第七話 新たな家族
覚醒から1月余りが過ぎた。
日常は雑事に追われ瞬く間に過ぎていった。人間社会の分業制の偉大さを見に染みて実感してしまう。
この間の最大の出来事といえば、鹿を自力で捕獲したことだろうか。
相変わらず罠はその真価を発揮する機会が少ないので、痺れを切らして弓矢と槍を担いで狩りに行ったのだ。
湖周辺は鹿の水場になっており有望な狩場候補なのだが、そこで狩りをしてしまい鹿の行動が変わってしまうのを恐れた私は、10キロ先の巨大な湖の周辺を狩場と定めて遠征をしたのだ。
案の定、巨大な湖と近所の湖との間は植物の生育も旺盛で、鹿の群れが多数確認された。
狩場への移動で一泊し、翌朝まだ日が昇る前から巨大湖の水辺の木に登り頭上から弓矢を射掛けることにした。
頭上への警戒が薄いのか、日頃の弓の練習成果が発揮されたのかは分からないが、射掛けた矢で負傷した鹿は仲間に見捨てられ私の御馳走となった。
味を占めた私は3度遠征をし、合計で100キロ近くの鹿肉を獲得したわけだが、喜んでばかりも居られない事態にもなっていた。
あの狼が毎晩現れるようになったのである。
毎晩、夕暮れ近くになると拠点の焚き火の前に現れては、ゆっくりとくつろぎながらこちらをじっと眺めるのである。
毎回1キロほどの肉を提供しないと満足しないため消費速度が2倍になってしまった。
少ない労力で餌を獲得できるようになったためか、狼は丸々と太り始めている。餌付けの効果が覿面である。
しかしその狼もここ3日ほど姿を見せていない。
狩場を移してどこかへ行ってしまったのか、毎日現れていた訪問者が居なくなると、それはそれで寂しい気持ちにもなったりした。
倉庫兼住居の建設も少しずつ進み、あとは屋根に丸太を数本乗せるだけである。
木工で動滑車を作ったのが非常に効果的だった。大きな丸太の運搬が非常に楽になった。
脱出ポッドの太陽光発電も順調に発電している。周囲をかなり広めに伐採したので、あと100年は木々に覆われることも無いだろう。
・・・・・・
あれからさらに3日、ついに住居が完成した。
丸太を四角く地面から伸ばし屋根をかけただけの非常に簡素な作りだが、星空天井の野営よりはかなりマシである。これでシュラフが朝露にびしょ濡れになって目覚めることも無い。
新居の落成記念を祝い、普段より豪華に燻製肉と魚で盛大な夕食をとっていると、久々にあの狼が現れた。子供を連れて。
私の餌付けのせいでブクブクと太っていたのかと思ったら妊娠していたようだ。
よちよち歩きの4匹の子供を連れた親狼は、さも当然のように焚き火の前に座り込み、私の目をじっと見つめてきた。
おいおい、餌の催促かよ。
結局、じっと見つめる親狼の視線に根負けした私は、落成記念も兼ねていつもより多めの燻製肉を渡してやると、親狼は「ガウッ」と一吠えし齧り付いた。子供たちはまだお乳のようだ。
宴も終わり、親狼は子供の相手を続けているが、私は一足先に寝させてもらった。今夜は良い夢が見られそうだ。
翌朝起きると、狼親子は家の前でスヤスヤと眠っていた。しまった!
・・・・・・
あれから1週間。
狼親子は完全に我が家の前に居ついてしまった。あの空白期間は出産でもしていたのだろうか?
