最新話」が書けたからといって、新規には関係がない。読むのは必ず冒頭からだからだ。―― とすると「新規のブックマークを獲得するポイント」はどこだろう。
人気作では、1ユニークアクセスあたりの平均PV数は「8~9」。超人気ともなると「10」を超えてくる。総合獲得ポイントは低いながらも、この数字に近い作品は「ポテンシャルがある」とも言える。しかし、平均が3~4でうろついている作品は、物語の序盤に「読者が離れる穴」があることを意味する。フィナーレを迎える前に修正しておきたい部分である。
【最終話の投稿の時間帯】
これも大事。投稿が殺到する時間帯は、完結作品でも、それだけ新着の「トップページに滞在する時間」が短くなる。作品の性質も考慮しつつ、昼帯なのか、深夜帯なのか、自作に合った「投稿数の薄い時間帯」を狙うのがベターか。
加えていうなら、総合ptの高い完結作品の直後には、ぜったい投稿しないこと。比較した時に、自作の数字が大幅に見劣りしていると、読者の大半が、そちらに流れる。
【最新話付近のリアクションの数】
これは既存の読者が、すでにどのあたりまで読んでくれているのかの参考になる。話が進むにつれ、リアクションの数は減少していく傾向にあるが、それでも一定数いる作品は強い。そのあたりの読者が完結を迎え、いよいよ作品評価の審判を下してくれれば、ブーストの発火剤にもなりえるだろう(すでに序盤から評価を入れてくれている可能性もあるが)。
【宣伝も忘れない】
書き上げと同時に、完結で得た経験をまとめたエッセイなんかも投下すると良い。エッセイにはもちろん実際に完結させた作品の紹介と導線(Nコードやリンク)を張っておく。スピンオフ短編を投下し、本編に促すのも悪くない。間口は多い方が良いに決まっている(SNS等でも熱心に宣伝している作家もいるよね)。
―― 筆者が思いつくのは、こんなところか。
「爆跳ね」を期待するなら、「日間総合50位以内に入ること」という人気作家のいうことは他人事としても、せめてジャンル別の日間トップページには食い込みたい。不人気ジャンルならトップ3? 直近の動向も見極めつつ、必要獲得ポイントが狙えそうな気がしたあたりで、最終話を投稿するのが正解か。
PV数が増えただけでは、まだブーストとは呼べない。
単純に新着の「トップページ滞在時間」が長いから起きている現象なので。
しかし、そこで「初めて読んでくれた読者」をいかに掴むかが重要。
PV数が通常の10倍なら、それは最終話1回の投稿で「10話分の新規ガチャ」を引いているのと同じだからだ。
これは「10話投稿あたりの平均獲得評価ポイント」の加算が見込めるガチャで、この数字と既存の読者たちが「完結ご祝儀」で付けてくれるポイントの「合計」が、翌日の各日間ランキングに影響し、爆跳ねとなるかの正否を分ける種火となる。―― そんなところか。