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閑話 私達の冒険の、始まりの日。

いつもお読み下さり、ありがとうございます。


閑話その⑤です。


今回は、盗賊団【黒縄蛇】から救い出されたエルフの女冒険者、ミラの視点でお送りします。


お楽しみくださいませ。


m(*_ _)m



※末尾に、フリオール王女のラフデザインを掲載しました。

こんな雰囲気だよーってことが伝われば、幸いです。



〜 ダンジョン都市【幸福の揺籃(ウィール・クレイドル)】 〜


《ミラ視点》



本当に、此処が迷宮の中だなんて、信じられないわね……


上を見上げれば青い空。


穏やかな風が優しく吹き、白い雲はその風に乗って自由に流れて行く。


通り沿いには街路樹が整然と立ち並び、エルフの私でさえ知らないピンク色の花弁が揺れる。


大噴水からは清潔な水が止めどなく噴き出し、陽の光に虹を掛ける。


外と違うのは、ただひとつ。


これだけ自然に溢れていたとしても、此処には【精霊】が居ない。


でも、それも当然ね。

此処は彼が支配する、迷宮の中なのだから。


私達エルフは、精霊と共に生きる種族。


精霊の声に耳を傾け、魔力を対価にして力を貸してもらう。


それが、エルフのみが使える【精霊術】。


他種族が扱う魔法に似てはいるけど、原理が全く異なる力。


強いて言うなら、魔法とは『変換』で、精霊術とは『流用』。


魔力を自然現象に変換するのが魔法で、元の自然そのものを扱うのが、精霊術ってことね。


「はー、なるほどなぁ。確かにそりゃ、根本から違うな。」


私の説明に、この迷宮の主であるマナカが頷く。


「ん、待てよ?んじゃあ俺の隠蔽を突破したのって……」


「そう、それも精霊の力ね。精霊達は四大元素の根本、精素(エーテル)から産み出されると言われているわ。魔力の源である魔素に似たようなものね。似た性質を持っているから、より根源に近い精霊自身に魔力の隠蔽が効かないのは、当然よ。」


精霊術についての講釈を進めながら、街を歩く。


今日は、この街の拠点となる物件を探しに来たのだ。


「えー!正体知ってたなら、教えてくれても良かったじゃないですかー。」


「オレは別に、マナカさんが人間でも魔族でも、気にしないけどな。」


同行している虎の獣人のミーシャと、熊の獣人のベレッタが口々に言う。


「あの場で正体を暴露しちゃったら、余計混乱しちゃうでしょ?」


ただでさえ盗賊に暴行されかかっていたのだ。


そんな時に乱入した男の正体が、アークデーモンだなんて言ったら、どうなることか。


「オルテもそう思うわよね?」


経緯は違えど、同じようにマナカに救けられた人間の女性、オルテに話を振る。


「わ、私ですか!?えぇーと、確かに、救けてもらったとしても、警戒はしちゃうと思います。一応、冒険者ですし……」


ほらねと、不満顔のミーシャに振り向く。


もう、そんなにむくれないの。

ちゃんと正体を明かしてもらったんだから、いいじゃないの。


で、そんな話の渦中の彼はというと……


いきなり魔力を練ったりして、何をしているのかしら?