邪険に追い出すことも出来ず、子供を野晒しにしておくわけにもいかないので、簡単な斜め掛けの小屋を作ってやる。
どうせ居つくなら、この周辺の安全確保でもしてもらえれば助かるな、などと邪な気持ちが無かったわけでもない。
犬小屋を作ったのはもう一つ理由がある。
前々から考えていたのだが、西の方角への本格的な探索を進めるのだ。
以前の丘の上からの偵察では西の方角へ30キロほど行くと、木々が薄くなり始めていたので平原があるのではないかと予想してた。
勝手知ったる拠点周辺なら素早く移動できるが、見知らぬ土地へ森林を移動することを考えると、頑張っても片道3日が限界だろう。往復6日と予備の日程を考えると、食料を10キロは運ばないといけない。
住居が完成するまでは長期不在時の食料の保管にも不安があったのだが、今なら行ける。
狼一家が食料を荒らさないかは若干心配ではあるが、まとめて10キロほど預けておけば計画的に食べてくれると信じたい。
そんなわけで、翌日にはさっそく食料などを準備して出発することにした。
狼親子には言葉が通じているとも思わないが10キロの燻製肉を渡し、拠点を出発したのだった。
まずは北の水辺から川沿いに西に向かって3日移動する。何も発見できなくても新しい拠点の目処を立てておけば、そこから先へも足を伸ばしやすくなるだろう。
・・・・・・
川沿いを西に移動すること2日。大きな川と合流した。周辺の地理から考えると大きな湖からの流れと合流したと考えても良さそうだ。
最終日の3日目。合流した大きな川沿いに進んでいる。
たしかに木々が疎らになり、森というよりも林に近くなってきた。
そして3日目の昼過ぎ。
そろそろ昼食を食べ折り返そうかと考え、拠点になりそうなキャンプ地を探しながら歩いていた。
目の前は、大きな川が一段落ち込み小さな滝のようになっている。
その滝口の脇にそびえる大岩に登り休憩しながら周囲を見渡すと、遠くに一筋の煙が見えた。
見間違いなんかじゃない、あれは煙だ。
「リュージュ、あの煙が見えるよな? どのぐらいの距離だ?」
《はい、確認できています。煙のようです。距離はおよそ5キロです》
「やっと人がいる痕跡を掴むことができたんだな」
《人かどうかは分かりません。自然発火の煙の可能性も捨て切れませんので、しばらく観察をすることを提案します》
「そ、そうだよな。なんか妙に興奮して盛り上がってしまった。すまない」
《ただ、あれが自然発火の煙でない場合、つまりずっと一定の場所から動かず広がらない場合ですが、私達が想像するような人型タイプの生物であるとも断定できません。知的生命体の可能性は高くなりますが、所謂人型では無い可能性もあります》
「……たしかに。この星で出会った生物は鹿や狼や鳥や、まるで地球とそっくりだけど、だからといって知的生命体が人型である保証なんて無いよな」
《その通りです。その点をご理解いただいて、想像と違う生物と遭遇してしまい混乱することが無いようにお願いいたします》
「わかった。いずれにしても、ここでちょっと煙を観察してみよう」
私は煙を観察しながら、キャンプをするための準備に取りかかった。
丸太を切り出して睡眠スペースだけの簡単な三角スペースを作る。その間も、煙に視線を送り変化を観察し続けた。
夕暮れも広がり、今は岩場の上で燻製肉をそのまましゃぶりながら野草を食べている。
向こうの煙が見えているということは、こちらの煙も見えてしまうので用心のためだ。
あの煙はやはり人為的なもののようだ。
昼過ぎには煙が消えたのでだいぶ焦ったが、夕方になってまた立ち上りはじめた。向こうも夕食なのだろう。
日も落ち、星空になっても煙は立ち上り続けている。
いつまでたっても煙が1本しか見えないことから、集落ではないのだろう。木こりか狩人の小屋かもしれないな。
やがて煙も止まったので、私も睡眠を取ることにする。
一夜明け朝食代わりに燻製肉をそのまま噛みしめていると、先程からまた煙が立ち上り始めた。
同じ場所から定期的に煙が登っていることが確認できたので、今回の遠征は一定の成果を上げたといって良いだろう。
この成果をもとに、次回からは大量の食料を運搬して遠征拠点を整備していくことになる。
帰還はリュージュが作った地図を参考に往路で切り開いたみちを効率的に踏破できたため、大幅に時間を短縮して2日目の夕方には着陸地点へと帰り着いた。
・・・・・・
帰還ついでに括り罠の仕掛けでも確認しようと思い立ち、罠の設置箇所を回っていると意外なものを見つけてしまった。
鹿だと思われる片足だけが括り罠に引っ掛かりぶら下がっていたのである。
まさか鹿が自力で片足を引き千切って置いていったとも思えない。
「リュージュ、これは食い千切られた跡だよな」
括り罠に掛かって目の前にぶら下がっている片足は、根本から食い千切られた歯型がしっかりと付いていた。
《はいミロク、その通りです。この歯型から、食い千切ったのは狼だと推察します》
「あいつらが腹を空かして、かかった獲物を食ったのかな?」
《それについてはデータ不足で答えられません。ただ出発前に渡した燻製肉は十分な量でした》
「うーむ。ちょっと心配になってきたから急いで拠点に戻ってみようか」
駆け足で拠点に戻ると、焚き火跡が荒らされ燻製器は破壊され辺り一面に木と枝が散乱している。
住居の脇に作った犬小屋も破壊されており、どこにも狼親子の姿は無かった。
「なんだこれは? 何が起こったんだ?」
食料が心配になり住居の室内に入ると、内部は荒らされなかったようで食料はそのまま残っていた。
ちゃんと扉に閂を掛けていて良かった。
それにしても何があったのだろうか?
