黒子のバレー
夢を見ていた。温泉に行ってフライドポテトをつまみに発泡酒飲んでた。テレビではバレーボールの試合。彼女は「わたし、あれやりたいの!」と言った。僕は「無理だよ、だって君は小さいじゃないか」と言うと「レシーブなら自信あるなの!」「いやいや、あんなレシーブしたら受けた時も倒れ込んだ時も痛いよきっと」「じゃあやめるなの。痛いの嫌いなの」
「それに、黒子ならバスケなんじゃないかな?バレーより。知らんけど」「ばすけ?やっぱりわたしはバレーやりたいなの。諦めたらそこで試合終了なの!」
目が覚めた。驚いた。テレビの中の試合。アナウンサーの声。
「彗星の如く現れた黒子選手。スーパーレシーブを連発!この小さな名レシーバーに拾えない球はあるのでしょうか?」しかし黒子ちゃんの活躍虚しく試合は負けた。
それから僕はバレーボールの話題になる度に黒子ちゃんの事を話したが、誰も知らなかった。やっぱり僕以外には見えないんだ。
あれから黒子ちゃんが居なくなり、たった一日に充たない彼女との触れ合いが、僕には愛おしくてたまらなくて、胸が痛かった。
きっと愛想つかされちゃったんだ。僕が変わったら、彼女は戻って来てくれるんだろうか?
彼女を失った僕は、どこでも誰にも自分をさらけ出す事が出来なくなってしまった。