「ん?いやな、今の話で精霊ってのに興味が沸いてな。あれだろ?ウンディーネとか、シルフとか、そういうの。」


彼が口にしたのは、四大元素の大精霊達の名だ。


驚いた。


「大精霊様を知っているの?どうして?」


彼は未だ産まれて間もないと聞いた。


精霊と触れ合う機会なんて、無かったはず……


「まあ、前世でちょっとな。お、いけそうだな。」


そう彼が呟いた瞬間、魔素の濃度が高まり、凝縮され、その質を変えて……


「うそ……」


私の目の前には、途方もないほどの力を秘めた、4柱の精霊が宙に浮かんでいた。


その性質は、土、水、火、風。


四大元素の、それも大精霊と遜色ないほどの存在感。


「んー、元祖は既に居るらしいし、どんな名前にすっかなー。」


マナカは、この男は、大精霊クラスの精霊を、産み出したというのか。


「なあミラ。四大精霊って、ウンディーネ、シルフ、サラマンダー、ノームで合ってる?」


「え、ええ。それで合ってるわ。」


「そっか。それじゃあ、水の精霊は【アクア】。風の精霊は【ウェンディ】。土の精霊は【アルバ】。火の精霊は【イグニース】。それがお前達の名前だ。よろしくな。」


名付けと共に、精霊達はさらに存在感を増した。


喜びの感情が、私のエルフの耳に届いてくる。


更にはその感情の余波なのか、力が自然に波及したのか、周囲の風から、水から、土から、光から……


小さな精霊達が、次々と産まれ出てくる。


「すごい……」


大精霊の眷属誕生だなんて、たとえエルフの長い寿命でも、目にすることなどないだろう。


だというのに、目の前で繰り広げられるこの光景は。


「なんか、マナカさんの周り、光ってません?」


「それに、なんかスゲェのが居る感じだ。」


「なんだか、聖域に居るような、そんな雰囲気です。」


そうか。

エルフでない彼女達には、精霊の姿は見えないのだった。


この信じられない光景を。


マナカに擦り寄るように、四大精霊にも匹敵する精霊達が、彼の周囲を飛び回っているのだ。


まるで、親に甘える子供のように。


「ははっ!元気が良いなお前ら。いいか、お前達はこの階層で、住民達を護るんだ。他の階層に遊びに行っても良いけど、悪さはするんじゃないぞ?」


精霊達はその言葉に了解の意を伝え、四方へと散って自然に溶け込み、存在を隠した。


でも、私の耳には。


先程までと打って変わって、精霊達の楽しげな、幸せそうな声が響いている。


「ほんと、アナタってつくづくとんでもないわね。まさか、精霊を産み出すだなんて。」


私が言うと、彼は楽しげに、悪戯少年のような笑顔で。


「ミラもこれで、外と変わり無く精霊術を使えるだろ?それになんだか、本当の自然に近付いたような感じもするしな。」


確かに自然は豊かだったが、精霊が宿っていないせいか、なんというか活力が無かったように思う。


しかし今は、四大精霊に産み出された無数の小精霊達が宿り、溢れ出る自然力(マナ)を感じる。


「お節介焼きなのね。」


そんな私に、彼は肩を竦めるばかりだ。


「ちょっとミラー!2人だけで納得してないで、説明してくださいよー!」


いけない。

ミーシャ達が置いてけぼりだったわ。


私は他の3人に、マナカがとんでもないことを仕出かしたことを説明しながら、また歩き出した。




「あら、マナカきゅん♡カワイイ()達を連れて、デエト♡かしらん?」


「「マナカお兄ちゃん(なの)!!」」


街の教会の近所に差し掛かった時、そんな声に足を止めた。


「ちげえよコリーちゃん。お、モーラにクロエじゃないか!いつの間に仲良くなったんだ?」


筋肉の塊。

そんな形容しか思い浮かばないような、信じられない体格の男性。


そして、マナカに飛び付く2人の少女。


少女達はマナカの腕に飛び付くと、そのままぶら下げられて、グルグルと回されている。


「キャー!グルグルなのー!!」


「アハハハハ!!」


「ほれほれー!次は高い高いだぞぉー!」


今度は2人を結界(……なのよね?)で包み込んで、いつか巨大な船を浮かべてみせた時のように、少女達を空へと浮かべる。


「キャホホホー!高いのー!人がゴミのようなのー!」


「すごーい!お父さんよりたかーい!!」


「よーし、次は……」


まだやるの?

アナタ、私達に付き合っているってこと、忘れてない?


結局その後、ミーシャやベレッタも遊びに混ざってしまい、更には近くの孤児院の子供達まで集まって来て、大騒ぎになったわ。


まあ、偶には子供と触れ合うのも、悪くはないけれどね。


「いやー、盛り上がりましたねー!特にとらんぽりん?っていう遊びは、楽しかったですー!」


「オレはケイドロってのが楽しかったな!ところで、ケイサツってなんなんだろうな?」


「子供達は元気ですねぇ。冒険者も形無しの体力です。」


「まったく。アナタ達、本来の目的を忘れてないでしょうね?」


散々に遊び疲れて、コリーちゃんと云う男性の家の庭にへたり込む私達。


「ああ、それなんだけど。」


マナカが庭のテーブルに、お茶を用意しながら口を開く。


いつも思うけど、この男、ことある事にティータイムを楽しんでるのよね。


お茶が趣味なのか、それとも主義なのかしら?


