生存アレルギー
「自死」之は病への唯一つのエビペン
私は食うに困らぬ生活をし、偶に釣りをして娯楽に富んだ田舎の小金持ちの家に生まれた小餓鬼です、物心ついた頃より、この言葉を知ってより息苦しい、いや生き苦しいのです。
そのうち私は生における二ツ目の勤務地に通うようになり、「個」、これの物寂しさ、只之に恐怖する様になりました。
クラウン、これに尽きるのです道化を演じれど泣くことは許されずひたすら笑い笑わせる、そうせねば生きられるのです、そのうち他からの評価は異質となり、自己からは疎外感を感じ内外問わず孤独、虚ろ、それでいいのです、打楽器は空がなければならぬでしょう?
そして暮らした幾星霜、此れにおいて私は口にするのも烏滸がましい「はつ恋」を見出しました、はつ恋それこそ失恋に至る病なのです。
破られた初恋になんの意味があろうものか、それはさらなる空虚をもたらしました、そしていつしか息をすることすら忘れそうなほど伽藍堂になってしまったのです。
腹のなるほど空かしたならばその時カツレツなど腹を下してしまうでしょう腹は拒絶するでしょう、空虚を孕んだこの身の腹は遂に"生存"これを好中球の対象としたのです、腹が立って仕方ないのです、嗚呼!我が丸々と肥えた恐怖心!之により私は生存そのものをアレルゲンと判を押すのです。