4話
「ねえ、その足、どうしたの?」
私がそう言うと、彼の事を迎えに出て来ていた執事さんやメイドさん、そして運転手さんまでもが暗い表情になり、私は触れてはいけない事を平然と聞いていたみたいだった。
「あはははは!」
彼が急に大笑いし始めて、私にこう言った。
「君、面白いね。皆遠慮して足の事は触れないのに、平然と聞く人は初めてだよ」
「あ、私ってば、ごめんなさい。でも、気になったから‥‥‥」
彼はそういうと、優しく微笑んで執事さんに連れられて家へと入って行った。
失礼な事を聞いちゃったよね?でも、彼の事を知りたいし、もっと話をしたい。
そうよ!私は沁の守護天使なんだから!
そして、私はメイドさんに連れられて1つの部屋に通され、着替えを渡されベッドで休むように言われた。
「一応、お医者様をお呼び致しましたので、診てもらって下さい」
「あの~私、平気ですけど‥‥‥」
「沁様のお言いつけでございますので、どうか診察をお受け下さいませ」
「わかりました」
ここは大人しく言う事を聞いておく事にしよう。
何事もないとわかれば、沁も運転手さんも安心するだろうし。
診察を受けた私は、やはり何事もなく全く問題ないとの事だった。
しばらくすると、部屋をノックする音が聞こえた。
コンコン!!
「はい。どうぞ!」
玄関先にいた執事さんだった。
「わたくしは沁様の執事の田神と申します。何事もなくて宜しゅうございました。沁様が是非、あなた様とお話がしたいと申しております。今更ですが、お名前をお聞きしても宜しいでしょうか?」
沁が私と話を!?
直に嬉しいと思った。
「私の名は立花 雅です」
「それでは雅様、お着換えをお済ませになられましたら、沁様の所にご案内致しますので。私はドアの前でお待ちしております」
「わかりました」
私は着替えを済ませ、執事の田神さんに着いていった。
広くて長い廊下を歩いて行くと1つの部屋をの前で止まった。
コンコン!
「沁様、田神でございます。先ほどのお客様をお連れいたしました」
「ああ、部屋へ通してくれ」
私はこうして、沁の部屋へと通されたのであった。