☆第4話 インボイス制度の真なる目的に迫る
さて、前置きが長くなりましたが、結局はインボイス制度ってなんでしょうか。
まず、インボイスとは『適格請求書』のことで、インボイス制度とは『適格請求書等保存方式』のことです。
言葉は難しいですが、僕は『売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額などを伝えること』ことだと理解しました。
例えば、ここまでで話してきたポテトチップスの消費税率は8%ですが、同じ駄菓子なのに消費税率が10%である商品があるのを皆さんはご存知ですか?
消費税率10%が適用される特殊な駄菓子とは、『おまけ』が付いている駄菓子です。
駄菓子に付いている『おまけ』の原価が商品原価の1/3を占めていたり、『おまけ』が他の用途として資産価値があったりすると、駄菓子ではなく雑貨と見なされて消費税率10%が適用されるのです。
これらの定義を用いると、『ポテトチップス』は税率8%、『コンパスチョコ』は税率10%、『カラーペンチョコ』は税率10%、『ステッキチョコ』は8%、と税率が混同していてややこしいですね。
そのため、これまでは製造会社と駄菓子屋の間での伝達が不十分になってしまい、正しい消費税の納税額が算出できていませんでした。
しかし、『売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額などを伝える』ための『適格請求書』が交付されることで、事態の改善を図ろうとしているのです。
そして、このインボイス制度はもっと大きな問題を解決することもできます。それは、これまで納められなかった『益税』を減らす、ということです。
では、どうしてそんなことが起こり得るのでしょうか?