第十四話 未だ見ぬ君達へ。
今話のエピローグにて、四章はおしまいです。
評価や感想がいただけますと、とても嬉しいです。
ご意見等有りましたら、いつでもお待ちしております。
ブクマもしてくれたら嬉しいです。
それでは、四章最終話を、短いですがお楽しみ下さい。
m(*_ _)m
〜 ダンジョン【惑わしの揺籃】 六合邸 〜
「マナカきゅん、来ちゃった♡」
その破滅の足音は。
崩壊の鐘の音は、唐突に現れた。
「な、な、なんで家に来てるのおおおおおおおおおおおおっっっ!!!???」
その死神の鎌は、気付かぬ内に、俺の喉元まで迫っていたんだ。
「ほお!貴殿がかの名高い【破壊神】こと、元Sランク冒険者のコルソン殿か!!アザミ殿、よくぞ招いてくれたな!」
「激情のままに、目に映るモノ総てを破壊せしめた、【生ける伝説】コルソン殿とお会い出来るとは!光栄です!!アザミ殿、感謝します!!」
アザミ、お前かあああああっ!!??
「あの話し合いの後で、是非家族共々ご挨拶に伺いたいと頼み込まれたので……何か、アザミは余計な事をしてしまったのでしょうか……?」
うぐっ……!
ず、ずるいぞ!?
そんな上目遣いで泣きそうな顔をするなんて!?
「やぁだもう!フリオール殿下ったらお世辞がお上手なんだからぁ♪それはもう、昔の話なのよぅ!それに騎士のお嬢さんもとっても可愛らしいわぁ♡」
「わわ、わたしまでお招き頂きまちて、あ、ありがとうございましゅ!?」
漢女は置いとくとして、フィーアさん、また噛み噛みになっちゃってるじゃん?!
あー!
もうっ!!
「ゴホンッ!!みんな、突然の来客に(主に俺が)驚いただろうけど、紹介するよ。冒険者ギルドブリンクス支部の支部長のコルソンこと……コ……コリーちゃんと!俺達の受付担当になってくれたフィーアさんだ。みんな仲良くしてくれよ?」
「はぁい♪アタシはコルソンよ♡親しみを込めて、コリーちゃんって呼んでね♡」
「フ、フィーアと申します!不束者ですが、よ、よろしくお願いしましゅ!」
うん、最早俺はもう何も言わん。
「アネモネと申します。当家使用人兼、マスターの補佐を務めております」
「あたしはマナエだよ♪お兄ちゃんの妹だよ!よろしくね、コリーちゃん!フィーアお姉ちゃん!」
「あっしはイチと申しやす。お見知り置きを」
「フリオールだ。ダンジョン都市ウィール・クレイドルの統括代官を拝命した。よしなに頼むぞ」
「レティシア=リッテンバウワーです!都市警備隊隊長兼、マナカ殿の一番弟子です!よろしくお願いします!!」
なんともまあ、賑やかな自己紹介だこと。
ワイワイ、キャッキャと、会話に花が咲いている。
そして、俺の前には。
俺自身も初対面となる、コルソンのお嫁さんと娘さんがいらっしゃいます。
「主人が大変お世話になっております。コルソンの妻、クローディアと申します。突然押し掛けてしまって、本当に申し訳ごさいません……」
「い、いえいえ!俺もコルソンさんには、良くしてもらいましたから、どうぞお気遣い無く。この迷宮の主をしています、マナカ=リクゴウといいます。どうかお寛ぎくださいね」
ヤバイぞ……!
コルソンの奥さんのクローディアさん、メッチャ美人!!
ウチの家族に全然引けを取ってません!?
スタイルも抜群だし……っていやいや!
俺は何を考えてるんだ!?
そして娘さんは……お母さんのスカートの裾に隠れて、モジモジしてますな。
「はじめまして、お嬢さん?お名前を、教えてくれるかな?」
怖がらせないように、しゃがんで声を掛ける。
「あぅ…………ク、クロエ……です……7歳です……」
か、かわええ……
「そっかぁ。クロエちゃん、ちゃんと自己紹介できて偉いねぇ。それにお母さんに似てとっても美人さんだね!お兄ちゃんは、マナカっていうんだ。よろしくね!」
「あ、あうぅ……よ、よろしく……?」
やっばい何この子!?
ウチのマナエに迫る可愛さだよ!?
「まあ、珍しい!クロエったら人見知りが激しくて、初対面の方にはまともに挨拶できたことがありませんのに!」
そうなんだ?
それでも頑張ってお話してくれたんだから、偉いね!
「頑張ってくれたんだね、クロエちゃん。お礼に、いい物をプレゼントしよう!」
そうして無限収納から、小さな女の子が喜びそうな物を取り出す。
「これなんかどうかな?これは【ムーンストーンの首飾り】って言ってね、怖いものからクロエちゃんを護ってくれるお守りだよ」
うん、いつか迎える孤児達のために、色々作っておいて良かったな。
怖がらせないようにそっと近付いて、首に着けてあげる。
因みにこの首飾りは、魔力を込めると、石を中心に半径1メートルの俺謹製の結界を張ってくれる優れ物だ。
しかもこの結界、中心に合わせて動くからね。
魔力の続く限り、移動しながら結界を張り続けることが可能だ。
うん。
こんなに可愛いと、いつ倒錯したオッサンに襲われるか分からないからね!
