ああ、愛しの四月馬鹿!
世界は嘘でできている。
…なんてね。
4月1日(日)天気:雨
さてさて、何から記そうか?
なんて考えたところで、全部書く事に変わりはないから悩んだって無駄だけど。
でもまあ、1から10まで順番に書くのと、5、7、4…とバラバラに書くのとじゃ印象が違うし、わかりにくいだろうから、とりあえず1から書いていこう。
そう結論付けてみると、悩む事も無駄じゃなかったかもと思えてくる。
どうして私がこんな日記をつける事になったか、その始まりの話。
……うん、はやくも面倒くさいわ。
寝てる間に書いてくれる小人とかいないかな。緑色の小さなおっちゃんとかでも良いんだけど。って、いないから自分で書くしかないんだよねぇ。
五分咲きの桜が天からの涙を受け止めている。降り出したばかりの雨は小降りで、傘を開くか迷うくらいだ。
…よし、無理!
ちょ~っとだけ格好よく文学小説みたいに書いてみようかと思ったんだけど、天気の描写で既に無理。飽きた。
自分で言うのも何だけど、さすが飽き性、嘘吐き、面倒くさがりと三拍子揃った駄目人間のお手本様よね。
嘘、三つと言わず五つも六つもお手本あるわ。行き当たりばったりとか。
大体、こういうのはマエサキの方が得意なんだよなぁ。
あ、こうゆう人物についても記すべきなのかな?
マエサキっていうのは私の幼なじみで正式名称は前田咲。かなりの読書家っていうより本オタクの方が相応しい位に本ばっかり読んでる図書館の住人で……やっぱりいいか。
えっと、そう、とりあえず雨が降ってて、桜がそこそこ綺麗で、傘をささずに歩いてた。
今日は新学期最初の日で、年に一度のエイプリフールという私のために存在するような闘いの日だったから、気を引き締めてちょっと早めに家を出た。
まあ、これが間違いだったんだけど。
これから酷使するであろう、口という名の武器兼相棒のお手入れの為に『潤いクイーン』(スポーツドリンク系清涼飲料水150円)を買おうと思ってコンビニに入った。
まあ、これも間違いだったかも。
外の傘立てに結局ささなかった傘を立てて自動ドアを開くと、
「いらっしゃいませー!」
と近所で話題のイケメン店員さんがお決まりの挨拶をしてくる。……はずだったんだけど、今日は私と入れ違いで出て行く人がいたから、
「ありがとうございましたー! いらっしゃいませー!」
だった。
コンビニを出るまでは良かった。飲みながら歩き出したのも良かった。だって、いつもの事だったから。
ただ今日に限っては駄目だった。せめて立ち止まって飲んでいれば…。
コンビニの隣にある廃ビル。そこを曲がれば学校が見えてくる。
当然、いつも通りに曲がった瞬間、ペットボトルをくわえた私に向かって女の子が降ってきた。
本当は、降ってきた、ということに気づいたのはもっと後。
具体的に書くと、降ってきた彼女にぶつかって気を失った私が目を覚ました後、ということになるんだけど。
この時の私は彼女の顔を目にしたと同時に、驚くことも許されず、思考を放棄させられたのだ。
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