好きだった幼馴染に嘘告され『あんたなんて別に好きじゃない。もう二度と話しかけないで』と言われたので言われた通りにしたら泣いて謝ってきたけどガチのマジでもう遅い
「久しぶり、祐也」
"……来たんだ? 何の用?"
「……あの時はごめんなさい」
"今更謝られても遅いよ"
「……祐也ごめん、ごめんね。私が悪かった……だから帰ってきて……お願い……」
俺は目の前で泣き崩れている幼馴染、山梨 香夜を見下ろしながら鼻を鳴らした。
"ふんっ、俺にあんなことしといてよくもそんなことが言えるな"
「……ぐすっ……私、祐也にひどいこと言っちゃった……あんなこと本当は思ってなかったのに……」
そう、この女は俺に取り返しのつかないことをしたのだ。
◇
俺は香夜が好きだった。
両親を小さい頃に亡くし友達があまりいなかった俺の傍にずっといてくれて優しい彼女が好きだった。
幼馴染として何年も一緒にいたが年々膨らんでいく想いについに耐えきれなくなり、そろそろ告白しようかな~なんて思っていた。
そんなある日。
『祐也、ちょっと話があるの』
そう言って俺は香夜に呼び出され、そして俺は彼女に告白された。
実は両想いだった事に俺は驚きながらも即OKしようとした。
だが──
『う、嘘嘘! 別にあんたのことなんて好きじゃないし! てゆーか仲良いと思われるの嫌だからもう二度と話しかけないで!』
香夜は真っ赤な顔で俺にそう言った。
俺は自分の心にヒビが入る音を聞いた。
『……わかった、もう話しかけないよ』
そして彼女の望み通りもう二度と話しかけないようにした。
だというのに──
「祐也ぁ……ごめんなさい……ごめんなさいぃ……私、告白したけど断られるのが怖くて……凄く恥ずかしくて……素直になれなくて、ごめんなさい……」
香夜は今こうして俺の目の前で泣き崩れている。
"もう遅いんだよ、なにもかも"
そう、もう全てが遅い。
取り返しがつかない。
俺達の関係が前のように戻ることは絶対にない。
「……祐也お願い、帰ってきてぇ……!」
"無理だ"
「……帰ってきて゛よぉ……!」
"……もう無理なんだよ"
言いながら俺は香夜に手を伸ばす。
その手はなんの抵抗もなく香夜の体をすり抜けていった。
"…………だって俺、もう死んじゃってるんだから"
俺の遺影に向かって泣き叫んでいる幼馴染を見ながら、俺はそう呟いた。
もう遅い系がガチでもう遅かった場合を書いてみたかった。