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闇の暗殺者と幼き少女。  作者: 博多っ子
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第4話《南》

―ー南


―ー北


―ー東


―ー西


それぞれの位置に君臨する者。闇の中では殺人凶と言う名で呼ばれている。


その一人が今、暗殺者の前に血を流しながら立っていた。


「これで邪魔がいなくなったね。さぁ、僕と殺しの世界へ足を運ぼう」


腹部からは大量に血液を流しており、頭は浅い傷ではあったが流れ出た血によって真っ赤になっている。


「キル・キラーの攻撃をもろに受けたんだ、出直せ南の殺人凶。俺はいつでも相手になってやる。だが今の貴様はボロボロだ。そんな奴と闘いたくない」


「拒むのか!僕との闘いを。拒むのか!僕との宿命を。こんな傷などダメージの内に入らない。人の心配よりまず自分の心配をしたらどうだ。はあああああ!!」


息を吐きながら体に力を込める。


するとどうであろうか!


傷がみるみる筋肉によってふさがり流れ出る血液がピタリと止まった。もはや人間技ではなかった。


「はぁはぁ…さて殺るか」


槍を持ち狙いを定める。この光景に唖然としていたダークミラーも我に帰り日本刀を構える。


「横にある64式の小銃は使わないのかい?」


「貴様には必要ない」


お互いジリジリと間合いを縮めていく。


かなりのプレッシャー、かなりの威圧感。


目を見つめ合い反撃のチャンスを伺う。


暗殺者と殺人凶の命の駆け引き。恐らく長い闘いにはならないであろう。


「ふふふ、ゾクゾクするよ。殺人凶の血が疼く」


「ふん!勝手に興奮していろ」


徐々にお互いが近寄り、周りの空気がどんよりと重くなる。


今だ!


先に動いたのはダークミラー。死歩を使い一気に南の殺人凶の頭上へ飛んだ。


―ーその動き


―ー疾風の神


―ーその速度


―ーまるでハヤブサ


ダークが最も得意とする暗殺者の技。


それが死歩。


死を感じた時には既に絶命。情けなどない一瞬の殺し。


ダークミラーは日本刀を南の殺人凶の頭部へ突き刺そうとした。


「ち!さすがに速いねー」


ギリギリではあったが間一髪で避ける。あとコンマ何秒遅かったら南の殺人凶の体は串に刺された団子のように見るも無惨な姿になっていただろう。


「まだだ」


さらにダークミラーの攻撃は続く。地面に着地をしたと思ったら死歩を使い日本刀を突き立て突進してくる。


ダークミラーの姿は前進してくるたびに後ろの姿が残像となりその速さが目に焼き付いてくる。


「なめるなああああ!!」


顔に青筋を浮かべながら南の殺人凶も前進する。


「死歩の刃!瞬惨しゅんざん


「メロディーレクイエム」


日本刀の先と槍の先が火花を散らしながらぶつかりあった。


ピシッ!


「刀にヒビが入ってるぞダークミラー。そんな日本刀で鉄の槍に敵うとでも思ったか!」


「ああ思うよ」


ダークは日本刀を手から離し死歩を使い後方にまわった。


その手には小太刀が握られていた。


「な!」


いきなりの行動に南の殺人凶は慌てて後ろを振り向くが…


「死歩の刃!虚惨きょざん


気が付いた時には南の殺人凶の左腕は宙をくるくると舞っていた。


ぐしゃりと地面に落ちる肉の音。


左腕からは血が霧となって勢いよく噴射した。


「な ん だ と!僕の…左腕が…」



その言葉と同時に南の殺人凶の膝ががっくしと地面についた。

―ー全ての生


―ー全ての死


―ー全ての欠片


―ー全ての証


傲慢な私、繊細な私、私欲な私、偽りな私、私は私でありたいのに…


運命という呪縛は私を…私が…私自身が縛っているのだろうか?




―ー笑いって何だろう?


―ー涙って何だろう?


―ー怒りって何だろう?


―ー拗ねるって何だろう?


―ー甘えるって何だろう?


―ー全ての表現って何だろう?


―ー私って……何だろう?

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