第7話「図書館前広場、大爆発。ブラックドックvs勉学戦決着」
図書館前の広場で、勉学はオリーブをかばい、ブラックドッグのバーストブレスを受けた。
爆音が鳴り響き、砂煙が辺りを舞う。
熱い! 熱い! 苦しい!
全身に痛みと灼熱の苦しみが回る。
クッソ、何でこんな目に合わねばならんのだ。
「あ、アンタ、何で」オリーブが唖然とする。
「フン。奴隷に死なれては困るからな」
勉学は強がりを言った。体はもうボロボロだった。
「早く乗らせてくれよ、お前ちゃんにさ。んで、ここら一体散歩するんだぁ」
フリーは下種な笑みを浮かべる。「見せてくれよ、屈辱の顔をさぁ」
「黙れ、カス。乗られるのは、お前だ」
勉学は人差し指をフリーに向ける。
「俺には、乗らせねぇチャンよぉ」フリーは周りを見渡す。「オラ、てめぇらも
戦えチャンよぉ」
応援にかけつけていた、ゴブリン達が勉学達を襲って来る。
お? こいつ等を使えば。ああして。こうして。よしっ。
勉学は、こめかみを右手の人差し指でコンコンと叩く。
「アナリシス・コンプリ―テッド。分析完了だ」
「何ちゃんだって?」
フリーは、ムチをブラックドッグに振るった。
「オリーブ、周りの雑魚を頼む」勉学は指示を出す。「後2分位で、あの2匹は死ぬ」
「わ、分かった」
オリーブはそう言うと、広場を囲んでいるゴブリン達に向かっていった。
ブラックドッグは、黒い閃光を溜め始めていた。
勉学は、まずムチをふって、襲ってきたゴブリンをぐるぐる巻きにした。
そしてブラックドッグの顔に向かって、投げた。
これで多分、あのゴブリンの恐怖はブラックドッグか、バーストブレスな筈。
「キィ、キィ」とゴブリンは慌てる。
「恐怖の館」と勉学はゴブリンの方に手をかざした
ゴブリンの頭が光り輝く。
「召喚獣ブラックドッグ、習得」と脳内声が述べる。
「うっし、Bパターンか」
喜ぶのも束の間、ブラックドッグが爆殺黒閃破を撃ってきた。
「とりま、召喚獣ブラックドッグ」
勉学が口を開くと、召喚獣ブラックドッグが現れた。続けて「お前は、ブラちゃんな」と言った。
呪文がブラちゃんに当たり、大炎上。突風が吹き荒れる。
「な、なんで、俺ちゃんの、ブラックドッグを」
フリーは少しパニック状態になっている。
「俺の能力は、コピー能力。相手の技をコピー出来る」
勉学は、フリーの方に駆けながら嘘ぶいた。
「な、何だと」更にフリーは動揺する。
勉学は、ブラックドッグに乗るフリーとの間合いを詰め
「食らえ、爆殺黒閃破」と右手を向け、大声を出した。
これでコイツが今一番、恐怖を感じているのはバーストブレスな筈。
「くぅ」
フリーは腕をバツ印にし、顔の前を防御した。
「パニックハウス。指定フリー」すかさず、勉学はつぶやく。
「爆殺黒閃破を習得」
脳内で声がした。
よし、よし! 闇魔法ゲット。いける、いけるぞ。
勉学の手から、黒い閃光が飛び出す。
「ま、マジで……」
言い終わる前にフリーにバーストブレスが炸裂。大爆発が起きる。
奴は吹っ飛び、辺りには煙が舞う。
「ブラちゃん。フリーに近付け。で、バーストブレスの詠唱」
勉学は更に指示を出していく。
「グルル」とブラちゃんは頷く。
「敵の能力、本当にコピー出来るチャンとは」
ボロボロになりながらフリーは立ち上がった。
そして、ブラックドッグに乗った。
「おいカス。そのブラッグドッグは、俺の召喚獣の方だぞ」
勉学は、フリーにアドバイスしてあげた。
「な、なに?」
フリーは、固まった。「う、嘘チャンだろう?」とムチを振るう。
しかし、何も起こらない。
「言ったろ、俺の召喚獣の方って」
勉学はニヤリとする。
これが貴様を倒す作戦。
煙の中で召喚獣ブラックドッグと貴様のブラックドッグを入れ替える作戦よ。
ハーハッハ。これで、何も出来んはずだ。ハーハッハッ。
「あ、あ……」
フリーは絶望の表情を浮かべた。
勉学はジャンプすると共に、賢者の杖を剣モードにした。
「賢王東大剣」
そう言うとフリーを真っ二つに切り裂いた、
「あぐば」と叫ぶとフリーは爆裂した。
「や、やたー」
ゴブリンと戦っているオリーブは歓声を上げた。
飼い主を失ったフリーのブラックドッグは、あわあわしている。
「放て、ブラちゃん」
と勉学は声を上げた。
ブラちゃんは、爆殺黒閃破を放つ。
ズドォォン。
と言う音と共にブラックドッグは、黒焦げ《くろこげ》になった。
「これが、オリーブ様の力よ!」
オリーブはガッツポーズする。
勉学は、召喚獣ブラックドッグを解除し、ブラックドッグの方へ走る。
続けて「ムーボ、ムーボ、ハツバク」と呪文の詠唱を始めた。
ブラックドッグも慌てて
「ムーボ、ムーボ、ハツバク」と唱える。
あばよカス犬、と言いながら、勉学はブラックドッグの口に手をかざした。
「爆殺黒閃破」
黒い閃光がブラックドッグの顔に炸裂した。
カス犬の頭は吹き飛んでいった。
ふぅー。マジで強かったが、何とか倒せた。
「う、嘘でしょ」
オリーブ、手をギュッと握る。「副軍団長を陥落させるなんて……」
「これが東大だ」と勉学はドヤ顔をする。
「アンタ、本当に、予言の戦士かも」
「ぐっ」とうめき、勉学は膝をついた。
「どうしたの?」オリーブが心配してきた。
な、何だこれは。体に力が入らん。息が苦しい。
「パニックハウスの代償ですよ……」
謎女の声が呟いた。
代償だと? 何だ? パニックハウスの代償は何なんだぁぁぁ。
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