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神々の泉  作者: tamap
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プロローグ

どこまでが残酷な描写か分からないので保険です。

 やっと修理から帰って来た原付バイクでお買い物。

10年近く乗っている原付は最近故障続きでそろそろ替え時かな~。

住んでいる場所が交通の便の悪い田舎でバスは一時間に一本あるかないか、道が細い上に国道への抜け道にされているのでラッシュ時にはバスが30分位遅れるのは当たり前。

国道沿いにある大きなショッピングモールに行くのに自転車では30分以上も掛かる。

必然的に移動は車かバイクということになるので私の足である原付が故障していた間は近所の品ぞろえの悪い小さなお店か高いコンビニという事になる。

コンビニは便利だけど毎日の買い物なんかに使ってはいられません。


 車の免許は持っているけれど、もう長い間持っているだけのペーパードライバー。

いまさら怖くて乗れない。

それに我が家の車は社会人の娘が通勤用に使っちゃっているしね~。

私としては車より風を切って走るバイクの方が好きだなぁ。

特に今のような春爛漫の頃には。

娘はいい歳をしてバイクは危ないって言うけれどそんなにスピードを出す訳じゃないし・・・。


 あ、国道へ出るT字路の信号が青になった。

ラッキー♪

ここの信号に引っかかると国道優先なのか凄く待たなきゃダメなので嬉しい。

少しスピードを落としてウィンカーを出して左折。


 ガンッ!!!!

曲がり切ろうとした私のバイクの後ろから何かが激しくぶつかって来て私の最近ちょっと太り気味の体が軽々と宙に舞った。


 宙で反転した私の目にぶつかって来た車が見えた。

白い大きな乗用車。

とても高そうな車の運転者は手元のスマホに目をやっていてこっちを欠片も見て無い!!!


 アホーーーー!!

運転中にスマホをやるなーーーー!


 恐ろしく引き伸ばされた時間の中でそれを見て取った私は次に飛ばされて行く先を見た。

あ、ヤバイ死んだわこれ。

飛ばされて行く先、道の左側は10メートルくらい低くなっていて柵はしてあるけれど私はそこを超えてしまいそう。

落ちたらその衝撃はもちろん律儀に一緒に飛ばされている愛車(原付バイク)の下敷きになったら顔も体も原型を留めないかもしれない。

お棺の蓋も開けられないなんて嫌だなー、なんて妙に達観した精神状態で想像していた。


 ガシャン!!!

高くはないけれどそれでも大人の背丈くらいはある柵の金属の網にバイクが引っかかった。

大きく網を撓めながらも柵に止められたバイクだったけれど私の体はその上を越した。

固まったようにハンドルを握っていた私の右手からパキッと音がした。

あ、折れたわ。

去年足の小指を角にぶつけて折ったのが治ったところなのに!


 ハンドルからあっさりともぎ離され、私の体は落ちてゆく。

下にキラキラと水が見える。

でもこの水は先日の雨の溜まり水。

10センチもありはしない。


 バシャーーーーン!

ゴボゴボゴボ・・・・。

え????

ゴボゴボってなんでこんなに深いのーーーーー?

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