2話
「でも、今私が守護天使として生まれ変わったら、お互いに赤ちゃんということだから、今すぐ沁に会えるわけじゃないって事?」
私は寂しそうにそう言った。
「それなら大丈夫よ! ここ、天国には時間という概念がないの。あなたの望む時間に行けるわ!過去には無理だけどね」
「そうなのね! 凄いわ! じゃあ、生まれ変わった沁が…今の私と同じ歳、18歳でどうかしら」
「わかったわ」
天使はそういうと、私の頭に手をかざし、手に光を集め始めた。
「いくわよ! 心の準備はいいわね。これであなたも立派な天使の仲間よ」
「はい。お願いします」
そう答えると、小さな光がどんどん大きくなり、私はその光に包まれて行った。
―――しばらくして―――
目を開けると木が沢山ある場所に私は立っていた。
「え? ここどこ?」
知らない場所だった。
「よりによって、何でこんなところに!? 天使のばか~~っ!!」
私は大声で叫んだ。
(聞こえているわよ)
あの天使の声だった。
「私の声が聞こえるのね? どうしてこんなところに下したのよ」
(私達は天使よ。自然に包まれている場所のほうが心地いいのよ。それに天使のばか~って、あなたも天使なのよ! すぐ横に歩道があるわ。そこをたどって降りて行けば大丈夫よ)
「わかったわよ!」
そうか、私は人間から天使に生まれ変わったのね。
しかも、沁の守護天使。
とにかく、ここから脱出して沁を探そう。
「そうそう、天使さん、あなたの名前を聞いてなかったわ! こうして話せるんですもの。名前を教えて」
(私の名前は エクスシア)
「エクスシア、改めて、よろしく」
(こちらこそ、雅、よろしくね)
「ところでエクスシア、私は天使、いわゆる守護天使に生まれ変わったのよね? 私には羽がないの?」
(もちろんあるわ。人間界で堂々と羽を広げている天使なんていないわよ)
「今ここには誰もいないわ! 羽を出して飛んでみたいなぁ~」
私は好奇心で、エクスシアにそう言った。
(昼間は人間にいつ見られるかわからないわ。それに羽はイメージするだけで自然と見えるわ! 羽は出すものじゃなくて、着いているものよ)
「ふ~ん。そういうものなの?」
私にはちんぷんかんぷんだったが、そういうものなのかと思いながら強引に納得するしかなかった。
(うふふ。そういうものよ。まぁ、せいぜい頑張ってちょうだい)
エクスシアがそう言った。
「なんか、適当って感じだな~」
そう話をしながら歩いていると、すぐ下の国道に出た。