第十四話《暗殺者VS殺人凶》
快感に殺す。
快感に奪う。
快感を求めそして優越に浸る。
それが僕の楽しみ。
なぜか?
そんなのに理由はない。
ただ世の中の世界が嫌になっただけ。
日本の政府は最悪だ。
僕の親が殺された時、何をした?
僕が行き場をなくした時、何をした?
警察はろくに取り調べもせずに事件は迷宮のまま。
僕は泣いたよ。
まだ5歳だった僕はひたすら泣いたよ。
一人になった僕は施設に預けられただただ途方もない日常を送っていただけ。
10歳になった時、僕は虫を殺したんだ。
蝶だった。
僕の目の前でとまったので踏みつぶしたよ。
あの時、命の灯火が消えたと認識した時に僕は分かったんだ。
命とは……脆い。
すぐに消える火の粉のような感じ。
人間も同じなんだとその時気づいたんだ。
そこから8年間。
僕は驚異的な早さで人の殺し方をマスターした。
どこを刺したらより血が出るか。
どこを撃ったら人は苦しみながら死ぬか。
一部を除き、全ては独断で研究をし調べ尽くしたんだ。ほんの一時、殺し専門の師に学んだ時季もあった。
気がついたら殺しの頂点に君臨する殺人凶という四人の中の一人に選ばれていたのだからビックリしたよ。
方位は南……
南の君臨者。
右の頬に三日月型のナイフが通過する。
ギリギリでよけたダークは小太刀を巧みに操り南の殺人凶の腹部へ突き刺そうとした。
……がしかし。
「甘いね」
とてつもないスピードで背を向け足の先から小型の突起物を出した。それをダークの胸に突き刺そうとする。
間一髪のところでそれをかわすダーク。
店の中にはもはや誰も客はいなかった。この空間は瞬く間に戦場と化していたのだ。
「やるねー、でもこれはどうかな?」
そう言うと南の殺人凶は背中にズッシリと乗っていた鉄の槍を片手に持ち替えた。
「終わりだな。ダーク・ミラー」
そう呟くと同時にダークはズボンの後ろからナイフを五本取り出し相手に向かって投げ入れる。
ただの投げではなくナイフの一本一本が命を持っているかのように軌道を変え相手の急所にむけて飛んでいっている。
「melody、requiem《メロディー、レクイエム》」
そう叫んだと同時に軌道を変えているナイフが全てバラバラにされてしまった。
「なんだと!!」
ダークは小太刀を構え何が起こったかを警戒する。
しかしその時、顔から血が垂れてきた。
慌てて顔を拭うが拭いきれないほどの血液が滴り落ちる。
手からも、そして足からも。
よく見ると服が至る所で切り刻まれていた。
そこから血液が流れでている。
ダークは膝をつくと相手を睨み威嚇した。
「いつの間に……」
あの暗殺者ダーク・ミラーが初めて敵から攻撃を受け膝をついた瞬間だった。
「君は僕の力を知らなすぎだったんだよ。そうでしょ、暗殺者さん」
不気味なオーラを漂わせダークに向けて渾身の一撃を決めようとする。
「我が槍のサビとなれ」