表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死んだら猫った!  作者: 青藍蒼
神さまと猫
33/48

28.日常の変化(side:エクラ)




エクラがダイニングに食事の準備をしに入ると、猫が行儀良く座っていた。


どこかおかしいと首をかしげる。いつもの朝ならぐーすかと眠りこけている時間だったし、なにより近くにシャルロットが見受けられない。自主的にソラが起きるとは思えなかった。


「にゃー」


何の感情もない目だった。青い硝子玉を見ている気がした。

昨日見た感情が何一つ見つけられず、食い入るようにソラをしばらく見ていたが「にゃー」と鳴かれて目を逸らす。


(なんで目を逸らしたのだろう?)


もう一度見ると、ぺろぺろと白い体を猫は舐めているところだった。






文句を言うことなく、猫はシートスを美味しくなさそうに食べた。それが終わると、ゆったりとした動作で部屋を出ていく。尻尾はぶらりと揺れていたがいつものような忙しなさは微塵もなかった。


(なんとなく、なんとなくだ)


自分に言い聞かせるように猫の後を追う。

猫はトコトコと階段を上っていく。三階へ続く階段に足を掛けようとしたので慌てて止める。


「コラ、上に行くな」


首根っこを掴んで持ち上げても不愉快そうに眉をしかめず、猫はこちらを訳がわからないというように見る。


「にゃー」


体をよじるようにして地面に降りると振り向くことなく猫は自分の部屋に向かう。


「ソラ」


名前を呼ぶ。


「にゃー」


止まって、猫は振り返る。

やはり青い目は無感情に輝いていた。


何も言わなかったので、猫はすたすたと歩き出す。


(なんなんだ一体……)


フィオ―レといいソラといい、皆は何を考えているのだろう。

少し頭痛がした。



エクラは頭を押さえながら、仕事に戻った。
















やはりおかしいと思ったのは昼餉の時だった。


猫はまた時間よりも早くにダイニング居た。上に、フィオ―レが入ってきても嬉しそうに尻尾を振らずに近寄って一鳴きしてからすり寄った。

大はしゃぎして鳴くこともなければ、フィオ―レに抱きしめられても胸にすり寄ることもない。


「今日のソラさんは大人しいのね」


「にゃー」


(なんだ、この生き物)


よくわからないがまた、頭が痛んだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