第22話 ほぼ700~1000均!?俺たちのオアシス均がっ!それはただの普通の店だ!
――――事件は2月14日バレンタインデーに起きた。……てーか4話から21話ドーコイッタァッ!!!
「大変だぞリード!」
そのまま始めるの?ねぇ始めるのかな聖女コーデリア。
「向かいの空き地に100均ができたぞ!」
「何だそれか。俺としてはこの世界にはさまざま100均ができて欲しいと思っているんだ」
地球でもいろいろなメーカーがあったしな。
「違うんだ……やつら……700~1000ゴルゴルで売ってやがる」
「何……っ、だと!?」
まるで主人公が仲間パーティーから裏切られてダンジョン最下層に落とされたかのような衝撃……っ!いやそんなことにはならないだろうが。むしろそんなことがあったら魔王ダークドラグーンと勇者ブレイクが血相を変えてダンジョンの奥底まで追い詰めてくるだろう。
『くまちゃんのおニューのリボンが欲しいんだ!』とか言って。
いや実際にあったけど。勇者を雇ってることに嫉妬した王国が俺のことダンジョンの底に落としてブレイクとダークドラグーンがくまちゃんのリボン叫びながら血相を変えてやって飛び込んで来たけど。
因みにその後、王国国王は魔王ダークドラグーンに国主とは何かについて48時間一睡もせずに説教されたらしい。
そしてブレイクはそのげっそりとした国王の顔を見て二度とするなと約束させて許したわけである。むしろ魔王に説教されるのはこれで勘弁と土下座されたわけである。今ではすっかり心を入れ替えたそうだ。
ついでに48時間のお説教を終えた魔王はいやにつやつやした肌をしていた。いや、元々きれいな顔だったな。
因みにここはどんな種族でも気兼ねなく訪れることのできる冒険者ギルド運営ダンジョン都市。それなりに栄えているので商売にも願ったりかなったり。
だから100均が流行るのはいい。それは問題ない。しかしながら……。
俺はブレイク、ダークドラグーン、コーデリアと一緒にくだんのほぼ700~1000ゴルゴル均を訪れた。見ればやはり……700~1000ゴルゴル均らしい。
「やい、お前ら!100均を語っておきながらこのゴルゴル設定は何だ!こんなの俺たちのオアシス100均じゃねぇっ!!」
「ふん……何を言うかと思えば」
出てきたのは谷間が豊かな妖艶な魔族であった。
「おい、貴様リード。鼻の下が伸びているぞ」
「何言ってんだコーデリア、あれは胸筋、あれ男だろどう見ても」
せっかくの妖艶さなんだからせめて脛毛……剃ろうな?まぁ脛毛フェチもいるだろうがせめてタイツ穿こうか?
「なん……っ、魔族よくワカラナイ!!」
それはコーデリアの脳内が心配になってくらぁお前らの実家の近所のお兄さんとしてはな……!!
同じヒト型!違うのは頭の角と尻尾とか肌の色とか!魔族にも種系があるが男女の差はわりと分かりやすいぞ!
あぁでもこの聖女……魔王四天王紅一点アダマンタイナ姉さんのことをイケメンだと思い込んでたな!?アダマンタイナ姉さん結構な美女でメロン級だったけど!
「ふん……何を分からんことを……ここはね……100均じゃない!500均だよ!!」
「バッキャロオオオォッ!!そうだとしてもほぼ700~1000ゴルゴルだし、均一じゃないし、コインは100ゴルゴル通貨3枚までがセオリー!500均はカプセルおもちゃだけにしなさい!それと…、これはすでにただの店だ!!」
「ギャアァァァァッ!!!」
500均……敗れたり。
「そう……言うと思うたかぁっ!!目にもの見せてくれるわ人間のくせにぃっ!!」
「じゃぁ魔族ならよいのか?」
あ、そう言えばこちら側に魔王ダークドラグーンがいたな。
「ヒイィッ魔王さま!」
「ふむ……貴様。500ゴルゴル均一を掲げておきながらほぼ700~1000ゴルゴルで商品を売るとは……何と言う不始末。これはリードの申した通りただの店であるぞ!」
「ヒヒイイィお許しをおぉっ!」
「しかし我も鬼ではない」
ねぇ、さっきから思ってたんだけど、時代劇入ってない?ねぇ時代劇はいってるよね。見た目魔王さまなのに何でお代官さまやってんの?ねぇ。
「お主……ここで500均一カプセルおもちゃ屋を開くのだ……!我は……カプセルおもちゃとやらを、体験したい」
いや、魔王ダークドラグーン。それは体験するものではなく回すものだ。ま、詳細はアダマンタイナ姉さんに話せばいつものごとく開発してくれそう。お店のレジ打ち機械まで開発してくれたんだぜ?頼れるリケジョなお姉さん、素敵だ。別にメロン級谷間の話はしていない。メロン級谷間も嫌いではない。
「控えおろ~~~ぉっ」
それ最初に言うべきセリフでは?
「ははぁっ!!」
でも魔族店主ひれ伏してるし、まぁ何とかまとまったから……めでたしめでたしか。
そしてその後ダンジョン都市に無事にカプセルおもちゃ屋ができて、魔王ダークドラグーンがルンルン気分でカプセルおもちゃを回しているのは余談である。
【完】
「いや、完っつーか最初と真ん中ないんですけどー……」