結局、様々な要因を鑑みて、ポテトチップス製造会社がインボイス登録したけれど、それでも駄菓子屋は製造会社と取引しようと決めました。どうやら、製造会社の社長とは親友だったらしいです。
すると、納税の義務が発生するので、駄菓子屋は『益税』を得ることができていた免税事業者から、『益税』も納めなければならない課税事業者に転換することになりますね。
これで、『お金が足りなくて困っている』日本政府は当初の目的だった『取り零されていた財源からの収入増加』を達成することになります。
でも、駄菓子屋の納税額が急に倍となってしまっては可哀想なので、政府はインボイス制度を契機に免税事業者から課税事業者に転換した業者へ『消費税の負担を軽減する措置』を設けました。
これは、いわゆる『二割特例』と呼ばれます。
特例として、2023年から2026年の申告分までは、納めるのは消費者から預かった消費税の二割だけでいい、ということです。
つまり、ポテトチップスの話では預かったのが『18円』なので、新たに納めるのは『18✕0,2=3,6円』であり、結論として国庫に納められるのは合計で『11,6円』ということです。
これは、そのまま移行してしまうと新たな納税者から不興を買うので、緩衝材として本格的な収税間に挟んだのです。2026年には終わってしまいますが。
しかしながら、とはいいつつも、免税事業者にとってインボイス制度は害にしかなりません。だから、インボイス登録していない製造会社との取引だけをするのが一番の利益となるのですが、果たして本当でしょうか。
考えてみてください。皆さんが日本政府だとした時、『しっかり税金を納めている課税事業者』か『益税を着服している免税事業者』のどっちを優遇しますか。
つまり、そういうことです。僕の意見では、免税事業者はこれからもっと生きにくい時代を迎えることになると思います。
ですので、『二割特例』が使える今の内に課税事業者へ転換することをお勧めします。