とりあえず散乱した木や枝を片付ける。折れて使えない物も多いので焚き火でまとめて燃やしてしまおう。
日が暮れて辺りも暗くなってきたのでキャンプファイヤーのようになってしまった焚き火で燻製肉を炙りながらも、荒らされた拠点と狼親子と食い千切られた鹿の足のことがどうにも気に掛かっていた。
うーむ、これは本当に困った。今までは拠点が荒らされたこともなかったから安心していたけれども、ここまで酷く荒らされると何か対策を考える必要があるかもしれないな。
それに狼親子と鹿の足も気になる。鹿の足の大きさから考えると、罠にかかった鹿はけっこうな大きさだったと思うんだ。それが足だけ残して全部無くなっているとなると……
取り留めもなく考えを巡らせていると、森の奥からガサガサと音を立てながら何かが近づいてくる。
咄嗟に立ち上がりナイフを抜いて警戒態勢をとると、茂みの中から現れたのは親狼だった。
親狼は毛並みがボロボロで血塗れになりながらも何かを口に咥えながら近づいてくる。
よく見ると子供を一匹だけ咥えている。
咄嗟のことに駆け寄り狼親子を抱き上げると、その後ろの森から大きな咆哮が響いた。
何かしらないがヤバイ。
ナノマシンの筋力強化を全開にして一気に住居の平らな屋根に飛び上がる。
次の瞬間、音もなく全力疾走した黒い狼がさっきまで居た空間に噛みついていた。
するとどこから現れたのか、2匹3匹と森のなかから狼が姿をあらわしはじめる。
6匹の黒い狼が住居の周りをウロウロと警戒しながら取り囲み、吠え始めた。
親子狼はこいつらに襲われたのか?
屋根の上に狼親子をそっと下ろし、黒狼を刺激しないようにゆっくりと背中の弓矢へと手を掛けると、黒い狼たちが一斉に静まる。
何事かと身構えると、森の奥からひときわ巨大な身体つきの黒狼が悠然と姿を現した。
こいつは危険だ!
そう思った私は一気に弓矢を取り出し狙いをつけて射った。
巨大黒狼は軽々とその矢を躱すと、それが合図になったのか他の黒狼たちも再び一斉に動き出す。
盛んに動きながらこちらの住居の上に飛び上がる隙を伺っているようだ。
飛び上がってくるならと、素早く弓を背中に回しナイフを抜く。
次の瞬間、私めがけて飛び上がり突っ込んできた黒狼の大きく開いた口めがけて思いきり斬りつける。
飛び上がり突っ込んできた黒狼を一刀のもとに切り捨てると、すかさず飛び上がってきた2匹目3匹目も一太刀に切り払う。
さすがに三度も迎撃されると、黒狼も怖気づいたのか飛び上がってこなくなった。
この隙を逃す手は無いとナイフを屋根に軽く突き立て、両手で腰のポーチから投石用に確保しておいた石を取り出し、斜め後ろ左右にいる黒狼へとナノマシン全開で投げつけた。
いきなり顔も向けずに攻撃された左右の黒狼は回避できず、右の黒狼は脇腹に直撃し、左の黒狼は脳天に直撃したようだ。
私の視界は向いていないが、脱出ポッドのセンサー類の情報をリュージュが処理し背後までカバーできていた。
残り2匹。
ここで1匹が弱気になりジリジリと後退し始めるが、巨大黒狼が撤退は許さないとばかりにひと吠えすると困ったように動きを止め、私と巨大黒狼に交互に顔を向け心が揺れ動いているかのようだった。
チャンスだ。
左手で屋根に突き立てたナイフを素早く握り直し、同時に右手でポーチから取り出した投石を戸惑う黒狼のへと投げつける。
混乱したように視線を動かしていた黒狼は私の投石に咄嗟に身構えるも、軌道が明らかに外れているのに気付き回避行動はとらなかった。
投石はそのまま黒狼から外れ、その後ろにあったキャンプファイヤーのように大きな焚き火へとぶつかる。
次の瞬間、投石が当たりバランスが崩れた焚き火は大きく倒れ黒狼を巻き込んだ。
これであと1匹。
左手のナイフを右手に持ち替え、左手は腰に回し投石を掴む。
さぁ勝負だ!