「あらぁん?クロエちゃん、早速マナカきゅんと仲良くなったのぉ?凄いわねぇ〜♪」
「お、お父さん、これ……マ、マナカお兄ちゃんがくれたの」
「あらまあ!白くてキレイな石の首飾りねぇ!クロエちゃんに、良く似合ってるわよぉ?どこのお姫様かと思ったわぁ♪」
「え、えへへ……!」
うんうん。
やっぱり子供は笑顔が一番だね。
「(ね、ねぇマナカきゅん。あれって、相当高価な術具なんじゃないのぉ?)」
「(あん?良いだろ別に。俺が創ったんだからタダみたいなもんだし、気にするなよ。因みに効果は、魔力を込めると結界を張るってもんだ。また追々、使い方を教えてやりなよ)」
魔力を込めるだけなら、子供でも出来るからね。
大事な娘さんなんだから、しっかり教えてやれよ?
「突然押し掛けた上に、このような物までいただいてしまって……本当に申し訳ございません……」
「どうかお気になさらず、クローディアさん。それよりも、クロエちゃんを元気に育ててあげてくださいね。俺からのコルソンさんへのお礼だと思って、受け取ってください」
恐縮しきりなクローディアさんをなんとか宥めて、とりあえずみんなリビングへと入ってもらう。
いつまでもお客さんを玄関先に立たせてる訳には参りません。
アネモネとマナエにはお茶の支度を頼み、それぞれ思い思いの席に腰を下ろした。
「それで、コ、コリーちゃん達は、もう街は観てきたのか?」
くっ、未だにコリーちゃん呼びに拒絶反応が起きるぜ。
でもこう呼ばないと、何をされるか分かんないから怖いんだ。
ごめんね、【火竜の逆鱗】の、僧侶のコリーさん!
「ええ!アザミちゃんに案内してもらって、すっかり堪能して来たわぁ♪本当に素敵な街を創ったのね、マナカきゅん♡」
ぐふっ……!
俺の心のHPがどんどん削られていくよ……!
褒められても、それで相殺しちゃってるから!?
「建物も整然としていて、それでいて温かみもあって……緑も豊かで、気候も穏やか。理想の街っていう感じでした!」
フィーアさんもようやく緊張が解けたみたいだね。
「ありがとう。街を褒めてもらえて、素直に嬉しいよ。あとは住人が増えてくれれば一番だけど、それがなかなか上手くいってなくてね……」
「うむ。現在王国では、第2弾の移民団を募っている。マナカも独自に動いてくれてはいるが、冒険者ギルドの誘致が決定した以上、住人の確保が喫緊の課題だな」
俺の言葉をフリオールが受け取って、補足してくれる。
「ならそれも、今回マナカきゅんが無事Cランク冒険者になったことで、解決の糸口は掴めそうねぇ♪」
「ええ。微力ながら、わたしもお力添え致しますよ」
うん。
2人とも、本当にありがとうね。
「因みに、頭達の偽名は結局どうなったんでさぁ?」
うぐっ!
イチめ。
折角今まで逸らし続けてた話題を蒸し返しやがって。
「わたしから説明しますね。マナカさんが、【クレイ】です。これは都市の名前から取らせていただきました。そしてアザミさんが【タマモ】。こちらは、マナカさんの故郷の伝説から拝借したらしいですね。そしてシュラさんは【ウズメ】です。こちらも伝説からの引用だそうです」
なんでだろう。
人に説明される方が恥ずかしい気がするっ!?
「それからパーティー名は、アタシが考えたわぁ♪ズバリ【揺籃の守り人】よん♡子供達や街の人達を一所懸命に護っていくマナカきゅん達に、ピッタリじゃない?」
もうやめてええええええっ!?
は、恥ずかしいよおおおおっ!!
俺、撃沈です。
くっそぉ……
こんなことになるなら、最初から偽名まで考えておくんだったよ。
後の祭りってのは、このことだな。
そしてその後も、コルソン一家とフィーアさんを交えた、半ば宴会と化した親睦会は続いた。
マナエが持ち前の明るさで、クロエちゃんと仲良くなってたのには、とても癒されました。
うん。
こういう子供達が楽しく遊ぶ光景が、街中に広がれば良いよな。
冒険者の資格は手に入れた。
ようやく、身寄りの無い子供達を救けるために動き出せるよ。
街にもまだ見ぬ君達を待っている人が沢山居るんだ。
すぐに、迎えに行くからね。
「決めたわ!アタシ、マナカきゅんの街のギルドに転属願いを出すわ!!フィーアちゃんも一緒に来るわよね!?」
「はい!わたしもこの街で暮らしたいです!」
………………なんですって?
人が展望を抱いて耽ってるというのに、なんだか、特大の爆弾が投下されたような気がするよ?
気のせいだよね?
ねえ?
そうだと言ってよおおおおおっっ!!!!
次話からはまた間章となり、登場人物紹介や閑話を書く予定です。
登場人物紹介は明日0時に投稿し、朝8時には閑話を投稿したいと思います。
設定集もあった方が良いんですかね?
偶に自分でも忘れることがあるので、一度作っておいた方が良さそうかな……?
読者の皆様は、どう思いますか?




