第8話「正門の戦い1 アルマvsアネゴ」
東王大学の正門近く、アネゴはチャラと一緒に獣魔軍と戦っていた。
アルマジロの魔人から、アサガオを取り戻す為だ。
「アサガオー」
赤いチャイナ服を来たアネゴは、襲って来る獣魔軍を次々と殴り殺していった。
大量のアルマジロックがアネゴを襲う。
アルマジロックは、アルマジロの2足歩行バージョン。
身体には大量の石が付いていて、防御力が高そうな見た目をしている。
チャラは、電気魔法を奴等に浴びせながら、必死に逃げている。
「逃げようっす、アネゴ」チャラは半べそをかいている。「死んじゃうっすよ」
「制服で征服。防御モード」
アネゴが、そう口に出すとチャイナ服は茶色に変わった。
「アルル!」と一匹のアルマジロックが、アネゴの腹を殴る。
アネゴは「効かねぇぜ」とにらみつけ。続けて「攻撃モード」と言う。
赤色のチャイナ服になったアネゴは「修羅破壊拳」とアルマジロックの腹に必殺の拳を放つ。
アルマジロックは、白目を向き爆散した。
制服で征服、それがアネゴの固有スキルだった。
赤、青、茶などドレスの色を変える事で、攻撃力を上げたり、防御力を上げたり、自分のステータスをいじる事が出来る。
格闘家にぴったりのスキルだった。
「アネゴ~。全員やっちゃって下さいっす~」チャラが懇願してきた。
死ぬんじゃねぇぜ、チャラ。
前を見ると、アルマジロの魔人が馬車のドアを開けて、アサガオを中に入れていた。
「アネゴの姉ちゃん、チャラ、助けて~」
アサガオが泣いている。
アネゴは、ダッシュし、アルマジロの魔人を後ろから殴る。
「マジジ。邪魔だど、お前、マジ」
魔人はこちらを向いてきた。
「返せだぜ、アサガオを!」アネゴは激昂した。「子供に手を出すなだぜ」
「マジジ。中々良い紋章を持っていたのでね、マジ」
「返すのか?」
「返さない、マジ」
「アタシは、アネゴ。アンタは?」」
「マジの名前は、アルマ・ジロー。獣魔軍の副団長《副軍団長》、マジ」
アルマはしゃがむとアリを1匹つまみ、食べた。
美味い、と呟く。「守る事、大好き。戦うの大嫌い、マジ」
アネゴは、構えた。
高そうな鎧を付けてて気になったが、副軍団長? かなり強いみたいだぜ。
まぁ、関係ないけど。とにかくぶっ潰す。
「いや、死んで貰うぜ」
と言うやいなや、アルマに突っ込んだ。
「岩壁の紋章、発動」
アルマが叫ぶ。「固有魔法、岩手拳」
アルマの周りから、手の形をした岩が生えてきた。
その手が、アネゴを襲って来る。
「オラ、オラ、オラ」
アネゴは次々と破壊していった。キリがないな。
下から手が生えてくる。
防御モード、と呟き、茶色のチャイナ服になってから、敵の攻撃を受ける。
ぐっ、重いだぜ! 血を吐き、地面に叩きつけられる。
これが副軍団長クラスか。
横目でチャラを見ると、アルマジロック達と戦っている。
一人で戦うしかないだぜ……。
「マジジ。守れ、守れ、マジを守ってくれ、マジ」
アルマは嬉しそうに笑った。
「マジマジ、うるせぇだぜ。スピードモード」
アネゴは青色のチャイナ服になると、全ての岩石の手を避けて、アルマに迫った。
「な、何という、スピード、マジ」
アルマは慌てた。「盛岡」と慌てて喋る。
アルマの体を地面から生えた岩の手が包む。
「あばよ、修羅破壊拳」
拳がアルマの周りを囲む、岩の手に当たる。岩の手が粉々《こなごな》になる。
「マジジ……」
奴は後方に吹き飛ばされた。口から血を吐く。
そこそこダメージを与えられたみたいだ。
攻撃モードで殴ってたら、いけたか?
「どうだぜ?」とアネゴは尋ねた。
「マジジ……、この程度か。お前の体力が尽きる方が先、マジ。」
アルマは自らをを岩の手でガードした。
更に岩で出来た手でアネゴを攻撃してくる。
一瞬、目の前の世界がぐらついた。クソ、メニエール病がこんな時に。
やっぱ強い敵と戦うと駄目だぜ、アタシ。
めまいの中、岩の攻撃を食らい、アネゴは空中に吹き飛ばされた。
地面に叩きつけられる。頭から少し血が出た。
はぁ、でも、おかげで頭の中がさっぱりしてきただぜ。
アネゴはスピードモードとささやいた。
青いチャイナ服になり、再び、岩の手を避けていく。
アルマの前に辿り着く。
「攻撃は最強の防御なんだよ!」
続けてアネゴは、攻撃モードと言い、赤いチャイナ服になる。
そして「修羅破壊拳・剛」と拳を叩きこんだ。
「ぐわば」
とアルマが絶叫しながら血を吐く。奴の体の岩が全部砕けた。
「からの、修羅絶空脚」
とアネゴは回し蹴り《まわしげり》をアルマの腹に食らわせる。
腹から大量の胃液を吐いた奴は、工学部の方に吹っ飛んで行った。
「アハハ。うるさいな」
4台の神輿から、中にいた奴等が続々と出てきた。
その中にいる白髪の美青年が、アサガオを左手で抱いている。
とんでもない魔力の量で、アネゴは膝から崩れ落ちそうになった。
何者なんだぜ、こいつ等。何者なんだぜぇぇぇぇ。
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