03.麗し令嬢と巨乳メイド
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部屋に入るなり、想良は高らかに宣言した。
「来世は猫になる。しかも金持ちの猫。ゴロゴロして一生過ごすから」
無論、部屋でジュースと茶菓子を待ちわびていた二人の友人は何のことかさっぱりわからず一瞬、呆けた。が、すぐに何かあったのだろうと長い付き合いから察した。
想良は思ったことを誰かにすぐに言う癖がある。
しかも、理由を聞くまで続けると言う、実に性質の悪い癖が。
今も、「どんな人間でもいいんだ、俺と言う猫をでっぷりと太るくらい可愛がってくれれば」と続けている。ちらりとヒロのことを小坂は見たが、いつも通り流すことを決めたらしく菓子の皿に手を掛けている。
こう言う時程、ヒロは年上甲斐がないと小坂は思っていた。
めんどくさいことは嫌いな性格なので、すっぱりと流してしまうのだ。
「その心は?」
小坂はやれやれと思いつつ、ため息交じりに聞く。
「この間見た、芸能人のペットの猫がでっぷり太ってて幸せそうだったのと、これから凛と買い物に行かないといけないのが嫌だから」
「ああ、そう。ガンバってね、オウエンシテル」
無理やり終わらせ、一人で食べる気のヒロから皿を取り上げて机の上にセットする。
「なんて、友達がいがないっ! ここは俺の代わりにいますぐ買い物に行くよって言って欲しかったのにっ!」
「「却下で」」
揃った声に「覚えてろよ」と、想良は小悪党の様な台詞を吐き部屋から出ていく。二人は笑いながら「いってらっしゃい」とまたも声を揃えた。
(妖精……)
映画や本で見る様な妖精を思わせる少女がそこに居た。
緩やかな曲線がかかる金髪は、床に届きそうなほど長いが煩わしさは感じられない。むしろ、着ている白いドレスと相まって彼女が動く度に金色の粒子をまき散らすようだ。
「ぐげげ、ぐげっ!」
シャルロットなんて似合わない名前の鳥っぽい生き物が嬉しそうに少女に近づいていくがそれは無視して、ジッと想良は更に少女だけを見つめる。
透き通るような白い肌についた大きな碧の目も、ほんのり紅色を帯びている唇と頬も、否。どれをとっても今まで自分が見てきた人間の造形の中で美しいと感じずにはいられなかった。
(やばい、やばい、やばいっ!!)
小柄な姿からして、年の頃は自分とあまり変わらないか少し下ぐらいだろう。
「シャルロット、この部屋には入ってもいいけど騒いでは駄目だと言ったでしょう? 悪い子ね、メっ」
鳥っぽいものは「ぐげぇ~」とややしょんぼりとするが、そんなことどうでもいい。
(仕草が可愛い、「メっ」とか! え、この人俺の飼い主的な? めちゃ好み、超好み!!)
なにより、甘い匂いが堪らない。
甘い匂いは女の子がするような甘ったるい香水に似ていたがもっと自然な匂いで、花のような、お菓子のようななんとも言えない――まるで想良を酔わせるための香りのようだった。
『ぜひ、あなたのお名前を聞かせてくださいっ!!』
堪らず、想良は盛大に声を上げた。
自分の体が現在猫のようなものだということを忘れて。
「まあ、可愛い声! シャルロット聞いた? にゃあって、猫ってこんな風に鳴くのね!」
「ぐげぇえ」
目を少女は輝かせる。キラキラと眩いぐらいだ。
(……ん? 今、なんて言った? にゃあ? にゃあって何? 誰が言ったの?)
「なんて、可愛いのかしら。猫さん、もう一度、ねっ、にゃあって鳴いて」
白いほわほわした自分の体をぎゅっと抱きしられ、高ぶる何かを感じたが心の中はいろんな意味で溺れ死にそうだった。
『ウソ、俺もしかして、にゃあって言ってんの?』
一気に、気が遠くなった。
次話には巨乳メイドが出てくるはずです。乞うご期待?