「此処の近所なんてどうだ?雑踏も遠くて静かだし、まだ人は少ないから、訓練用の庭だって付けれるし。何より、コリーちゃんがご近所さんなら、安心だからな。」


そう言って視線を向けた先には、クロエと呼ばれた少女に膝を貸し、寝かせている筋骨隆々なコリーちゃんと呼ばれる男性。


孤児院の子供達は、もう帰ったらしい。


「その、聞きそびれていたけど、あの男性は何者なの?腕が立つっていうのは、なんとなくは判るけど。」


それはもう、見るからに只者じゃないわ。

見た目も、喋り方も、仕草も。


「ああ、紹介してなかったか。彼はコリーちゃん。元Sランク冒険者で、【破壊神】って呼ばれてたそうだよ。」


ふーん、そう。

【破壊神】ねぇ。


…………は?


「は、【破壊神】ですって!?」


「【破壊神】って、あの【生ける伝説】とか、【悪人殺し】とかとも呼ばれていた、あの【破壊神】ですかー!?」


「ん?ハカイシンって、なんだ?」


「知らないんですか、ベレッタさん!?」


ベレッタ知らないの!?


って、そうじゃないわ!

そんなことより……!


「な、なんでそんな人が此処に居るのよ!?」


「ん?今度俺の街に出来るギルドの、支部長になるからな。態々辺境領の、ブリンクス支部から異動して来てくれたんだよ。」


う、嘘でしょ……?

伝説の冒険者が、態々移住してまで、この街に来たって言うの……?


「ああ、ついでに言うと、Aランクの【火竜の逆鱗】も、今街に滞在してるよ。仲良くなったから招待したんだ。定住してくれるなら嬉しいんだけどなぁ。」


「「「はああああ!!??」」」


「カリュウノゲキリン?有名なのか?」


いや、ベレッタは物を知らなさ過ぎでしょ!?


って嘘でしょ!?


ということは、Aランクの【竜殺し】が居るってこと――――


「おうマナカ!また違う女を連れ回してるのか?」


不意に通りから掛けられた声に振り向くと、そこには大剣を背負った体格の良い青年の姿。


そしてその青年と腕を組む、弓を肩に掛けた私達と同年代と思しき女性。


「人聞き悪いこと言ってんじゃねえダージル!?今日の俺は案内人だっつの!……ってか、そっちこそデートか?」


「ばっ……!?デートじゃねえよ!?迷宮の浅い所で訓練した帰りだ!」


「そうよねぇ。折角のデートなんだから、もっと小洒落た所に連れてってくれれば良かったのに。」


「シ、シェリーさん!?」


ダージルって、まさか彼が【竜殺し】!?

ということは、連れの女性は同じAランク冒険者なの!?


「ははっ!相変わらずシェリーに頭上がんないのな。っと、そうだ。2人にも紹介するよ。今度新しく街に住むことになった、冒険者の4人だ。4人とも、コイツらが、今話してた【火竜の逆鱗】だよ。」


「ダージルだ。【火竜の逆鱗】リーダーを務めている。他のメンバーとは別行動中で、紹介できなくて悪いな。」


「シェリーよ。よろしくね、4人とも。」


うわー!

緊張するっ!


冒険者業界の最前線で活躍する、Aランクパーティーの2人が、目の前に……


「オレはベレッタだ!よろしくな!」


ちょっ!?

いくら知らないからって、そんな馴れ馴れしく……!


「わ、わたしはミーシャですー。よ、よろしくお願いしますー。」


「お、オルテです。お会いできて、光栄です……!」


そうよね。

それが普通の反応よね。


マナカやベレッタがおかしいのよね。


「ミラよ。良ければ色々と、先達に教えてもらいたいわ。」


なんとか噛まずに喋れたわね……!


