3/6
第2話
怖い、怖い、怖い。ここはどこ?私はなんでこんなところにいるの?なんで、なんで、死ねなかったの?それとも、死んだの?ここは地獄?
寒い、温まりたい、お腹空いた、疲れた、眠い、誰か、誰でもいいから、誰か助けて。
砂浜は、どこを見ても砂浜しかない。赤い海の向こうは、暗くて見えない。
私は人気を求めて、当てもなく砂浜を歩いている。どれくらい歩いたか、検討もつかないけれど、砂に体力を奪われて、ヘトヘトだった。
しかも、制服に水を被ったから、服が重い。
雨に体温も奪われて、寒さのあまり、歯がかちかち鳴り出した。
こういう時って、動かないほうが良かったんだっけ?
でも、もう遅い。だって、戻るには歩き過ぎた。戻る体力は残ってない。膝が震えてきたし、もう歩けないと思う。私、ここで死ぬのかな。誰にも気づいてもらえず、誰にも悲しんでもらえず、死ぬのかな。
「君、馬鹿じゃないの?」




