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王国物語  作者: 三沢緋夏
2/7

第1章〜住処〜

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

あけた瞬間泡が飛び出る可能性100%。

そんな缶ビールを意を決してあけて、予想通り吹き出た泡を処理して口に含む。

1人では少し広いこの部屋に住み着いてからもう3年半だ。

親父と母さんと姉貴1人を飛行機墜落事故で失ってからもう3年たつ。月日が流れるのは早いな。と年寄りくさいことも思ってみたりする。

16歳だった。

あのころは何かと気に食わないことばっかで。

1人で部屋借りて。

もう1人の姉貴、あけみ姉はデザイナーになるために寮に入って。

そんな俺らに会いに来る途中で。

パイロットの操作ミスで。

何百人もの死者の出る事故で。

家族をいっぺんに3人も失った。

そうして3年たって。

居心地の悪かったこの部屋にもだいぶ慣れた。今じゃ毎日喧嘩三昧だ。



「ピーンポーン」


夜中の2時過ぎにもかかわらず鳴り響いたドアベル。何故かこのアパートのドアベルは音が大きくて近所迷惑もいいところだ。

まぁ、大して人がいるわけでもないが。

ビールを置いて、ドアをそろりと開ける。

「りょーたっ。あっそぼ〜」

水色みずいろ・・・・・」

空色の髪を長く後ろに垂らして、瞳は輝くエメラルド。それはぽっかりあいた穴のようで、今は嬉しそうに細められている。

身体はしっかりしているがマッチョ・・・ってほどでもない。

そして最大の特徴は家柄だ。

佐倉グループの1人息子であるため金はもちろん権力も凄い。本人に後を継ぐつもりはないらしいが。

太い、力強い腕に白くて細い腕をからめているのは彼の配偶者であり町を歩けば誰もが振り返るほどの美貌をもつ鈴音りんねだ。

光に照らされた大地の色の髪を耳の横で1つにまとめている。

黒いまつ毛は扇のようで、その瞳は灰緑のビー玉だ。

秋に実る果実のように赤く、マシュマロのようにふっくらした唇の両端を上にあげている。

「っつーかお前らさぁ、時間帯考えろっつーの」

彼らの脳内辞書に遠慮とか配慮とかそういう言葉がないのは知っているがいくらなんでも常識ぐらいはあってもいいだろうに。水色はともかく鈴音ぐらいには。

「だってこの時間じゃなきゃ遊べないじゃ〜ん。今から夏澄かすみたちも誘いにいくんだ。良太もくるでしょ?」

くるでしょくるよなっていうかこないとてめぇ権力使って殺すぞコラ的オーラがにこやかな水色の顔からうかがえる。

俺はため息をついて家を出た。

空には銀の数多の星。



ここまで読んでくださってありがとうございます。

今回は主要キャラ紹介前編ってことで・・・

次回は残り2人の紹介とある事件が。

あなたさえよければまた。三沢でした。

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