遭遇の仕方は兎も角、冒険者としては大先輩だもの。


下手な覚え方はされたくないわ。


「ああ、よろしくな。ところで、あんたら4人はパーティーなのか?」


【竜殺し】ダージルさんが、そんなことを訊いてくる。


「いいえ、みんな元は別のパーティーよ。色々有って、仲間を失ってしまって、マナカに救けられてこうして身を寄せたの。」


「そうだったの……それは、辛い経験をしたわね。」


弓使いらしいシェリーさんが、気遣ってくれる。


「みんなで、マナカさんのパーティーに入れてくれって、頼んでるんだけどなー。」


「ちょっとベレッタ!?そんなこと、今言わなくても……!」


本当によ、ベレッタ。

それとこれとは今関係ないでしょうに。


「ん?入れてやらないのか、マナカ?」


ダージルさんがマナカに不思議そうな顔を向けている。


それに対してマナカは。


「いやなぁ。そもそも俺は、孤児や移民を保護するために冒険者活動してるだけだからな。そんな俺のパーティーに入っても、冒険者らしい活躍はできないだろ?」


そういえば。


彼は、各地の孤児を、生活に窮する民を保護するために、偽の身分を装ってまでして冒険者になった、と話していた。


その目的の過程で、私達を捕らえていたような盗賊団などの討伐は行うが、それは飽くまで手段だと言う。


私は、それでも構わないのだけれど。


「まあ、お前ら相手じゃついて行くのも大変だろうしなぁ。つーか、だったらよ、クランでも起ち上げて、傘下にしてやれば良いじゃねえか。」


あっ……!

なるほど、その手が有ったか!


「クラン?それって、パーティーの連合みたいのか?」


「なんだ知ってるじゃねえかよ。まあ簡単に言えばそうだな。盟主のパーティーと、傘下の複数のパーティーで創る連合だ。クランとして依頼を受けて、傘下の適したパーティーに振り分けたり……まあ、食いっぱぐれ達への救済みたいな制度だけどよ。」


「へぇー。でもよ、俺は別に名を上げるつもりは無いんだぞ?ランクだって今のCランクで事足りてるし、その程度のパーティーの傘下に入っても、メリット薄いだろ?」


……意外と考えてるのね、マナカってば。


確かに、彼の目的のためなら、Cランクで用は足りてるわね。


彼にとっては、迷宮を支配できさえすれば良いのだから。


「そこは育ててやれよ。見たところ、戦士に斥候、僧侶に弓士ってとこか?バランスも取れてるし、クランの旗印にでもしてやればいいだろ。」


「マナカさん、これからも保護を続けていくんでしょう?きっと彼女達のように、救けられた冒険者も増えていくわ。そんな人達に庇護を求められた時には、そういう体裁も必要になるんじゃないかしら?」


凄いわね。

流石はAランク冒険者ってところかしら。


武力だけじゃない、先見の明というか。


「ええー、だったらダージル、お前が……って、睨むなよ。シェリーまで睨むんじゃない!誰もお前らの仲に割り込んだりは……はい、ごめんなさい!?弓を構えるな矢を番えるなシェリーっ!?」


本当に仲が良いのね。


マナカったら、何処でこんな人脈を作ってくるのかしら。

王族とか、貴族とか、高ランク冒険者とか。


「くっ!本当に厄介な結界ね!こうなったら付与魔法(エンチャント)を……!」


「おいこら、マジになるなよ!?わかった!俺が面倒見るから!!だから止めて助けてダージルうぅっ!!??」


凄い!

あのマナカの結界を、先端だけとはいえ貫いたわ!


付与魔法(エンチャント)ね……

精霊術で応用できないか、今度試してみましょ。




「はぁ、はぁ…………まあ、そういう訳でだ。君らに相応の実力が付くまでは、俺のパーティーに入るといい。それからは独立するなり、さっきも言ったクランを起ち上げるなり、考えたら良いと思うよ。」


結果として私達の希望通りに、彼のパーティーへの加入が決まったわ。


【火竜の逆鱗】様様ね。

今度、お礼を言わなきゃ。


「それで、家はどうするんだ?もし冒険者として各地に行くつもりが有るなら、賃貸って形にしてもいい。住宅税は掛からないし、住人なら支度金も支給されるから初期費用にも困らない。月々の家賃も、頭割りすれば安いもんだろ?」


