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1話

 私には前世の記憶がある。


 恋人との初めてのお泊り旅行。


 生まれて初めて好きな人が出来て、彼に告白された時は本当に嬉しかった。


 彼は心優しい人で、思いやりのある人。

 自分の事より人の事を考えられる人だった。

 そういうところに私は惹かれていき、自然と好きという気持ちになっていった。


 そうして私達は付き合いだし、毎日が楽しく、輝かしい青春を送っていた。


 大学生だった私達は夏休みに温泉旅行の計画を立てた。


 私は初めてのお泊りでドキドキとわくわく感でいっぱいでとても楽しみにしていた。


 ―――でも、楽しみにしていた旅行で

 

 彼の運転で、宿泊先である温泉旅館に向かう途中、飲酒運転をしていた大型トラックが反対車線に入ってきて正面衝突してしまったのだ。

 

 私と彼は即死だった……


 私が目が覚めた時、キラキラ輝く花でいっぱいの場所にいた。


「ここは?」


 そして、ここが天国である事を知る。


 私は死んだんだ! そうだ! 彼は…

 しんは?

 あれだけの事故が起きたのだから、彼も死んでいるはず。


「沁! どこにいるの?」


 私は叫びながら周りを見渡していた。

 

「彼ならもう生まれ変わったわ」


 私の前に突如現れた女の人がそう言った…


「え?」


「さあ、立花 みやび! あなたは何に生まれ変わる?」


「あなたは? 誰なの?」


「私はここ、天国の番人。天使よ」


 天使……

 

 その人をよく見ると、白くて大きく輝く羽が背中についていた。


 天使って、本当にいたんだ。


「さあ、雅、あなたの選択肢は3つよ。妖精になって自然を守るか、私の代わりにここの番人になるか、天使になって人間界で1人の人間を守護するか。」


「ちょっと待った! 人間には生まれ変われないの?」


「あなたの人間界での修行は前世で終わったの。だから人間ではなく、神に近い存在になれるのよ。私達の本来の居場所はここ、天国。人間界では修行の場。何度も生まれ変わる人間は段階があって修行を重ねて行くの」

 

「人間を守護するって、どういう事?」


「一言でいえば、人間1人について守り導く天使よ」


「さっき、沁は生まれ変わったって言ったわよね? 何に生まれ変わったの?」


「彼はまだ人間界で修行をしなければならなかった。だから人間として生まれ変わったわ」


 沁にまた会いたい。

 もう1度顔をみたい。


「わかったわ。決めるわ! 私は天使として、彼、沁の事を守護する!」

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