私は両手を広げ大きな唸り声をあげた。
巨大黒狼と睨み合う。
風が吹き、倒壊した焚き火から火の粉が大きく巻き上げられた瞬間、私は屋根から巨大黒狼に向けてナイフを振りかざし飛びかかった。
巨大黒狼は素早く前に突っ込み回避すると、着地した私を目掛けて背後から襲いかかる。
リュージュからの情報を頼りに斜め前に前転しながら回避すると、振り向きざまにすかさず右手のナイフを振りぬく。
手応えがあった。
畳み掛けようとナイフを繰り出すが、巨大黒狼の左手で弾かれる。負けじと私は左手の投石で相手の横顔を殴打するが、そのまま躍り掛られ押し倒される。
私を押し倒した巨大黒狼はそのまま伸し掛かり、大きく口を開けて顔めがけて噛みついてくる。
咄嗟に投石を握った左手を口の中に捩じ込みながら顔を守り、さらに右手のナイフを相手の脇腹へと深々と突き刺した。
大きく二の腕を噛みつかれ、激痛が走った。
突き刺されたことに驚いたのか相手は大きく身震いし私の左手を吐き出すが、その勢いで私も突き刺さったままのナイフを手放してしまう。
そして伸し掛かられた体勢のまま左肩に大きく噛みつかれた、私はさらなる激痛に気を失いそうになったが右手を背中に回し矢を握って相手の顔めがけて全力で突き刺した。
流石にこれは効いたようで「ギャン」と鳴きながら後ろに跳び、再び二人の距離はひらいた。
私は素早く立ち上がり、右手でふたたび矢を握り相手に向け構えた。
巨大黒狼の左目には深々と矢が突き刺さっていた。
私は左手の二の腕と肩を負傷し、相手は右脇腹にナイフを、左目には矢を受けている。
巨大黒狼は激昂しヨダレを振り乱しながら飛び掛ってきた。
回避しようと後ろへ飛び退くが、相手の速度が勝り右太腿に噛みつかれ、そのままの勢いでもつれ合う。
右手の矢を相手の顔めがけて叩きつけるが、噛みつかれた痛みで取り落としてしまったようで素手で思いきり殴りつけることになる。
巨大黒狼は素手など物ともせずに、太腿を食い千切ろうと左右に顔を激しく振る。
激痛に意識が飛びかけ、訳もわからずに右手で腰のポーチから何かを掴み相手の首元に何度も叩きつける。何度も何度も叩きつけていると巨大黒狼の顎から力が抜け、私は最後の力をふりしぼって太腿から顎を振りほどき必死に後ずさり距離をとった。
巨大黒狼はその場から動かず、激しく呼吸だけを繰り返していたがその勢いも徐々に弱まっていく。
弱々しく、ときには咽るように浅い呼吸をゆっくりと繰り返す巨大黒狼にミロクはじょじょに冷静さを取り戻していったが、それと同時に焼けつくような痛みが左肩と腕、そして太腿から感じられた。
血塗れだった。
巨大黒狼に止めをさした右手には、血に染まった削りかけの鹿の角がしっかりと握られていた。
「っててて、痛だだだ。これは……きついよ……」
《痛覚抑制、快楽物質増加を緊急処置として行います。緊急事態のため身体検査を行います……》
《……検査完了。左上腕に18箇所の咬傷。左肩に30箇所以上の咬傷と鎖骨肩甲骨の複合骨折。右大腿に30箇所以上の咬傷。血液量低下、血圧低下、全身に軽度の裂傷が確認されました》
《引き続き治療に入ります。緊急造血ならびに咬傷・裂傷の修復、骨折部分の造骨、感染症対応を開始します》
《ミロク、緊急処置を開始したので緊急用に培養しておいたナノマシンで傷口を保護してください》
痛覚抑制と脳内物質のおかげで痛みが引き少し冷静になった。
よろよろと腰を持ち上げ、ポーチからゲル状のナノマシンの詰まったボトルを取り出し傷口に塗りこんでいく。
ナノマシンは塗りこんだそばから傷口を保護するために薄く硬化していく。
あたりは酷い有様だった。
焚き火は崩れ大きく散らばり周囲を薄ぼんやりと照らしている。
黒狼の死骸が散乱しあちこちに血が飛び散っている。巨大黒狼はゆっくりと浅い呼吸を繰り返しているが、その目にはもう光は感じられなかった。
呆然とこの惨劇を眺めるしかなかった。
この混乱を切り抜けた安堵感と、ギリギリの攻防をしのいだ安心感に浸っていた。
「クゥン」と弱々しい鳴き声が聞こえた。
しまった、屋根に乗せたまま狼親子のことをすっかり忘れていた。
大急ぎで立ち上がり、右足を引きずりながらなんとか屋根の上に這い上がる。
屋根の上ではボロボロの親狼が横たわりながらも、こちらをじっと見つめていた。
親狼がまた弱々しく「クゥン」と一声鳴くとともに、咥えていた子狼を鼻でこちらに押し出してきた。
子狼をそっと抱き上げてみると、子狼の右目が大きく傷ついていた。
慌ててボトルを取り出し右目にナノマシンを塗り込んで、さらに口を開きナノマシンを流し込む。
すかさず左手首のリングをかざしながら、リュージュに呼びかける。
「リュージュ、こいつを治療したいからナノマシンを作動させてくれ」
《了解しました。ナノマシンを治療モードで起動しました……眼球と顔面の治療を開始します》
リュックからシュラフを取り出し子狼をそっと寝かせる。
親狼も治療しようと近づいていくと……親狼はすでに息絶えていた。
02/01 変更 黒狼5匹目の死因
02/07 修正 句読点