第四話 リビングルームの激闘 パート4
「くそっ、どうなっている!? おい貴様、俺たちに何をした!?」
パトカーの助手席にいる男が、苛立たしげにそう言っている。
かなり自我を保っている。
もしかして、この人、かなりの大物なのではないだろうか。
「次は警視庁経由で、関係各所を巡って、最後は東京都庁へ行ってね。フフフ、これで東京都は私のものよ」
私は助手席の警官を無視し続け、運転席に座る老け顔の男にそう言った。
「こぉら貴様、目を覚まさんかあっ!!」
と、助手席の警官は思い切って運転席の同僚を殴ろうとするが叶わない。
さっきやろうとして『命令』しておいたのだ。
「無駄よ。あたしの『洗脳』は完璧よ。そもそも術式も解らないのなら、『解呪』もできないでしょ? 叫んで治るものじゃないのよ、警部さん」
「この小娘! 洗脳系統の魔法の使用は、殺人に匹敵する重犯罪だぞ! 解ってやっているのか!」
「勿論。けど、それって罰せられる事ができる事ができて初めて言える言葉よね?」
「な!?」
「あなたは私を罰せられない。なら、あなたは正義じゃない。私が正義よ」
「貴様、何が目的だ?」
「正義!」
あたしはそう言った。