彼の話では、定住するにも住宅の持ち方に色々あるらしい。


そのまま家を受け取るなら、管理は勿論自分達で行うし、王国法で3年を超えたら住宅税と人頭税が掛かってくる。


冒険者は、依頼報酬から天引きされる分に税金も含まれているから、二重取りとなり損をしかねない。


そこでマナカが創ったのが、賃貸契約という制度。


月々に家賃を納める代わりに、管理は行政に委託された者が行い、住人としての人頭税のみ課税される。


家が自分達の物になる訳ではないから、契約の満了と共に退去することになる。


その際に、事前に払った初期費用で清掃、補修がされ、余った分は返還される。


そして、賃貸物件の契約を変更して、買い取ることは可能。


良く考えたものね。


冒険者としては寝泊まりできる拠点として使えれば充分だし。


「私は、この辺りに賃貸で借りたいわ。みんなはどうかしら?」


「わたしも、それでいいですよー。」


「合理的だと思います。私も賛成です。」


「オレはそういう細かいのは任せる。」


本当に、ベレッタはもう……


せめてお金に関することだけは、キッチリ説明しないと。


「それじゃあ、決まりだな?どんな家が良い?せめて希望通りの家を用意するよ。」


マナカが手を叩いて、【破壊神】コルソンに呼び掛ける。


コルソンさんは、娘のクロエを起こさないようにタオルを掛けて、そっとその場を離れ、此方へと来る。


「コリーちゃん、遅くなったけど、この4人はこの街のギルド所属になる、初めての冒険者だよ。家もこの近所に建てるから、よしなに頼むよ。」


「あら!こんなカワイイ()達がご近所さんだなんて、嬉しいわねぇ。よろしくね、4人とも♡アタシのことは、親しみを込めてコリーちゃんって呼んでね♡それと、妻とも仲良くしてちょうだいね♪」


コルソンさん……コリーちゃんから、威圧にも似た雰囲気を感じながら、それぞれ握手を交わす。


そうしてコリーちゃん宅を離れ、ほど近い所に、マナカが迷宮の権能を使って、かなり立派な家を建ててくれた。


程よい広さの前庭と、鍛錬にも使える広い裏庭が付いていて、家は3階建てに、地下室まで付いている。


贅沢にも浴室まで付けてくれて、部屋数も、多少住人が増えても余裕がある。


「家はこんなとこだな。今日は一旦保護施設に戻って、役所の手続きや引越しなんかは、また今度するといいよ。」


私達の目の前で、何度目になるか分からないとんでもないことをしたマナカが、いつもと変わらない笑顔で言う。


本当に不思議な男。


魔族だというのに、人に寄り添い。


迷宮の主だというのに、部外者を招き入れ。


縁もゆかりも無いというのに、ここまで手厚く遇し。


そしてその力は途轍もなく強大で、そして優しい。


「マナカさん!折角パーティーに加えてもらえたんだから、稽古付けてくれよ!」


ベレッタがまた突拍子もなく、そんなことを言い出す。


「まあ、いいけどね。ついでだし、みんなの力も見せてもらおうかな?施設に戻って一息着いたら、手合わせしてみるか。」


甲斐甲斐しいのね。


そういうことなら、遠慮なく胸を借りようかしら。


ちょっと前まで赤の他人同士だった私達は、和気藹々と、他愛もない話をしながら、現在の住処への帰路に着く。




「うきゃあああああああ!?」


「いやあああああああっ!!??」


「どーしたどーしたー!?そんなんじゃ、森のオークにも勝てないぞー!!」


「うわわわわわっ!?」


このっ……!


無詠唱とか狡いのよ!!


結界で弓は当たらないし、接近戦では格闘術に歯が立たない!


ナイフを指で摘むんじゃないわよ!!


っていうか……


「ちょっとは手加減しなさいよおおおおおおおっ!!??」


痛いっ!?


なんで何も無い所で転んで……って、土魔法で小さい落とし穴とかさあ!!


強いのに、狡いことやってんじゃないわよ!!!






挿絵(By みてみん)

さて。

閑話だけでなく、ボチボチ本編も練ってゆかねば。


Twitterもやってます。

【テケリ・リ@なろう】で登録してますので、そちらでも感想お待ちしております。

絡みも歓迎ですよ(笑)


評価、感想、ブクマを、いつでもお待ちしております。


これからもよろしくお願いします。


m(*_ _)m


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― 新着の感想 ―
[一言] 間話が続きますね。 いろいろな人の心情が見れて楽しいですが。
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